(3)夢の意味
男は確かにこういった「ドリーマーはどこだ?」と。しかしここは僕の部屋であり、いるのは当然僕一人。
男は黒いマントを着て、背中には大きな包丁のようなものを背負っていた。男は無言でこちらを向き、次の瞬間、背中の大きな剣を僕に向かって振り下ろしたのだった。僕は怖くて目をつぶることしかできなかった。
死んだ。そう確信した。不思議と痛みはない。思い切って斬られると痛みなど感じないのかもしれない。と思っていると何やら抱きかかえられている感触。え?あの男?と思い恐る恐る目を開けてみるとそこには男が入ってきた窓辺に僕を抱えて立つきれいなお姉さんがいたのだった。
「少年、ひとまずは逃げるぞ。しばらくは私の指示に従ってくれ。」
そういって、窓から外の通りへと僕を抱えて飛び降り、僕を解放した。
「えっ⁉・・・。あのー・・・。」
僕は困って何を言えばいいかわからない。もごもごしているとお姉さんは続けた。
「困惑しているとは思うが、今はあいつから逃げるのが先だ。少年、我々の本部へ案内しよう。学校へ向かってくれ。」
なんとなく従ったほうがよいと思い、僕は学校へ走り出した。次の瞬間、僕の部屋の中から轟音がし、同時にあの男が吹き飛ばされる。
「逃がすかよっ!」
そういって僕の部屋から勢いよく出てくるのは妹夏美。
「夏美ちゃん、深追いはよしたほうがいい。」
聞いたことある声で我が妹に指示を出す眼鏡。ん?眼鏡?困惑しているところにさっきのお姉さんが話しかけてくる。
「少年、見たんだろう?」
「何をですかっ!」
僕は走りながらも応答する。何かを忘れている気がする。何だろう・・・。必死に思い出す。お姉さんは走りながら勢いよく続ける。
「君が見た夢は、この後どうなる?」
その問いがよくわからなかった。この後なんて僕にはどうしようもない、わかるはずがないのだ、未来など。
「ちっ・・・。どこ行った⁉」
妹の声。
未来?
どうだっただろう。
でも、僕の体は自然と十字路を左に曲がっていた。もちろん、お姉さんの手を引いて。ギリギリのところで右からの槍を回避した。そのあとはがむしゃらに学校を目指して走った。
「武蔵のやつ、危ないなぁ・・・。夏美ちゃん行こうか」
「うん。まぁ、初めてだしね、追っ手に気を付けて戻ろう」
眼鏡たちは僕らの後を追って本部へ帰った。
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困惑してるのは僕一人だった。本部と言われてたどり着いた場所はいつも通う高校の一部室。外にはななめになった看板で何が書いてあるのかもわからない。畳にこたつ。かと思いきやロッキングチェア。そんな部屋の中に僕はいた。なんじゃこりゃ。
中にいるのは先ほどのお姉さんがロッキングチェアに、知らないお姉さんがこたつに。そして僕もこたつにいるのである。
「千春、説明してくれ」
さきほどのお姉さんはこたつのお姉さんに言った。え~・・・。と言いながらも千春と呼ばれたお姉さんは立ち上がって説明を始めた。
「私の名前は松前千春~。よろしくね~。」
と、とろけるようなゆっくりの口調。
「能力名は~・・・。う~んと・・・。」
ダメだ、眠くなってきた。?能力名?この人いまなんて?
そう言いかけた時、隣から口をはさむロッキングチェアのお姉さん。
「もういい、千春。長い。」
バッサリ。千春さんは涙目になりながら
「じゃ、じゃあ、会長がやってよ~」
と言ってロッキングチェアのお姉さんに振る。仕方ないな、とロッキングチェアのお姉さん、もとい会長は話を始めたのだった。




