それ、最重要機密とは言わないのでは?
遅くなりました。
本日夕方にもう一話投稿します。
「既に外はご覧になられてお分かりかと思いますが、ここは地球ではない他の世界にある国です。最重要の企業機密ですので御内密にお願い致します。」
「はい、わかりまひた。」
思わず噛んでしまった。
だって“最重要の企業機密”をサラッと教えてきたんだよ!?
「ちなみにこの件についてはチラシにも記載はしております。」
おおい!!
最重要機密を募集チラシに書いてるってどーなのよ!?
それって最早、機密とは言わないのでは?
「ここです。」
仁丹さんがチラシを取り出して右下を指差した。
「・・・ん?どこですか?」
「ここです。よくご覧になってください。」
んー・・・?
本社の地図が小さく書いてあってその下に住所が書いてあるくらいしか分からん・・・。
・・・あれ?この地図の周りの線、囲いじゃないんだ。
へぇ〜珍し・・・い?
─・─・─・─・─・─・─・─・─・─・─・─・─・─・─・─・─
その線をじーっとみていると点がだんだんと文字に見えてくる。
─出─店─先─は─他─国─世─界─を─予─定─し─て─い─ま─す─
「こ、これかー!」
すっごく分かりずらいけど確かに書いてあった。
「社長が『嘘はいけない』と仰られましたのでこのようになりました。」
嘘じゃないけどさぁ・・・こんなところに小さく書いてあっても誰も読まないんじゃ?
それに他国世界って異世界ってことなのか・・・?
もしそこに気付かないで就職しちゃって後々辞退を申し出ても『気付かなかった気味が悪いんだよ。ここに書いてあるでしょ?』とか言われたら恐ろしいよね。
どこのブラック企業かっ!て話ですよ。
とか何とか言ってるけど、私は辞めない。
だってせっかく夢だった駄菓子屋さんを開店できる機会があるんだから、海外だろうが他国世界だろうが日本じゃなくてもやっていく気満々ですから!
「ここに記載されております通り、出店先はここの国になります。面接でお話いただいた駄菓子屋のことも社長から了承を頂きましたが、その際に条件を三つ提示されました。それを了承して頂ければ出店しても良いそうです。」
条件って何だろう。
あまり厳しい事じゃありませんように。