(5)超能力者
会長はこう告げた「超能力者だ」と。僕は突然のことで一瞬理解できなかった。会長が超能力者?まさかありえない。どういうリアクションをとればいいかと迷っていたが会長は続ける。
「私の能力はものや人などの動きを止める能力。」
そういって会長は手に持っていた紅茶のティーカップをさかさまにした。
「あぶな・・・」そう言いかけて気づく、紅茶が空中で静止していることに。素直に驚いた。
「これが私の能力。ものの動きを止めることができる。」
そういってティーカップで紅茶を残さずすくった。
「ものだけでなく人にも有効・・・らしい。私も能力すべてを理解しているわけではないからどういう力なのかうまくは説明できん。」
そういって下を向いた。「それで」と会長が言ったところで僕の向かいに座っていたもう一人のお姉さんが話を始めた。
「私は~松前千春っていいます~。能力は~えっっとぉ~把握する力
~?かなぁ~?」
「把握する力ですか?」
僕はそう尋ねる。
「うん~。そうだよぉ~。能力者を判別できるの~。」
そういって僕のほうを向き直る。「千春のおかげで君を見つけることができた。」会長はそう自慢げにいう。
「能力者って~独特のオーラ?みたいなのがあるんだ~。それがわかるんだよぉ~。」
千春さんはうにゃ~と言いながらこたつで伸びをしてから机にうつぶせになる。
ここで僕には疑問が一つあった。それは眼鏡と妹である。もしかして?と思い彼らのほうを向くが彼らは軽く会釈しただけで何も返してはくれなかった。「あの・・・。妹は・・・?」と会長に聞くと
「彼らももちろんE&Eの仲間だ。そして超能力者だよ。」
といったのだった。
その能力については詳しい説明はなかった。会長がいうに彼らはまだ入りたてで能力が十分に把握できていないそうだ。「さて・・・」そういって会長はティーカップを置いて立ち上がりE&Eの説明を始めた。
「E&Eは超能力者の人権を守るための組織だ。現代において超能力者が存在することは世間一般に知られていない。世界政府は超能力者をよく思っていない。そこで超能力者の減数計画が始まり、その手がついに日本にも届いた。リストがこれだ。」
そういって会長は電気を切り、スクリーンに名前のリストを映し出した。
「そして先日・・・。少年、君の名前が追加された。超能力者の能力は・・・よくわからないのだが能力の種類を分類できる者がいるらしい。そしてそれによってもタイプ分けさせるのだが・・・。」
会長が何やら口ごもる。何か言いにくいことでもあるのだろうか・・・。会長は意を決したように口を開いてこういったのだった。
「君は、危険度1位に認定された。ある意味おめでとう。」
そういったのだった。
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―危険度1位―
最初に討伐されるべきもっとも危険な人物のことである。武蔵が認定された理由はただ一つ夢を見ることができるためである。未来予知を含めこのような能力を持つものをドリーマーと呼び、世界政府にとっては害であり、超能力者にとっては希望である。なぜならば、ドリーマーが見た夢は現実となって世界に還元されるからである。それゆえに危険度は最大。見つけたら即討伐が求められる。
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会長は続けたのだった。
「E&Eに入れば、いや入らなくとも君を守る。ドリーマーは我々の希望だから。でも入ってくれるなら一緒に戦える。おかしいじゃないか、超能力が使えるだけで害があるって認定されるなんて。そうは思わないか?、少年」
「考えさせてください。」僕はそういって立ち上がり、家に帰った。帰り道、家がほぼ半壊状態にあることを思い出して正直落ち込んでいたが、帰ってみると家は何もなかったかのようにもとに戻っていたのである。まるで超能力でも使ったかのように。
僕はシャワーを浴びながら今日のことを考えていた。いろんなことがいっぺんにあった。まるで世界の裏側を見たかの様だった。E&E加入のことを思い出した。最初は正直入る気すら起きなかった。でも今になってあの血の海を思い出すとその真相を知りたくなったのだった。僕は今日、E&Eに入ることを決めた。




