24話塔の上の英雄
馬車が止まった場所は城よりも高くそびえる塔だった。
「どうぞ、こちらです。」
エリアは、塔の中へ入っていく。おれは、それについていく。
塔の中は、辺り一面白色に覆われており、中央に円形の装置が設置されていた。
おれが、乗るのを確認すると上に設置されていた四角い装置に手を当てた。
手を当てると、円形の装置が上に上り始める。
「・・・ほう。」
「驚かれましたか?この装置は、魔力を注ぐと上下に移動することが
出来ます。
これは、これから会う方が、発明した魔具と呼ばれる装置の1つです。
しかし、材料がとても高価な物が多くこの1台のみしか作られておりません。」
エリアが、説明をしてくれる。なるほど、いかにも『あいつ』が作りそうな物だ。
説明が、終わる頃と丁度よく最上階に到着した。
最上階には、大きな扉が1つありエリアが扉に魔力を注ぎ扉がゆっくりと開く。
扉が開いた先は、広い部屋が存在し紙などが床に落ちていて机には研究器具が
散らばっていた。部屋の奥にはベットがありベットの上には長い金髪に
豊満な胸を持った美女が
「くかー。くかー。」
いびきをかいて大の字で寝ていた。
おれたちの間に冷たい風が流れるのを感じた。
「・・・すいません。すぐに、起こしてきます。」
そう言って、ベットの方に歩いていく。
「何、寝ているんですか!!早く起きてください!!」
「むみゃむみゃ。・・・もう食べれないよー・・・」
「ほら!!寝ぼけてないで起きてください!!
もうすでに来ているんですよ!!!」
「・・・眠いから明日で・・・」
「だから!!来ているんですよ!!」
いくら、起こそうとしてもまったく起きる気配が無い。
「それぐらいじゃこいつは、起きん。変われ。」
仕方ないので交代する。
「はぁ・・・ではお願いします。」
エリアが、後ろに下がること確認して、ベットを思いっきり蹴り飛ばす。
ベットは、横転し美女の身体は離れていき
「へぶ!!」
床に顔面から、ぶつかった。
エリアが、口をパクパクさせて
「なっな・・・・何やっているんですか!?ー」
部屋中に響きわたるほど声で叫んだ。
「何とは?ただ、起こしただけだぞ?」
「それが!やりすぎなんですよ!!」
「・・・こいつは、これくらいしないとダメだ。」
「いや!でも!!」
そう話しているうちに美女は起き上がる。
「痛たたたた。あー頭がクラクラする。この感覚久しぶりだなー」
美女は、頭を抑えて言う。
「やっと、起きたか。」
「む!その声の質、魔力量、そしてさっきの蹴りの威力!!間違いない!
グレンだ!!」
「・・・変な覚えられかただが、まぁいい。とにかく久しぶりだな。レイ。」
「うん。また会えて嬉しいよ。グレン。」
レイ・エドランシー
かつて、勇者とともに旅をし、魔王を倒し、現代も生きているたった1人。
それが、今おれの目の前にいる美女だ。




