17話暗躍
西の谷の奥深くの洞窟に2人の、人影が存在した。
「実験体は、どうなってる。」
洞窟の奥にいた影がもう1人に聞いている。
「今は、東の方に移動中だ。」
洞窟の手前にいた人影がそう答える。
「少し、ルートからズレてるが問題ないのか?」
「あぁ。想定内だ。計画に支障は、出さんさ。お前こそどうなんだよ?」
「こちらも、問題ない。いま王国は、タウ伯爵の犯人探しでざわついているからな。このことは、王国に届いていない。」
「しかし、ありがてぇ話だ。おかげで、こっちの計画は順調に進んでいる。」
手前にいた影が、ケラケラと笑いながら言う。
「だが、貴族を屋敷で殺すのは並大抵の奴では、できない。一体誰が・・・」
奥にいた影が考え込む。
「別に、どうでもいいじゃねぇか。そんなこと。」
「・・・お前は、いつもそんなんだからダメなんだ。」
「あぁ!?殺すぞクソ野郎!?」
「やってみろ。お前におれが殺せるわけがない。」
2人の間に殺気がほとばしる。その時
「やめなさいよぉ〜。あんたたち。暑苦しいったらありゃしない。」
あらたな影が会話に入り込む。
「・・・遅いぞ。何やっていた?」
「こっちはこっちで、いろいろと忙しいのよ。でぇ?どう調子は?」
「問題ない。順調だ。」
「そう。それなら良かったわ〜。」
「・・・今日は、これぐらいにしよう。抜かるなよ。」
「テメェもな。」
「じゃ。私たちの推敲なる計画のために。」
その洞窟から、3人の影が消えた。




