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十連敗から始まる逆転生活  作者: masa


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第四話 自己紹介part

風は少し冷たくなってきた。夜の街灯が、改札前の俺の影を長く伸ばす。


「俺、博打川誠、25歳、フリーター。」


誰に向けて言うわけでもなく、口に出してみた。

自己紹介なんて、普段なら思い出す必要もない。だって、毎日が日雇いと競輪、カツ丼とコンビニ飯の繰り返しだったから。

でも、今夜は違う。昨日までの俺じゃない、財布に百万円単位の札束を握ってる俺がいる。未来を覗く力を手に入れた俺だ。


「25歳、フリーター、博打依存歴5年、ギャンブル下手からの逆転劇……」

そう言いながら、自分でも笑った。なんだ、この自己紹介は。まるで漫才のネタだ。


だが、心のどこかで、これは現実だと確信していた。未来の俺は確かに見えた。

そして、見えた未来に従えば、絶対に勝てる。


駅前のコンビニに立ち寄り、缶コーヒーを手に取る。手のひらに残った札束の感触は、まだ夢の中のようだ。

「さて……次は何をする?」

自問自答する俺の口元に、自然と笑みが浮かぶ。


普段なら、こんな時に頭をよぎるのは、「次の生活費はどうしよう」「明日の飯はどうしよう」だった。

だが今は違う。次にどのレースで勝つか、どの券を握るか、それだけが頭を占める。まるで未来の景色を自在に操作できる神様のようだ。


「俺、フリーターだけど……ここからが本番だな」


駅のホームで電車を待つ間、改めて自分のことを整理してみた。

名前は博打川(ばくちがわ) (まこと)。25歳。職歴は定職なし、得意技はスクラッチと競輪の車券読み。趣味は昼寝、好物はカツ丼。特技は……未来を見る力を使った博打での逆転劇。

自己紹介はこれで十分だろう。いや、まだ十分じゃない。これからの俺の人生が、真の自己紹介になるはずだ。


電車がホームに滑り込む。

俺は札束を握りしめ、心の中で小さく宣言した。


「よし……次はもっと大きな舞台で、俺の力を試す。」


駅のドアが閉まる音とともに、25歳のフリーター、博打川誠の新しい人生の第一歩が始まった。

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