47話落ちこぼれの魔術師
魔導都市ペンドラゴン、魔術学園
魔術の実習で使っているドームで爆発が起きる。これは、僕が仕出かしたことだ。たが、怪我人は出ていない。ここは、そういう所だ。昔に作られた魔導具でここでは肉体のダメージが精神に変換され一定以上のダメージを負うと治療室に転移される仕組みらしい。
「また、お前かステロ・アーチェフェクト。何度、言ったらわかるんだ。」
先生に、いつものように怒られてしまう。無理もない。だって失敗したのは学園で低学年が習う初歩の攻撃魔術なのだから。クスクスと笑う声が聞こえてくる。
「すいません。」
「まったく、筆記で高成績でも実技がダメなら卒業は出来ないぞ。」
先生が、ため息をつきながら言う。この学園では、世界の常識を教える一般学。物事を計算する数理学。そして、魔術を教える魔術学の3種類ある。基本は筆記のみだが魔術学は実技と筆記の2種類がある。魔術学の筆記はあってないようなもので実技で大半の成績に反映される。
「もういい、今日の実技はここまでだ。」
実技の終了後、僕は1人で次の数理学のある教室に移動する。次の授業まで時間はあるから軽めに昼食を食べようと考え、食堂に足を運ぶ。
「よう、無駄つかい。」
廊下で、1人の生徒に声をかけられる。僕と同じクラスの生徒だ。名前は、リーオー・エレイド。実は、学園でも結構な有名人だったりする。父親が、教皇の下で働く最高幹部の1人で彼の魔術の成績もかなり上位に入っている。だが、性格はかなり悪い。よく、他の生徒をいじめて楽しんでいる。いじめが発覚した場合、即退学なのだが先生たちも父親が偉いだけあって何も言わない。見ても無視して通り過ぎるだけだ。
「また、失敗してたな。恥ずかしくないのか?」
僕の顔を見て、ニヤニヤ顔をしながら言ってくる。
「うるさいなぁ。君には、関係のない話だろ?」
ヒトを見下した顔して本当に腹がたってくる。さっさと会話を終わらせて食事したい。
「いやいや、お前が、魔術下手くそのせいで俺らのクラスの順位が落ちているんだよ。」
ここでは、クラスの全員の成績によって順位付けされている。その順位が高ければ高いほど将来に良い仕事につける。
「確かに、実技はまったくダメだけど他の教科では高成績だよ。」
というか、成績は、クラス全体の合計点数なのでとりわけ、僕だけのせいというわけではない。
「はぁ?他のが良くても、魔術が使えなきゃ意味ねぇだろ。ここは、ペンドラゴンなんだぜ?」
タダでさえお腹がすいてムカついているのにさらに、ムカつかせるとはある意味天才だ。
「いくら、魔術が上手くてもそれを使う頭が小さければ意味ないよ。」
「なんだと?」
ニヤニヤ顔を怒りの顔に変えて僕を睨みつけてくる。
「てめぇ、もう一度言ってみろ。どうなるか、わかってんだろうな?」
怒気を混ぜた声で言ってくる。
「だから、使う頭が小さければ意味ないよって。」
言われた通りに言ったら殴られてしまった。右頬に鈍い痛みがくる。思わず尻もちをついてしまった。
「調子こくなクソったれ。てめぇ、なんてその気になったらいつでも終わらせることが出来んだぜ?」
最後に、唾を吐き捨てて先に行ってしまった。僕は、殴られた頬を撫でる。
「痛いなー。はぁ、僕だって魔術があまりにも下手くそなのは知ってるさ。」
気がついたら結構、時間が経過していた。僕は、急いで食堂に向かった。




