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第12話:勝利の先に待つもの

「勝者、リリス=フォン=クラウゼル!」


対戦相手だった筋骨隆々の青年は、信じられないという顔で膝をついた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「……嘘だろ、この俺が………負けたのか?」


リリスは涼しい顔で剣を収め、ゆっくりと振り返る。そして観客席を見上げると、エリオット王子が面白そうに笑っていた。


「ふむ……なるほど、これは面白いな」


その視線に気づいたアキラは、背中に冷たい汗が伝うのを感じた。


(……嫌な予感がする。)


アキラは思わず背筋を伸ばした。この感覚には覚えがある。異世界に来る前、彼はブラック企業で働いていた。理不尽なクレーム、無茶な納期、突如として降ってくる追加業務——嫌な予感がするときは、だいたいロクなことが起こらなかった。


(そう、こういう時は大体何かが起こるんだ……俺のブラック企業仕込みの危機察知能力がそう言っている……!)


すると、エリオット王子が席を立ち、悠然と戦場に降りてきた。


「リリス嬢、素晴らしい試合だった」


リリスは眉をひそめる。


「……お褒めに預かり光栄です」


「いや、本当に。まさかここまでの実力をお持ちとはね」


エリオット王子はニコリと微笑んだが、その目には鋭い光が宿っていた。


「せっかくだ。次は僕と手合わせしないか?」


一瞬、観客席が静まり返る。


「……は?」


リリスが怪訝な表情を浮かべる。


アキラは、思わず身を乗り出し、前のめりになった。


(え、ちょっと待て、急に王子と試合!? いやいや、これはちょっとマズいパターンでは!?)


「リリス様、ここは丁重にお断りを……!」


そう心の中で叫んでいると、リリスがふっと微笑んだ。


「……よろしい。では、お手柔らかに」


アキラは頭を抱えた。


(いや、乗るのかーーーい!!)


そして、リリスはエリオット王子に背を向け、アキラの方へ向き直る。


「私の教育係が、あなたの相手をします」

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