68話森の中
荒野を抜けてから2日がすぎた。荒れ果てた風景から一変し木々が生い茂っている森があり心地よい風が2人を迎い入れた。
「んー!風が気持ちいいー。」
キリーは、両手を上に伸ばしリラックスする。
「おれたちが向かう村はこの森の中間にあるらしい。これだったら日が暮れる前には着きそうだ。」
そう言うと、グレンはペンドラゴンで買った地図を畳みキリーに渡す。
「そう言えば、魔物には出会わなかったわね。まぁ、楽出来ていいんだけど。」
「大方、新聞を読んだ冒険者たちが狩りながら行ったんだろう。」
「・・・冒険者で思い出しんたんだけど、私たち冒険者登録してないわよ?それって大丈夫なの?」
「魔物を狩るのは冒険者だけという決まりはない。・・・ただ、カードを持っていないから身分を証明するのに多少面倒がかかるがな。」
カードはこの世界で自身の身分を証明できる唯一の物。冒険者以外にも商人、傭兵などがあり、持っていない者は農民か奴隷に絞られてしまう。そういう者は基本、外には出ないため、カードを持ってない者は厳重な審査を受けることになる。
「そんなに面倒なら、近くの村に寄って冒険者登録すればいいじゃん。」
「ヴァンパイアの推定ランクはC。今から登録してランクCになってるころにはもう、退治されているだろうし・・・それに、おれはあまり人に会いたくない。」
「はぁ?ペンドラゴンに普通に入っていたじゃない。」
「あれは、特例だ。基本的には、おれは人と関わりを持ちたくない。」
グレンのよくわからない主張に呆れながら森を進むと奥から、争っている音が聞こえてくる。
「どうする?無視でもしますか?人見知りの騎士様?」
「・・・さっさと助けて進むぞ。」
グレンは、疲れたようなため息を1つつくと音のする方へ駆けていった。




