8話自業自得
嬉しそうな顔してあいつが走ってくる。
「ただいま、戻りました!」
「どうだった?」
そう聞くと、さらに顔をニコニコさせて
「無事、合格しました!ランクDですよ」
「そうか・・・だが、うかれすぎたな。
きさま、つけられているぞ。」
数は5人・・・・いや6人か
「え?どっどうして!?」
「心当たりは無いのか?」
「そっそんなこと・・・あ」
「あるみたいだな」
事情を聞くと逆恨みみたいだな。くだらない話だ。
「やはり、修行が足りなかったみたいだ。
また1から鍛えなければな。」
「そっそんな〜」
「黙れ。きさまが、悪い」
「うぅ〜。褒められると思ったのに。」
何か、泣き言を言っているが無視する。
「で?どうするんですか?」
「きさまは、ここで待っていろ。」
そう言って、歩きだす。相手が、悪ならやることは、1つだ。
バランは、先ほど蹴られた腹をさすりながら
怒っていた。
(ちくしょう。あの女、許さねぇ徹底的に
痛めつけて、嬲って殺してやる。)
そう考えていた時だった。
「ぐわ!」
突然、仲間の1人が身体が真っ二つに斬られて絶命する。さらに、後ろから何かが落ちる
音がした。見てみると。《ヒトだった物》が
2つ転がっていた。
(バカな!?音も気配も無かった!この当たりは、魔物は来ないはず。何が起きてやがる!!)
次々と、仲間が死体に変わっていく。僅か数分で、残りはバラン1人だけになった。
(一体、どうなってるんだよ!どこから来るか見当もつかねぇ。おれたちは、『何に』襲われているんだ!)
「おい!卑怯だぞ!、出てきやがれ!!」
周りに怒鳴り散らす。
「・・・目には、目を。剣には、剣を。そして・・・」
何処からとなく声が響き渡る。
(どこだ!どこから聞こえてくる!?)
「悪には、悪を。」
聞こえた声の場所に、振り向くと漆黒の騎士が己の身長を優に超える大剣を振り上げていた。
それが、バランの見た最後である。




