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幕間『好きって伝えたい』
キス、もう一回、って言われて、
怖いくらいに胸がぎゅっとなった。
メルの手が私の腰を抱いて、離さなくて、
指先まで熱くて、
私のこと、離したくないんだって思った。
嬉しいのに、
こわい。
だって、私だって離れたくなかったから。
唇が触れるたびに、もっと近くなりたくなって、
抱きつきたくなって、
メルに全部預けたくなって、
声を殺すみたいに息を詰めてた。
だめだよって、頭のどこかで思った。
だめ、まだだよって。
でも、メルも同じだってわかった。
私を抱き寄せながら、でも止めてくれてた。
それがすごく嬉しくて、すごく切なかった。
……この先もきっと、
こうやって、ぎゅっとなって、
こわいくらい幸せで、
欲張りになって、
それでもちゃんと、
大事にしてもらえるんだって、
信じてる。
だから今は、
「好き」ってちゃんと伝えるだけでいい。
伝えたい。
伝わってほしい。
だって、私、メルの彼女だから。
――メルの、特別だから。




