13.各々の反応
最近はアイデアがなかなか湧きません。
(??視点)
……負けた。
タウルスが、負けた……
何だ、あの魔法は……
我輩は、あんな魔法を知らない……
あんな……あんなズルみたいな決着では、タウルスが浮かばれない……
嗚呼、どうしてあんな優しい子が……
あんな形で命を落とす事に……
「……オフィウクス様、そこまでです。……これ以上は、人類に貴女様の存在が露見してしまいます」
「……ヴィルゴ、お前は悔しくないのか?……神魔の中で誰よりも優しかったタウルスが、こんな形で死んだのだぞ?……我輩はもう、怒りでおかしくなりそうだ……」
神魔達は、我輩という主神魔の配下だ。
そして我輩には、配下たる神魔が志半ばで死んだ事を悼む義務がある。
だからこそ、ここで人類を滅ぼ……
「それが、本当にタウルスの望んだ事だとでも?」
「……そ、それはっ!」
「当方も今回の決着に思うところはありますが、この件につきましては他ならぬタウルス自身が死の直前に不問としております。……それでも貴女様が出られるというのであれば、その行動はタウルスの意思を踏みにじるのと同義ですよ?」
「……ぐぬぬ……」
ヴィルゴの言葉は正論だった。
他ならぬタウルスの遺言。
ここで怒りに任せて人類を滅ぼせば、タウルスを殺した者達の名誉を傷付ける事になる。
……それを望む程、タウルスは器の小さな男ではなかった筈だ。
「……次の〈神罰〉には、既にレオが名乗りを上げております。……当方としても異論はないかと」
「そ、そうだな……最悪、我輩の〈神罰〉で復活させる事も可能な訳で……」
「まあ、そうして復活させた神魔が本当に以前と同一存在かは、当方すら何とも言えませぬが……」
「余計な事を言うな!」
ヴィルゴは一言余計だ!
……もう良い。
「おや、落ち着かれましたか?」
「落ち着いた!……我輩はまたしばらく人類共の観測に集中する。……後、話し相手はペットのサーペンスにでもして貰うとしよう!」
「シュルシュルシュル……シャァァァァ!」
我輩はペットの最上級蛇型天魔、サーペンスを話し相手として定めつつ、再び人類の観測に集中した。
……我輩は12の神魔を配下とする者、〈死者を蘇らせる蛇使い〉、オフィウクスだ。
だから、タウルスが死んで寂しくなどない!
「あらあら……オフィウクス様ったら♪」
「ヴィルゴ、我輩を小馬鹿にしているな?」
「いえいえ、滅相もありません」
「どうだかな!」
ふん!
ヴィルゴは主たる我輩の事を子供か何かだと思っている節がある。
……ただまあ、注意するだけ無駄なので何も言うまい。
「……では、オフィウクス様。……近い内にでも再び話せる事を祈っております」
「祈るな!また我輩に会いに来れば良い!」
「オフィウクス様……」
「ハァ……タウルス、何故神魔の中で最もマトモだったお主が最初に死んでしまったんだ……」
タウルスよ……
これからは一癖も二癖もある神魔達を我輩1人でどうにかせねばならないのか?
それは流石に厳しいぞ?
……あ~もう、緊急性の低い悩みの種は後回しだ!
そうして我輩は、何も考えずに人類の観測を再開したのだった……
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(武巌原 軍破視点)
「……ほんと、最期まで天晴れな奴だったなァ」
「ほんまやわ~。……まさか、最期は立ち往生で逝ってまうとは……」
オレ達は目の前で立ち往生……
……四足歩行のアレを立ち往生って言って良いかは微妙だが、普段の体勢そのままで逝きやがった神魔タウルスを見ながらそう呟いてたァ。
「で、時子とレベッカはどうなったァ?」
「神魔タウルスの死を確認した途端、2人揃って気ぃ失ってしもたわ。……多分、体力の消費がエグかったんやろな~」
「そうかァ……あ、王魅のメンタルケアも絶対に忘れんなよォ?……ああいうタイプは、自分だけ役に立てなかった事実を気にするもんだァ」
「分かっとるよ。……それにしても、あの力に関しては分からん事ばっかりやで……」
時子とレベッカが土壇場で発現させた力は訳が分かんねぇし、王魅のメンタルケアも絶対に忘れずしとかねぇとだし……
「ラビィリンにでも聞いとくかァ?」
「多分、流石のラビィリンはんでもこれに関しては知らんと思うわ。……せやろ?」
『そうラビな。……ボクちゃんでも全く見当がつかないラビ!』
ハァ……どうしたもんかなァ……
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(帝星 王魅視点)
役に……立てなかったのだわ……
時子もレベッカも自分に出来る事をやり切ったというのに、私だけは全く役に立てず……
……ただのお荷物だったのだわ。
「時子、レベッカ……私は……いったいどうしたら良いのだわ?」
目の前で気を失って眠る2人を見ながら、私は自分の無力感に苛まれてたのだわ……
確かに、あの巨体に鞭なんて役に立てないのは最初から分かってたのだわ……
でも……
「……このままじゃ私は、女王失格なのだわ……」
女王の名を冠する魔法を使っていながら、こうも無様な体たらくとは……
「……強く、ならないと駄目なのだわ……」
もっと強くならないと……
もっと気高くならないと……
もっと、もっと……
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(俯瞰視点)
同時刻、魔法少女組織の受付にて……
「姉さん、これはどう見るでございますニャン?」
「……例の未知の力については一旦考えるのを辞めるニャン。……ただ、あの3人に関しては1回私が直接特訓をつけてやるのも良いかもニャン!」
「おや、姉さんがそう言うなんて珍しいでございますニャンね?」
「そうニャンか?」
ラビィリンを通じて神魔タウルスと魔法少女達の戦闘を観察していた菜々乃と那奈耶は、そんな事を駄弁っていた。
ただ、ラビィリンを通じて戦闘の様子を見ていた者は他にも居て……
「いやはや、新人ちゃん達が発現させたあの力が何だったのかはよく分からないっすけど……魔法少女に選ばれたせいで陸上選手って夢を諦めたアタイとは真逆で輝いてたっすね~……」
〈疾走〉の魔法少女は、遠い目をしながらそう呟いていた。
「これで拙者達、人類側の完全勝利が1歩近付いたでござる!」
〈忍者〉の魔法少女は、純粋かつ無邪気に喜んでいた。
「チッ!……大きな獲物を逃した気分なノダ!」
〈野生〉の魔法少女は、何故か悔しそうだった。
「けひゃひゃひゃひゃひゃ!……勝っててマジウケジワる~♪……ってか、チョ~面白そうであげぽよ~♪」
〈狂乱〉の魔法少女は、意味不明な言葉を並べていた。
「……何が何だか分からんザマスが、これはオチオチしてられないザマスね……」
〈宝石〉の魔法少女は、対抗意識を燃やしていた。
「これはどっちもあんまり参考にならないアル」
〈振動〉の魔法少女は、今回の戦闘が何の参考にもならないと落胆していた。
「……余の法は絶対なり……」
〈規則〉の魔法少女は、自身の魔法に絶対的な自信を持っていた。
……こうしてラビィリンを通じて戦闘を見た者達は各々の反応を見せつつ、今後の立ち回りを考え始めた。
そして、反応する者はもう1人……
『ふふふ……神魔タウルスを倒すとは天晴れでありんすが、少し気になる事も出来たでありんす……』
深く暗い海の底で、そんな声が響き……
……やがて海流の喧騒にかき消えた。
その声は何だったのか?
それを知る者は、1人と1匹しか居ない……
ご読了ありがとうございます。
これで第1章は終わりです。
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後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。




