残りは囮と物資とドラゴン親子
「正直どうしようかなーって悩んでるんだよねぇ…」
ドラゴン甚振ってた奴らに賛同してたやつは処分でいいんだけど、潰された村から連れてこられたり途中で捕まった冒険者とかの扱いがなぁ…
『村からの連れてこられたのは女性のみで一部はすでに利用されており精神的には死んだも同然です。
利用されておらずただ食事の用意等をしていた者は無事のようです。
冒険者の類は雑用として使われたりしていた程度なのでまともな食事をしていないため弱ってはいますがまだまともですね。』
まぁあの惨劇の後に奴らに利用されたっつーとそっち方面だよなぁ…
「とりあえず奴らが最初から連れてきていたメイドや従僕の類は奴らの思考側で加担もしてるから処分だ。
冒険者は話を聞いてから考えようか。
問題は惨劇が起きた村の女性達数人かな…。」
「それらの処分は当然として、冒険者は話を聞かんと確かに決めかねるか…。
しかし、村の女か…すでに利用されておるのでは?」
「あー…うん。
連れてこられて、食事とか用意する側にいた人もいるみたいなんだけど一部は…な。
だからそういう人をどうするかなんだよなぁ…。
とりあえず一度まとめて全員寝かせてから仕分けしてそれから動こうか。」
そうしたら起きるまでの間に物資を空間庫に入れればいいし。
『その前に、どうせ動けない囮グループは一旦放置してドラゴン親子の方の対応を優先することを推奨しますが。』
あ、そうだな。
動けない奴らはもうちょい放置でいけるか。
「フェン、一度そいつら放置。
ドラゴン親子の方を優先しよう。」
「む?放置で大丈夫ならそうするか。」
------------------------------------------
「さて、遅くなってすまぬなリュナリールにその母よ。」
《ううん!大丈夫だよ!誰もこっちに来なかったの!》
《そうですね…というよりこの結界が破れるような者はあの中にはいなかったので来ても問題はありませんでしたが…》
「フェンさん結界に随分気合いれたなぁ…。
とりあえずはじめまして、リュナを保護した巧とこっちはフェンリルです。」
まぁ、フェンリルは一度会ってるけど一応な、一応。
《驚きましたね…随分な量の魔力…貴方、本当に人間ですか…?》
「唐突に人間か疑うの辞めません?泣くよ?」
いや、真面目に。
なんで初対面で人間か疑われるのさ。
『普通の人間はそこまで魔力ありませんし、隠していてもドラゴン等の一部の上位の魔物は保有魔力ある程度は読み取れますから仕方ありませんね。』
《お母さん!お兄ちゃんは料理上手なお兄ちゃんなの!ご飯すっごく美味しかったの!
あと使徒様なの!》
「使徒より先に料理上手な事の方が重要案件扱いされる俺ってなんなの???」
「うむ!此奴の飯はうまいぞ!」
「お前もかブルー○ス」
何なのコイツラは。
《あの…何やら聴き逃がせない情報が…》
「もう知らない…それはいいから置いといて…。
とりあえずまずは鱗剥がされてるところから治してくぞぉー。
その後に刺されてる物抜いて治しての繰り返しな。
内臓系は…あー、うん先こっちか、毒いれられてるじゃん…うん、OK、鱗治すぞー。」
ツッコミしてたら終わらんから放置してサクサク治したろ。
『どちらにせよ食事作ることになりそうですもんね。』
それな。
《…え…治るの早くありませんか…?
毒でやられた内臓も数日は経ってるのに…え…もう鱗も…え…?》
「巧、巧。
母ドラゴンがびっくりしとるのだが。
なぜそんなに一気に治しておるのだ。」
「え?早く治るに越したこと無くない?」
『普通は日数経った傷は治すのに時間がかかるのですよ、特に人間が使う治癒魔法は。
人間の町に行く前にそのあたりの知識入れますのでちゃんと人前では加減してくださいね、マスター。』
あ、そうなの?
すんません、お願いしまーす。
「…母ドラゴンよ、巧は先程リュナが言ったように神から使命を受けている使徒だ。
人間?ではあるが、魔力や能力的にはそこらの人間とは違うから色々考えるのは諦めてさっさと治されておけ…。」
《うわー、お兄ちゃん、すごい…お母さんあんなに傷だらけだったのにもう大体治っちゃってる…》
《そう、ですね…使徒様なら出来ますよね…はい…》
リュナしか素直に褒めてくれないん…
「とりあえずフェンリルさんや、鱗も治したが刺さってるやつ抜きながらってのは手伝ってくれん?
二人がかりでやったほうが血抜けるのも最小限に抑えられると思うんだわ。」
「分かった、一気に抜くぞ?
母ドラゴンも合図はするからもう少し耐えろ。」
《一気にやってもらった方がこちらも楽ですからね、お願いします…》
ほんとまじで何本刺してんだよあのクズ共はよぉ…。
そこからは、フェンリルが刺された棒を合図して一気に抜き、俺が即治すを十数回繰り返した…。
「…16本も刺してやがったぞ…あいつら…。」
「まだ少ない方だったな。
以前にもこういった方法で素材集めをしていた人間を見たことがあるが、そのときはその一体から採れるだけ採るという感じで他のドラゴンを呼ぶといったつもりは無かったようでな…口輪をして声があまり漏れないようにしつつ防音結界を張ったデカい小屋で作業していて、もっと多い本数の棒を刺されていた。
多分あの時は今回より日数も経っていたのだろうが…。」
それはそれで残酷だよ。
どんだけ辛くても声も出せない動けない状態で苦痛を何日も何日も受けて死ねないってことだろ。
「まぁ、そのときは俺がその人間どもを処分した上でドラゴンも本人から頼まれて介錯してやったのだがな。」
「まぁ、そこまでされてたら死にたくもなるわな。」
《お母さん、体はどう?
もう痛いところなぁい?》
《ええ、久しぶりに体も羽も伸ばせるし、傷も全て治してもらえましたよ、リュナリール》
見落としないか不安はあったけど、大丈夫そうだな。
『マスター、放置していたテントの冒険者が、暫く静かな為にチャンスと見て動こうとしています。
そろそろ一度眠らせに行ったほうがいいかと。』
おっと?
まぁ流石に時間経っちまったし冒険者ならチャンス掴もうとする根性や気合い位あるよな。




