23話手紙
朝になり階段を降りると2人は朝食を
とっていた。そのまま2人のいるテーブルに
向かいに座る。
「おはようございます。グレンさん・・」
「おはよ〜。」
欠伸を噛み締めながら、挨拶をしてくる。
「・・・寝てないのか?」
「いえ。ちょっと話が盛り上がって・・・」
「まったく。何をしているんだ・・・」
「失礼します。」
宿に、鎧を着た女が入ってくる。
女は、まっすぐこちらに歩いてきて。
おれの前で立ち止まる。
「あなたが、グレンですね?」
「確かに、おれはグレンだか。きさまは?」
「申し遅れました。私は、森の騎士団団長
エリアです。以後お見知りおきを。」
「森の騎士団!?」
レンズが、驚きで食べ物をつっかえて
むせている。
「森の騎士団?」
「森の騎士団は、パナウェイの6つしかない
騎士団のうちの1つ。騎士団に入るのは
本当に優秀な者のみでその団長クラスは
国の最高戦力とも言える。とてもすごい獣人
だよ!!」
レンズが、とても詳しく教えてくれた。
気のせいか、説明を聞いたエリアの顔が
少し誇らしげな顔をしているように見える。
「・・・で?その騎士様が、おれに
何のようだ?」
「ある方から、あなた宛に手紙を預かって
います。」
そう言って、手紙を差し出す。
おれは、それを受け取って手紙を読む。
【ヤッホー。みんなの人気者
レイちゃんでーす。ビックリした?ビックリ
したよね!ところで、お元気?私?
私は、元気元気。いやー元気すぎて
怒られちゃうくらい。
ねぇ聞いてよ〜そこにいるエリちゃんさ〜
いっつも、私を怒るのひどくない?
確かに、働かないのはいけないと思うけど
強制しなくていいと思うの。
で。話変わるけどこの手紙読んだらすぐ
私のところまで来てーエリちゃんに馬車用意
しといてもらったからーというわけで
よろしくー】
思わず、握り潰してしまった。
「・・・1つ聞きたい。」
「はい。」
「こいつは、何も変わってないのか?」
「少なくても、私が仕えた50年は変わって
いません。」
「・・・はぁ。」
口からため息がでてしまう。
「わかった。案内してくれ。」
「はい。外に馬車を止めております。」
「グレンさん。私たちも・・・」
リーザたちが、同行を願い出る。
「すいません。彼しか呼ばないよう言われて
おります。」
「そんな!!」
「落ち着け。すぐに戻る。」
そう言って、宿を出る。宿の前に、貴族用と
思える細工をしてある馬車に乗り込む。
中は、しっかりしていておれが、乗っても
問題なさそうだ。続いてエリアが手前に
座る。乗り込むを見ると馬車が動きだす。
おれは、これから会う奴のことを
思い浮かべて、気が重くなっていた。




