この景色、漫画で見たことあります!
目が覚めると私はベットに寝かされていた。
「ん・・・。あれ・・・私、あれからどうなったの?」
周りを見渡しても誰もいない。
本当にあの機械でここに来たってこと?
さっきまでの真っ白な内装とは違って、この部屋は全面が木で作られている。
部屋に一つだけある窓に近付いてそっと外を見ると、中世ヨーロッパのような建物が沢山建っていて、下の道を馬車や色々な格好をした人々が行き交っていた。
ここって・・・どこだ?
まさか本当にあの機械でこの国まで来ちゃったのかな。
というかこの景色、異世界転生系の漫画で見たことあるのにそっくりだ。
・・・私死んでないよね?
窓ガラスにうっすら映った自分の顔を確認する。
良かった・・・私の顔だ。死んだわけじゃなかった。
死んでないことに安堵して、ほっとため息が出る。
もし本当にここが異世界であるならば、私は異世界転移をしたってことになる。
それの原因はあれしか考えられないんだけどね。
「あ、目ぇ覚めてたんだ!」
振り返ると扉から頭だけひょこっと出したシェリルさんがこちらを見ていた。
「こらシェリル!入室する時はノックしなさいっていつも言ってるでしょ!」
「はーい。ごめんなさーい。」
シェリルさんの後にトレイを持ったふくよかな体格の女性と仁丹さんが入ってきた。
「失礼するよ。」
「失礼します。よかった。お目覚めになられたのですね。」
「は、はい。御迷惑おかけしました。」
慌ててお辞儀をする。
「いえ、こちらこそ説明もなく突然連れてきてしまって申し訳ないと思っておりました。」
「本当にごめんね。仁丹さんから聞いたけど、シェリルが急がせたんだってね。お詫びと言ってはなんだけどスープを持ってきたからこれでも飲みながら話をしておくれ。」
女性は窓の近くにあるテーブルの上に三人分のスープを置くと「また後で来るよ」といって部屋から出ていった。
丸テーブルに三人共座ってスープをいただく。
はぁ〜美味しい。
スープには野菜の旨みが滲み出ていてとても落ち着く味付けだった。
「市村さんの体調が悪くなければ説明を始めてもよろしいですか?」
「はい、あの、体調は大丈夫なんですが・・・」
それよりも、もっと大事なことがあると思うんだけど
「その、社長にお会いするのは」
どうなりましたか?と聞く前にシェリルさんが口を開いた。
「私達が帰ってくる前に外出しちゃったんだって。なんか緊きゅー事態らしいよ。」
「ですので社長との面会につきましてはまた後日改めてということになりました。」
「左様ですか。」
緊張を先延ばしされたようで何とも言えない気持ちになった。




