69話違う空
グレンたちは戦闘音がする方へ駆けていくとそこには5人の冒険者と思わしき人を何十の魔物が囲っていた。
「ゴブリンにコボルトと・・・オークか・・・。基本的に種族同士でしか群れない魔物と1匹で行動する魔物が集まっているとはな・・・」
コボルトはカラスが魔物化したものでゴブリンにより少々小柄だが背中に生えた黒い羽を上手く扱い、手に生えている鋭い爪を使って攻撃してくるためゴブリンに1つ上のEに充てられている。また、オークはイノシシが魔物化したもので人の上にイノシシの頭を付けたような姿をしている。ゴブリンよりも知能が低いが発達した筋肉とアゴに生えた太く長い角を武器として扱うためランクDに充てられている。
「しかし・・・連中も相当手練れているように見えるが・・・数が多すぎるか。」
戦士の格好をした男がオークの突進をいなして隙を作り、そこに魔術師の女が魔術を放って倒し空から攻撃してくるコボルトを弓を持った男が矢を射ち防ぎ、剣を持った女とメイスを持った男が2人がかりでゴブリンの猛攻を防いでいる。今は、5人組が優勢だが数が違い過ぎる。早い段階にこのバランスは崩れ、あの5人は魔物のエサとなるだろう。グレンはそう予測を立てた。
「何、呑気に推察してんの!?早く魔法を放ちなさいよ!!」
「馬鹿かきさまは。魔法は既に廃れている。魔術師の前で放ちでもしたらすぐにバレるわ。」
「ステロには魔法教えたじゃん!!それはいいの!?」
「あいつは英雄の血を流している。先祖がえりとでも向こうが勝手に決めつける。」
「じゃあ、どうやって助けんのよ!!」
「きさまの腰に差しているのは何だ?ただの飾りじゃないだろう?」
「・・・うそでしょ?まさか、あの中に突っ込んでいくつもり?・・・」
「それしかないだろう?」
「無理無理無理!!死ぬ!!死ぬって!?」
キリーは、横に首を降りながらグレンの案に拒否する。
「じゃあ、見捨てるか?」
「うぐ。」
そう、グレン言われるとキリーは首を横に降るのをやめる。
「・・・・・・アァァァァァァ!!もう、行けばいいんでしょ!?行けば!!」
数秒、キリーは考えるとやけくそとばかりに言い放った。
数分後、2人は魔物の群れに突入する。
パナウェイ 智略の塔
そこは、白い空間だった。そこには、道具も何も置かれていない。ただ、白い空間が続いているだけだった。その中で、剣を交える音が響く。空間の中では2人の女性が剣を交えていた。
1人は、赤髪の女性で優しそうな面立ちをしている。しかし、その表情を鬼気迫る顔に変え両手には2つの木刀を持ち相手を攻めている。対する、女性は茶色い髪を短く切り添え頭に耳を生やし獣と思える鋭い目で相手を見ながら、長い棒をある時は受け、流したりと長い棒を上手く扱い相手の猛攻を防いでいた。赤髪の女性は、左手にある木刀を逆手持ちに変え、切り上げるように長い棒を叩いた。棒は持った手ごと上に上がり胴に隙間が出来た。その隙を逃すかと右手にある木刀で叩こうとする。その瞬間、棒を持った女性は赤髪の女性の脚を払う。バランスが崩れた赤髪の女性は大きく地面に倒れる。直ぐさま、立ち上がろうとするがその前に棒が彼女の喉に突きつけられた。
「・・・・参りました。」
赤髪の女性がそう言うと獣人の女性は棒を外す。
「いやー強くなったーね。さすがに、ヤバイと思ったよ。」
「いえ、全然、ダメです。もっと、上手くならないと・・・」
「身体能力の高い獣人に何の補助も受けずに闘えるだけでも十分だと思うけどねー」
「・・・・ それだけじゃ、駄目なんです。これじゃあの人に追いつけない。」
「人気者ねーあいつも。」
白い空間に亀裂が入り中から金髪の女性が姿を表す。
「レイさん。」
「ヤッホー。どう?あたしの白夜の結界は?」
「はい。優位させてもらってます。」
「もーう。相変わらず固いねーリーサちゃんは。」
金髪の女性・・・レイは、大袈裟に手を振った。
「まったく。こんないい女、ほっぽって何してるんだか。」
「・・・きっと、自分の中の正義を貫くために闘っているんだと思います。」
そリーサと呼ばれた女性は、何もない白い空間の上見てそう言った。




