私情警察3 ~プロローグ~
「鳥嶋! 警察官とは…なんだ?」
「はい!誇りと使命感を持って、国家と国民に奉仕し…えっと…規律を厳正に守り、相互の連帯を務め…あとは…常に己の人格・能力を磨き…国民の生活を守る…です!」
「ところどころおかしな点があるが…おまえはそんだけ覚えてりゃ充分だ」
まわりにクスクス笑われた。
オレは勉強が苦手だった。筆記試験はいっつも最下位だった。
「まぁ……鳥嶋は体術が得意だ。おまえはそっち方面でがんばれ!」
「はい!」
そこで、一瞬あたりが暗くなって…
「んぁ? ここは……?」
見慣れた天井だ。オレの部屋だ。
(なつかしい夢を見たな…みんな、元気しているんだろうか…?)
オレは体の柔軟をして、そのあと外に出た。
犯罪ってのはいつ起こるかわからない。
だから時間があるときはトレーニングとパトロールを含め、お店の近くを散歩したり、ランニングしたりしている。警察官を辞めた今、する必要はないのだが…。どうやら日課になってしまったようだ。
(今日も異常なし…か!)
「朝からがんばるわね…はいコレ」
マリはオレにコーヒーを持ってきてくれた。
あたりにコーヒーの香ばしい匂いがただよう。
時間になったので、1階に降りた。
いつものように店の仕込みと掃除をさっとすませる。
加湿器の電源、室内の気温、外気温、観葉植物に虫の有無…。
(……………ヨシ!)
ガヤガヤ……ガヤガヤ……
時刻は午前12時。お客さんはいつもより少なめ…。
(ま、そんな日もあるよな…)
なんてことを考えていると、お店のドアから見慣れた顔の男が入ってきた。