表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/25

ウィローへの帰り道

「キュッキューイ!」

「おぉ、リューちゃん!ただいまー!」


 結構長い間いたからなあ、リューちゃんが僕の胸に飛び込んでくる。

 

「ほう、見たことの無い龍だ」

「キュー?」


 シャンガルの生きた頃は、隕石龍が公には絶滅するかしないかといった頃かな。

 流石のシャンガルでも知らないようだ。

 リューちゃんはリューちゃんで、

 リアさんに背負われているシャンガルの匂いをかぎまくり。


「キュ!」

「むぅ、なんだ?」

「おっとっと~揺らさないでおくれ~」


 リューちゃんがシャンガルを結構な勢いでバシッと叩いた。

 何か知らないけどオッケーの様です。


「それじゃあ、ウィローに戻ろうか」

「そうね! 換金したいわ!」

「ようやく成果らしい成果が出せたぜ!」

「私も早く戻らないと常連さんが待ってるしね~」


 グランに少し滞在することも考えたけど、

 リアさんの店のこともあるし、すぐウィローに戻ることにした。

 今回の収穫があれば、お店しばらく休みにしてもいいと思うんだけどなあ……

 リアさん曰くは、仕事というより有意義な暇つぶしらしいので、

 早く店を開けて常連さんたちと語らいたいらしい。

 とにもかくにも、僕らはグランディルを飛び立ち、ウィローに向かった。


「あー、長い長い」

「マスター、いつものことだと言ってるでしょう」

「そうは言ってもさあ……」

「仕方ないわよ。ね、リューちゃん」

「キュ!」


 ウィローに着陸申請は出したけれども、またしてもいつもの順番待ち。

 僕は、ナルとフィオナとリューちゃんと、

 《万年アイドル》アリスちゃんのクイズ番組を見てる。

 と言っても、アリスちゃんが司会である。

 古今東西、現代からはるか昔まで、なぜかアリスちゃんはあらゆる知識を網羅しているので、

 回答者としては相手になる人がいないのだそうだ。ナルが相手したそうだけど。


 ほんっとにこの娘、仕事の幅が広いなあ……

 歴史番組でも遥か昔の出来事を、まるで見てきたかのように語る。

 アリスちゃんがさらっと言った事を頼りに調査をすると、

 新たな遺跡が見つかったり、新たな理論が展開されることもある。

 なのでアリスちゃんの番組は軒並み視聴率が高い。

 単純に人気があることもあるが、

 あらゆる知識人も、その一言一句を逃さないようにしているのだ。

 特に生放送となれば、視聴率は更に高くなる。


 リアさんとルークさんは、ババ抜きでずっと対戦してる、

 どうやらリアさん、ああいう類は弱いらしく負け越しの様だ。

 そう言えばリリスさんが、リアさんに頼みごとをするときは、

 じゃんけんでもすればいいって言ってたなぁ。

 シャンガルはといえば


「ふう、切り口が良いおかげで早く直せたわ」


 霊廟から連れてきた修理ドローンに手足を修理させていた。

 意外と早く直せたようで、何もなかったかのように元通りだ。

 シャンガルはナルの温情で、あそこから出られない、と言う命令のみ書き換え、

 後はそのままにされていた。

 リアさんの店で働くことも了承したけど、定期的に霊廟の様子を見に行くらしい。

 

「やはり手足がないと……ん?」


 シャンガルが何かを言いかけて動きを止めた。

 みんながシャンガルの方を見る。

 シャンガルと言えば、アリスちゃんが映っている画面にくぎ付けだ。


「あれれ~? ガルガル、アリスちゃんに惚れちゃった~?」

「アリス、だと……?」

「そうよ、《万年アイドル》アリスちゃん。知ってるの?」

「キュ!」

「よ、よく見せるのだ」


 シャンガルが画面に近づく。と言うよりもう顔が付くって勢いだ。


「この顔……泣き黒子……この口調……この声……空似と言う次元ではない」

「なに、どうしたのよ?」

「……我は、この者に会ったことがある。子供の頃にだ」

「は? 嘘でしょ?」

「嘘ではない。あの首飾りを見よ。あれは我が別れ際に贈ったものだ」

「キューッ!?」

「ぬ、ぬおおお!?」


 リューちゃんがすごい勢いでシャンガルを叩いている。

 あぁ……羨ましいんだなきっと……


 シャンガルの話を聞くと、子供の頃に空から丸い球が落ちてきたらしい。

 その中から出てきたのが、アリスちゃん。

 今と変わらない姿だったとか。

 その出会いは二人だけの秘密とされ、

 シャンガルがこっそりと食べ物を運んだりしていたらしい。

 自分のことを『宇宙のアイドル』と呼んでいたが、

 シャンガル自身、今の今まで本当に宇宙から来たとは思わなかったそうだ。

 やがて、アリスちゃんの元にマネージャーと称するお迎えが来たらしいが、

 別れ際にシャンガルがつけていた首飾りをあげたそうな。


「ふふ……淡い初恋であったな……」

「なんか、ロマンチックね」

「それよりも、あんな有名人に会ったことがあるって羨ましいな!」


 なんかみんなおじいちゃんの昔話に少し感動してるけど、いやいや。


「あのさ、じゃあアリスちゃんって何歳なのさ」


 僕の言葉で、場がしいん、となった。

 《万年アイドル》アリスちゃん。経歴は不明。

 どこかの事務所にも所属せず、基本的に自分のプロデュースを自分で行っている。

 しかし、そんな変わったプロフィールでも、

 かなり昔から宇宙一のアイドルの座をほしいままにしている。

 僕が初めて見た時から変わらずだ。

 リアさんもそうだって言ってる。

 でも、シャンガルが会った時から姿が変わってないってことは……


「事実であれば、少なくとも1000歳は下りませんね……」

「お、おぉ~う……」


 さすがのリアさんも、ちょっと怯んだ。

 そうこうしてる内に、ワープ許可だ。

 アリスちゃんに関する謎は深まったけど気にしないことにしよう……

 いざ、ウィローへ!


今回の収穫


・シャンガル・アーミテイジ

彼の生きた文明の歴代王族の眠る霊廟。

その守護者でもあり、管理者。

守護者の任は離れたが、管理者権限はまだ持っている。

得物の大刀は鞘も含め特殊な鉱石を加工して作られており、

切れ味、耐久性共に優れている。いざという時は鞘も持ち二刀流で戦う。

ちなみにグランは、シャンガルの生きた文明の末裔が築いた。


・神剣シャミール

あらゆる無生物を断つ剣。今はレストのポーチにお蔵入りした。

アンドロイドや無機生命体にも有効。

その特性上、納めることのできる鞘も存在しない。

唯一、刀身を支える柄のみが断てない。

刀身も柄も、製法はシャンガルの最後の主が念入りに破棄したため、不明。

ただ、その刀身も柄もおそらく既知の技術では破壊不可能。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ