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私情警察8 ~中編~

「どうぞ、おかけください…九条さん」

「失礼します………」


中年男性の名まえは九条茂。彼は静かに腰掛けた。


「話しは聞いております。領海侵犯をする外道の始末…ですね?」

「はい。私の部下が被害にあいました。その無念を晴らしてほしい…!」

「相手は国籍不明の船…でしたね?」

「ええ…」


九条さんは海上保安庁の人間だ。海上保安庁とは一言でいうならば海の警察官だ。日本の行政機関のひとつで、海上における人命・財産の保護、法律違反の予防・捜査・鎮圧を任務とする国土交通省の外局である。だが、海の上にもならず者というのは少なからず存在する。


「エコテロリストってやつですか…」

「ええ、環境保護は否定しません…ですが、あいつらのやっていることは海賊といっしょだ…!そして先日…ヤツらの流れ弾に当たって、わたしの部下が帰らぬ人となりました。そういった人間をもう何人も見てきたのです…!」

「心中お察しします…」

「部下は結婚したばかりで子どもが生まれたばかりでした。なんでしょうね、この感情は…。この歳になると…自分より歳若いものが死ぬとなんともやり切れん気持ちになるんです…!」


すべてを話すと九条さんは手をギュッと握りしめた。

やり場のない怒りはこぶしにあらわれ…。握った拳は悔し涙で濡れていた。


「国は取り合ってくれませんでしたよ。外交上の理由かもしれませんがね。でも!これじゃ何のために私たちは日々がんばっているのかがわからない…!!ヤツらはやりたい放題じゃないか…!」

「あなたの事情は理解できました」


だが…オレには必ず聞かなければならないことがある。


「九条さん。オレがすることは法に反することです。そしてあなたはその犯罪に加担するのと同義…。その意味がわかりますね…?」

「ええ…!部下たちの無念が晴らせるなら…喜んで加担します…!」


すべてを話し終えた九条さんは、オレに頭を下げてきた。


(部下想いなんだな、この人は…)


「わかりました。あなたの無念、オレがはらしましょう……!」

「ありがとうございます…!」


外道が生み出す負の連鎖…。それによってうまれた無念。

外道の存在は百害あって一利なし…。

海の上は治外法権と勘違いをしているようだが……。

人の命を奪ったことを…。このオレが必ず報いを受けさせてやる!



圭介の資料をには、次に狙われやすい曜日と時間帯をピックアップされていた。

九条さんの話を聞いて、事件が起こりそうな曜日と時間帯を予想したらしい。

そのデータをもとにここ一週間、九条さんに頼んで一緒に乗船させてもらっていた。

結果として、1日目と2日目はムダ足になってしまったが…。

オレはラッキーだった。3日目の昼に大海原にヤツらはあらわれた。


ガコン!


信じられないことにヤツらは船をぶつけてきた!

船体が大きく揺れる!…が、オレは逆にチャンスととらえていた。


「九条さん!身の安全を第一優先に!オレは…船に乗り込みます!」

「わかりました!…一番キケンなことを…すまない」

「適材適所ってやつですよ。そんじゃ!」


やつらの船に乗り込むと、ヤツらはためらいなく銃で撃ってきた。


(船上が戦場になってしまった。なら、こちらも容赦はしない…!)


護身用に持ってきた拳銃で銃撃戦を展開した。

連中は銃を所持していたが、ハッキリって下手クソだ。

オレは手榴弾対策として銃撃するポイントをマメに変えているが…連中はそんなことを一切していない。まったく同じところから出てきて銃で撃ってくる。むかしのガン・シューティングゲームの敵キャラのようだ。多人数であるにもかかわらず、味方同士で連携するということがなく、気ままにうっているだけだった。烏合うごうの衆とはまさにこのことだ。


「~{‘++!#AET&J<>~|//………!?」

「&’$%#&)’#!?」

「%Q@|&18!(#……!!」


(ハッ!避けた方が当たりそうだ…!)


弾切れのスキを狙い、ヘッドロック、アキレス腱の切断、鳩尾みぞおちへの正拳突き…。

ひとりひとり確実に戦闘不能にしていった。

時間にして20分ほど…。オレは外道どもを制圧した。

ひとりずつロープで縛り、甲板に座らせた。その数たったの8人。

意外と少ないと思ったのが正直な感想だ。


ツカ……ツカ……ツカ……


「よう、アホども…断罪の時間だ」

「#E$R%&!! TY&'U18’Y(&’!?]

「#E('$%jap18!Q"#$%&%#~…!!#&$%’……!!」

「なに言ってっか…わかんねぇよ!」


ドガ! バギ! ゴッ!……


外道に一発ずつ渾身のパンチをプレゼントし、手足を縛った。


「九条さん、今回はあなたに手伝ってもらいますが…いいですか?」

「喜んで手を貸しましょう!!」


こうして、オレと九条さんは船の上で外道を裁く準備をした。

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