SS ルナと不思議な師匠と必殺技!
今朝のご飯はビックWRAビーの蜜を練りこんで焼いた特製パンと、うち自慢のラビッツ燻製をスライスして載せたギザギザ葉っぱのサラダで、皆お代わりをしてお腹いっぱい食べた。
うちはアンナと一緒にキャロルを探す、キャロルはすぐに見つかった。何故かご飯を食べた後に露天風呂の鏡の前でモジモジしていたキャロルの手を引いて東門の外へ向かう。
「今日は~ルナとデート~オマケも居るけどね……」
キャロルの機嫌が少し悪い、何故かアンナを睨むキャロル。アンナは苦笑いしつつキャロルの頭を撫でていた。撫でられているキャロルもアンナが何か耳打ちすると途端上機嫌になる。
うちの耳に聞こえないように耳打ちするとかアンナなかなかやるで……
話しながら歩き東門を出ると、ダンジョン『奈落の穴』の入り口を通り過ぎ後ろの森へと入って行く。ダンジョンの入り口には大きな鉄格子がはめてあり入り口で警備の兵士が数名待機していた。
首をかしげながらこちらを見てくる兵士の一人に見覚えがある……少し前に団員のスカウトを行なっている時、走るうちの前に飛び出すから蹴り飛ばした記憶があるような気がする。
何事も無くダンジョン入り口横を通り過ぎれたので、ホッとして奥に向おうとするうちらに後ろから声がかかる。
「あ~リトルエデンのクラン員には必要無いかもしれないが、東門の外の森はほとんど入る者が居ないから魔物も沢山居る、注意して狩りするんだぞ? 夕方までに戻ってこなかった場合はクラン盟主に連絡が行くようになっているからな。危ないと思ったら大声で叫べば助けに行ってやる」
若い兵士はそう良い笑顔で送り出してくれた。案外良い人みたいやね。
少し歩いた所でキャロルが新しいスキルを試すと言い出した。カナタに頼んで【才能開花】させたスキルで今日初めて使うらしい。
「【糸を紡ぐ三人の乙女】……んんん? ルナ目瞑って?」
ふむふむ? 何で目を……うちが何も考えずに目を瞑ると、キャロルが抱き付いてきて口をふさいできた。
「んむ? んー? んんん!?」
「登録完了なの~♪」
一瞬の出来事で何が起こったか分からなかったけど、キャロルにチュッチュされたみたいやね。
アンナは後ろに生えていた木に隠れてこちらの様子を窺っている……
「【糸を紡ぐ三人の乙女◇月】! ふぁ? ん、くっ…ふぁぁん――」
キャロルがもう一度スキルを使うと急に顔を真っ赤に染め身震いし始める、うちの見ている前で自分の身体を抱き――何か身悶えている……
「はぁ…はぁ…ふぅ……これ結構凄い気がするわ!」
「私帰って良いですか?」
「帰らんといてや! アウラ紐で結んだから帰れんと思うけど……」
「いつの間に!?」
濡れた瞳でうちを見るキャロルに何故か背筋がゾクゾクする、思わずアンナの隠れている木に近づきアウラ紐をアンナの腰に巻きつける。アンナは急いで結び目をとこうとするもアヤカから教えてもらったイアン・セキュア結びで解けないように結んであるので安心やね。
「どうですこれ? ルナとお揃いですわ~♪」
「「あっ!」」
うちとアンナが同時に驚きの声をあげる、キャロルの頭にはうちと同じ耳が生えていて、天使御用達の服の上から着ているローブの下からはふさふさの尻尾が覗いている。
「何か力がみなぎるの! ステータスオープン」
キャロルはそう言うとステータスを確認し、近くに生えていた少し細めの木を両手で持ち一息で引っこ抜いた……!?
「驚くほどステータスに補正がかかってる~♪ このスキル三名まで登録した人の特性をコピー出きるみたいなの」
「凄いけど初めのキスは……?」
「体液で登録する感じ?」
アンナの質問に首を傾げながら答えるキャロル、でもこれで心配だったキャロルの戦力は増強されたと見て間違いない。
うちは進むように促すと三人揃って謎の家を目指す。
「尻尾って不思議な感覚……耳も遠くの物音が聞こえて凄いの! 身体の目だった所に毛が生えてたりしないみたいだし、後二名分は慎重に考えないと~」
キャロルは尻尾フリフリで目の前を歩いている、後ろから見ると左右に揺れる尻尾がうちの目の前を行ったり来たりしてウズウズする。
このままだと危ないと思い横に並んで歩く、尻尾の使い方も今度教えてあげないといけない。
「そろそろだと思うんですけど……」
アンナが先行して歩いている、スマホの画面だけを腕に浮かび上がらせて操作している。
このスマホの地図は凄い、お互いの位置や距離も分かるし方向も今どこに居るかも一目瞭然やね。
そのまま少し歩くと葉っぱの服を着て茂みからこちらの様子を窺うおじちゃんを発見した。
怪しい、どれくらい怪しいかと言うと……ラビッツモドキが私はラビッツですと書いた看板を持って生えているくらい怪しい。
ラビッツモドキはうちが住んでたダンジョンの一番奥の広間に生えるラビッツに似た魔物で、地面から上はまるっきりラビッツのカッコをしている、獲物が近寄ると地面の中から本体が現れてパクリと大口で獲物を食べてしまう怖い魔物や……違いは瞬きするかしないかで、うちはすぐ分かるから問題無い。
「草木の小さき精霊よ! かの者に集まり、束縛する枷となれ!」
キャロルが先制精霊魔法を放つ、おじちゃんが隠れていた茂みがワサワサと動き出し身体に絡まり地面に縫い止める。
「危ない所だったわ、変質者ね!」
「助けてくれ、あと日本語で頼む……」
「キャロル、ここから貴族語で頼むで?」
「??」
アンナがおじちゃんにまとわり付いた草木を引き千切り解放する、その場で話しをするのもアレなのでおじちゃん行きつけの湖の側に移動する事になった。
「えっ!? 知り合いだったの? 今日会う予定の先生!? ごめんなさい!」
「いや、もう良いんだ。ギリースーツも嗅覚が鋭い相手には効果が無いとわかったしな……」
キャロルがすぐに謝って、おじちゃんが苦笑いしつつ葉っぱの服を脱いでいく、何故か葉っぱの服の下には普通の皮鎧を着ていた。
謎の家から歩いて三分くらいの距離に湖があった。地図の丸い青色の部分が湖みたいやね。色々な記号があってまだ何か分からない物もある……湖の真ん中にある扉のマークは何なのか今度カナタに聞いて見ないとあかん。
「とりあえずだ。朝ご飯とやらを食べたいわけだが……この大きな切り株がテーブルだからこっちの石にでも座ってくれ」
「ビックWRAビーの蜜を練りこんだカナタ特製蜂蜜パンとうちオリジナルのカナタミルクに、プテレアからの差し入れが乾燥蔓とカナタ芋飴一瓶にカナタ芋燻製1kgとムカゴ芋燻製1kgに塩1kg砲丸芋一個にシェルトマト三個にプテレア印の虫除け液とその詰め替え用1Lに……」
「ちょっと待てー!? 何それ、いっぱい貰い過ぎて怖いんだけど! いったいおじちゃんに何させる気なの!?」
両手で自分の身体を抱くような仕草をして一歩下がるおじちゃん、アンナがゴミを見る様な目でおじちゃんを見ていた。
「すいませんっした! 久しぶりに女の子とお話し出来てちょっと調子乗ってました!」
そんなアンナを見たおじちゃんは地面に膝を付き土下座し始める、話が進まないのでうちは切り株テーブルにどんどん物資を置いていく。
「うちがおじちゃんの事プテレアに相談したら……何故か泣きながら色々用意してくれたで?」
「ちょっと、ちょっと待てお嬢さん! どう言ったらそんな泣きながらこんな大漁の食べ物用意してくれるんだよ!?」
おじちゃんの顔色が悪い、やっぱり栄養が足りてないのかもしれない。仕方ないのでうち秘蔵のニードルラビッツの燻製も1kg追加しておく。
「あぁ、今朝ルナがプテレアに相談してたのがコレの為だったの? 確か……着る物が無くて大自然の恵みを身にまとい、言葉もろくに通じないから町にすら入れず、東門外の森に一人で住んでる可哀相なおじちゃんが居たって言ってたわ」
「キャロルいつの間に聞いてたん!? うちの嗅覚を誤魔化せるなんて凄いな~」
「精霊魔法で周囲に風の結界を張ってたんですの! もっと褒めてくれても良いわ!」
うちとキャロルの目の前で一度は立ったおじちゃんが膝から崩れ落ちる……何で泣いてるんかな?
おじちゃんの頭を撫でてあげる。
「いや、まぁね……大体合ってなくも無いからね、だけどね? これでも門番とは結構仲良いんだよ? 時々差し入れに森で取れた山菜とかラビッツとか持って行くと、着れなくなった服だからとか言っておじちゃんのサイズにピッタリの服をくれたりね?」
立ち直ったのか石に座って朝ご飯を食べながら話すおじちゃん、食べ始めると言葉が少なくなり涙を流しながら食べていた。
途中から食べ終わるまで無言になり、食べ終わっても少し空を眺めてボーっとしているおじちゃん。
「ボス、この人本当に大丈夫なんですか? 貴族語しか喋れないとかどこのボンボンですか……捨て子?」
アンナは結構凄い事を本人の前で堂々と言い放つ。我を取り戻したおじちゃんは涙を拭いこちらに色々話し始めた。
「おじちゃんはね、去年って言ったら良いのかな? 今くらいの暖かい時期に自分の部屋で眠ってたら天使様が夢に出てきてね……」
天使様の時点でアンナは興味を無くしたのか湖の中を眺め始め、キャロルは『天使教の魔の手が……』とぶつぶつ言っていた。
おじちゃんの話しは長かった。うちは途中船を漕ぎつつ適当に相槌を打っておく。
「……それでね、いざこっちに来たら貰えるはずだったスキルは何一つ覚えていないし、連絡は付かないし、終いには夢枕にまた出てきて失敗したから諦めてくれって言われてね……何とかべっぴんの獣人さんに助けられてここまで来れたって分けだ! 今じゃレベルも100を超えてここら辺の魔物は目を瞑っていても倒せるようになったって分けよ! いや~素手で倒すのは結構骨が折れるんだよ?」
どうやら話しが終わったみたいで、素手でタイガーベアをしとめた事があるとか言う話は何と無く耳に残った。
「おじちゃん何で泣いてたん?」
「いや~だってこっちに来てからこんな柔らかなパンや、まさかの燻製が食べれるとは思わなかったからね……もしかしてカナタさんって日本人なのかな? 今度是非お礼が言いたいね!」
「カナタもアヤカも多分元日本人って言ってた気がする?」
また涙しながら笑顔になるおじちゃん、よっぽど辛い一年を過ごしてきたに違いない。うちはさり気無く職を斡旋する事にした。
「今日必殺技教えてもらったら帰りに冒険者ギルドに登録して、宿もメアリーのところを紹介するから町の中に住むと良いよ?」
「これはおじちゃんの運命の分岐転かもしれないね、そろそろ一人も飽きてきたし日本語で話しが通じる人も居るみたいだから寒くなる前に職に就いた方が良いかもしれないか……」
真面目な話しをしている途中アンナとキャロルが湖から大漁の魔晶の欠片や魔水晶を拾い上げていた。
そちらの様子に気が付いたのかおじちゃんは要るなら適当に持って行ってと言い始め、お金になると言うと酷く驚いていた。
「いや~解体した獲物から石が出てきて邪魔だと思ってたのに、まさか換金出来るとはね、もしかしてこれとかも売れる? 綺麗だから置いてたんだけど……」
「イデアロジック(脱兎)(暗視)(肉体強化)の三個も……多分金貨で六枚以上やと思うで?」
「凄いのか凄くないのか分からないな~」
おじちゃんのステータスがわからないからどうにも言えないけど、多分これは自分で使った方が良いと思う。
おじちゃんは『先立つ物が……』と言っていたけど冒険者登録したら自分で使うように説得して何とか納得してもらう。
「それよりもや! うちは必殺技を覚えに来たんやで? 早く教えてや!」
「あぁ、そう言えばそんな話したっけな……」
頬をかきつつ空を見上げるおじちゃん、もしかして……うちを騙した?
キャロルがうちの気持ちを察したのか両手をニギニギさせながら手近な木を引っこ抜き、おじちゃんの前に持って来ると恐ろしい事を言い始める。
「私……嘘偽りって大嫌いなの、こんな風に捻り潰したくなるわ」
ミシミシと音を立てて捻られていく木を前に冷や汗を流し始めるおじちゃん。
「いや! 大丈夫だって、本当に教える。ただ……感覚で使っているからどう説明したモノかとな……」
「望む所やで!」
うちは原理を説明されてもよく分からない、それに実際見て覚えた方が楽やね。
おじちゃんが湖の畔にある大岩に向けて手を向ける、少し溜めてから横に振るわれた手は何か不思議な感じがした。
「次元斬! こう……手に力を込めて対象にシュッ! っと飛ばす? 指先に見えない刃が有ってその刃を斬りたいところまで伸ばす? グッ! っと貯めてシュッ! っと振るえばスパッ! だね?」
「まったく分かりません……」
「やっぱり絞りますわ」
「ちょっと待ってくれ! ほら、これで実際出来てるんだからな?」
おじちゃんが小石を大岩に向けて投げる、小石が当たった大岩は丁度真ん中から上下に分かれて滑り落ちていく。
「「なっ!?」」
「とりあえず試すで?」
何と無く分かった。うちは天才かもしれへん、右手の爪に魔力を込めて少しずつ伸ばしていく……感じにする。
「グッ! シュッ! スパッ!」
切り株のテーブルに音も無く五本の裂け目が出来る、と同時に右手に痛みが走った。
「つぅぅ!?」
「「「ハァッ!?」」」
三人ともうちを見て驚いているけど、うちは右手の痛みでそれどころじゃない――爪が割れて血が流れていた。痛い痛い痛い!
「あ、ボス! 【治療F】まさか一発で出来るとか、馬鹿と天才は紙一重って言う事ですね……」
アンナがすぐに治療してくれた。うちは恐る恐る自分の爪を舐めて流れた血を布切れで拭う。
「多分魔力の込め過ぎだと思うわ、初めて私が魔法を使った時も力を込め過ぎて――畑の植物全部にウネウネダンスを踊らせた事があるの」
「痛い……でも覚えたで!」
顔を少し赤く染めたキャロルは今日にでも魔力の扱い方を教えてくれると約束してくれた。
「あーなんだ。 おじちゃんこれ出来るようになるまでに半年くらいかかった訳なんだが……」
「才能と若さやで!」
「おじちゃん多分今年で二六歳かな? まだまだ若いと思ってるんだけどね~」
「うちら一三歳やから丁度倍やね」
うちがそう言うと『これが若さか……』と呟くおじちゃんがいた。
「まぁ、おめでとう! 必殺技に名前を付けないとな~何が良い? ちなみにおじちゃんの技は次元斬と言う、どうだ? カッコイイだろ? おっと、必殺技を使う時は必ず技名を叫んでから使うんだぞ? おじちゃんとの約束だ」
うちら三人は首を傾げて何故名前を付けるかの意味を考える。それに叫ぶ必要も無い気がする、これはスキルじゃない。
「無言の方が相手に悟られないし使いかって良いよ? それに技名って別に付けなくても――フベッ!?」
「あほんだらっ!!」
おじちゃんに平手打ちを貰った……何で?
キャロルがおじちゃんを撲殺しそうな顔で近寄ってくるので手で制するとおじちゃんを見る。
「良いか、よく聞けよ? 技名を叫んでから使う! それがカッコイイ! これは常識だ!」
右手を握り締めて天を仰ぎ話しだすおじちゃん。
「「「???」」」
キャロルとアンナは固まっている、うちは一つ思い当たる事があった。
「あの時カナタも何か叫んでた……そう言う事やったんか! 分かったでおじちゃん、いや――師匠!」
思い返せばビックWRAビーと戦うカナタも魔法を使いながら何か叫んでいた。カナタはカッコイイ、つまりこれはそう言うことやね。
「いきなり免許皆伝な弟子が出来た!? おっし、おじちゃんも頑張っちゃうかな!」
湖の畔に倒れていた古木に向って歩いて行く師匠、何をするんかな?
「奥義! 次元斬・螺旋!」
師匠が右手で古木を殴ると、古木の表面が回転するように抉られて行き綺麗な穴を開けた。切り屑が後ろに居たうちらに直撃する。
こちらを振り向きやり遂げた感が漂う顔で一言『どうだ?』と言う師匠。
「凄くドヤ顔です、ボス? そろそろ帰りませんか?」
「そうやね、キャロルはこの後魔力の扱い方教えてくれるんやった?」
「もちろん! 手取り足取り色々取り取り~」
キャロルの手がニギニギ動いてちょっと怖い、予想以上に時間がかからなかったので今日はノンビリ出来るかもしれない。それにこの切り屑まみれの格好じゃカナタに顔を見せる事も出来ない。
「待ってー! ちょっと魔が刺しただけなんだって! ほら、カッコイイ大人を見せたかったんだって! ほらすぐそこに湖も有るから水浴び出来るよ?」
「変態!」
弁解する師匠にキャロルは一言呟き、凍るような視線を向けると来た道を戻り始める。うちは引きずられて行く。
「そんな意味じゃ!? 違うって、一三歳やそこらのお子様に欲情するほどダメ人間じゃないからね!?」
「一応職は紹介するから付いてくると良いで。宿は無理かも知らんね……」
うちがそう言い振り向くと『オゥーマイガァー!』と叫び両手で顔を隠す師匠の姿があった。
帰路についたうちらは魔物一匹会う事も無く東門までスムーズに戻ってこれた。
門番にキャロルが『変質者が後ろに居ます!』と言い一騒動起こりそうになったけど、運良く師匠と知り合いの門番だったため冗談で済み、無事に冒険者ギルドに登録しにいけた。
受付はカナタがユニコ先輩と呼ぶユニコーン系の獣人で、うちの師匠と紹介するとすんなり登録が終わる。ついでに謎の家から持ってきた素材を売る事で当面の資金が出来たみたいやね。
「いやー色々助かったな、これはお礼だから取っとけ。近いうちに挨拶に行こうと思うからその時はよろしく頼むな!」
師匠がくれたのはイデアロジック(暗視)だった。うちは目が良いしアンナは要らないと言うのでキャロルに覚えさせる事にする。
「師匠も頑張って稼いでいっぱいご飯食べるんやで! またな~」
「サヨウナラ!」
「おじちゃんお風呂入った方が良いですよ!」
感動の別れ場面やと思ったのはうちだけだったみたいで、うちを抱っこしたまま牙を剥くキャロルと容赦の無いアンナに送られて師匠は冒険者ギルドの仮眠室を借りに行った。
「さぁ、もうすぐ三回目の鐘が鳴るで! ご飯食べたら修行やね、うちのルナスペシャルを完成させないとダメや!」
「「ルナスペシャル??」」
うちが名付けた技を完成させたらカナタに見せに行く、カナタならこのカッコ良さを分かってくれるはずや!
うちは尻尾フリフリでリトルエデン本拠地へと足を向けると、首を傾げる二人の手を引っ張って走り始めた。
次話から当分カナタメインに戻ります!




