表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
堕ちた英雄騎士  作者: CSS
第2章暴食の魔物
22/84

20話グレンの力

身体中に、激痛がはしる。この感覚も久しぶりだ。魔物の皮膚が身体から抜かれる。

「ぐっグレンさん・・・?」

リーザが、呆然としている。いろいろ言いたいところだが、身体の修復に専念する。鎧の穴から黒い影のようなものが溢れ、身体から徐々に鎧へと修復されていく。わずかな時間で身体と鎧の修復が完了する。

「いくぞ。暴食の魔物。」

自分の『魔力』を少し解放し、大剣に『魔力』を入れ詠唱する。

『脈打て、ノートゥング』

黒い大剣の刀身に血のような線が描き込まれまるで、生きているかのように鼓動を始める。おれは、魔物の右足に斬りつける。羊皮紙のようにすんなりと足が斬れる。

「ブモォォォォォォ!!?」

魔物が、リーザ時よりも悲鳴をあげ、倒れこむ。魔物が、四方八方から攻撃してくるが、全て斬り捨てる。足に『魔力』を込め、跳躍し、その巨大な胴体に飛び移り大剣を胴体に刺しこむ。

「痛てぇよ。助けてぇくれー」

「死にたくない。死にたくないよー」

「ママー。怖いよー、痛いよー」

「誰でもいい。殺してくれーおれを殺してくれー。」

胴体に乗ってさらにヒトたち声が聞こえる。

聞こえてないとわかっていてもおれは、答える。

「あぁ・・・。今、楽にしてやる。」

そして、大剣に唱える。

『吸収せよ。ノートゥング。』

大剣がさらに赤く輝き魔物が苦し始め、鳴き叫ぶ。その叫びもだんだん弱々しくなっていき最後にはその巨体さえ大剣に吸収された。

『鎮まれ。』

そう唱えると赤い線が消えていき元の大剣に戻る。

「グレンさん・・・あなたは一体」

レンズが、警戒しながら聞いてくる。

「悪いが、それは言えん。」

「グレンさん。私は、あなたを信頼できるヒトだと思っている。これからも信頼したい。それでも、教えてくれない?」

「・・・それでもダメだ。言えない。」

「・・・そう。わかった。」

そこで、レンズは聞くのをやめてくれた。次に、リーザがおれの前に立つ

「グレンさん。お礼を言わせてください。・・・また、助けてくれてありがとうございます。」

リーザが深々と頭を下げる

「はい!暗い話は、このくらいにして早くいきましょ!パナウェイに!!」

ハナが話を切り替え歩き出す。レンズもそれ以上、何も言わずハナに続いていく。

おれも、歩き出すとリーザが小声で言ってくる。

「正直、私も知りたいです。けど、今は、言わなくてもいいです。いつか、言える時になったら教えてくださいね。」

その言葉に、おれは、黙っていることしか出来なかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ