私情警察3 ~前編~
カラン……
「やぁやぁ、マリさん。今日もお美しいっス!」
ドアの方を見ると、一人の男が入ってきた。
オレの後輩、圭介だ。オレが気に入らない点を3つももっている。
➀顔がカッコいい
②英語ペラペラ
③実家が金持ち
実にムカつくヤローだ。
「まぁ、どうも…圭介さん」
「マリさん!これ、いつものっス!」
「あらあら、今回は宝石ガラの封筒?これって…」
「今回は深い意味はねぇっス!でも好みの宝石を知りたいっス!」
「そうね、ベタかもだけど…ルビー、サファイア、エメラルドかしら…」
「了解っス!」
今回もA4サイズが入る封筒で持ってきている。厚みはそれほどでもないが…。
「マリさんへの想いを文章にしたら…こんなになったっス!」
「まぁ、ありがとう…」
「どうですか、マリさん最近困ったことはないっスか!?」
「そうね、少しお客さんが減った気がするわね…」
「マリさんは悪くないっス! ほかに原因があるっス!」
「なんでオレの方見ていうんだよ!?」
圭介はオレの言葉も関係なく一方的にしゃべる。
「わかりました。お客さんの減少理由…調べておくっス!」
「ありがとう、ラブレターは、お店を閉めたら読ませていただくわ」
「じゃ、僕は勤務中なんで…失礼するっス!」
「早くでてけぇ!ってか…せめて、なんか注文しろぉ!!!」
オレは玄関に清めの塩をまいた。
そして滞りなく一日が過ぎた。 時刻は夕方。オレは店じまいの準備をする…。
そしてその晩のこと…
「ふふ、圭介さんのラブレター…とても興味深いわ」
「どれ…」
オレはアイツが持ってきた資料に目をとおす。
う~む、今回の資料も実に読みやすい。
今回のターゲットの情報がこと細かに記載されている。
多くの漢字にルビがふってある。オレに対しての配慮だろう…。
それはそれでムカつくが…。
(……演技だよな? マリを口説くのは演技だよな…?)
オレは資料に目をとおした。
犯人ののそれぞれの生い立ちや人間関係。行動パターンとその時間など…。
ターゲットはナイフ所持の可能性あり…か。
(被害者は10代の女性。いじめを苦に不登校。追い込みをかけられて…自殺か)
だが、オレに送られてくる資料ということは、他殺の可能性もあるということだ。
お経のようにぶつぶつ言いながら、オレは資料をぜんぶ読んだ。
(ガキでも容赦しねぇ……!)
それが俺の感想だった。怒りで、資料の端を少々しわくちゃにしてしまった。
そしてその日の夜、10時ごろ…。
コン…コン…コン…
店の裏口から一人の若い女性が入ってきた。




