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王女に転生した彼女と子供の姿で転移してきた毒舌な彼の物語  作者: あっぷるパイ
最初の町&転移編
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10話 依頼を受けよう《和也側》

投稿に間があいてしまいました。申し訳ございません。

「……ズヤ、カズヤ!」


目を開けると、セリルの顔があった。ああ、もう朝か。


「おはよう。」


俺はうまく開かない目を擦りながらいう。


宿で出される朝食を食べ、また部屋に戻る。


「今日はどこに行くんだ?」


俺はセリルにそう訊いた。


「今日はね、冒険者ギルドに行くよ!」


セリルは得意げにそういった。


「まず、依頼を受けてみようよ。」


そうだな。登録したはいいものの、まだ何もしていないしな。

そんな思いを胸に、俺は宿を出発してギルドへ向かっていった。


でも、依頼ってどうやって受けるんだろう?まあ、そこらへんは色々知っているセリルに任せよう。


ギルドにつくとセリルはボードの前に向かっていく。そのボードを見ると、たくさんの紙が貼ってある。


「ゲーラ草、ナズ草など10種類の薬草採取」と書いてある紙や「平穏の森の生態系調査」などと書かれた紙が貼ってある。


これが、依頼か。あまり、討伐依頼がないな。採取依頼が主な感じか。


じっとボードを見つめていたら、セリルに服の端をクイクイと引っ張られた。


「これにしよう!」


そう言うセリルの手には一枚の紙があった。さっき見た、「ゲーラ草、ナズ草など10種類の薬草採取」と書いてあるのだ。


「薬草採取なら危ない目に会うこともないし、冒険者の初めての依頼としても妥当だしね。」


なるほど。薬草の種類はよく知らないが、セリルに教えてもらおう。


なんだか、だんだんセリルが便利屋さんっぽくなってきたな。



***



薬草採取の為にセリルに連れられて来たのは、こないだセリルと俺が出会った場所だった。もしかして、ここが平穏の森なのか?


「よし、着いたよ!」


セリルはこちらを向いて少年のように無邪気に笑った。


「なにを採るかは見つけたら、その都度教えていくね。あっ、早速見つけたよ!」


そういってセリルが指差したのは先端に綿のような物がついた草だった。たんぽぽっぽい気がするな。俺がそんなことを考えていると、セリルがその草の解説を始めた。


「これがゲーラ草。この綿毛が特徴だね。ゲーラ草と似た草には『ポート草』があって、それは毒草だから気をつけてね。ポート草とゲーラ草を見分ける方法は、葉っぱの形だね。ポート草は葉に小さな切れ込みが入ってるんだ。」


そうセリルが解説する。じゃあ、これはポート草か。俺は今、手に持っている草を見つめた。


「で、ゲーラ草は綿毛の部分を主に使うんだけど、ポート草はその綿毛に毒があるんだ。だから、見つけても、綿毛は触っちゃいけないよ。」


へえ。俺はポート草の綿毛に触りながら、セリルの話を聞いた。


あれ?綿毛に毒があるんだよな。俺、綿毛を触ってるけど、なんともないぞ?


熱心に解説をしていたセリルが、俺のほうをチラリと見た。そして、俺が綿毛に触っていることに気づく。


「ちょっ、カズヤ!何してるの!」


「なんともないぞ?」


「ええー……けど、今すぐ、綿毛に触るのをやめて!」


俺をセリルの言うことを素直に聞き、綿毛に触るのをやめる。


『スキル<毒耐性>を獲得しました。』


そんなアナウンスが俺の脳内に響く。


「なんか、<毒耐性>を獲得したって。」


セリルに報告すると、


「分かったけど、これから無闇に毒草に触るのはやめてね?」


忠告された。まあ、そうか。



***



セリルに注意されたり、薬草などの名前を教えてもらいながら、薬草を採取していく。

というか、ここ全然魔物が出ないな。平穏の森っていうのは本当だったみたいだ。


「キャアアアア!」


女性の声が響く。そしてその後に


「キシャアア……」


という、魔物らしき声が響く。


突然、俺の頭にやよいとの思い出が走馬灯のように駆け巡る。


ーねえ、和也……

ーお願い!

ーありがとう!

ーちょっと、和也!

ー私ね……


泣く『やよい』、笑う『やよい』、怒る『やよい』。色々なやよいの顔を次々と思い出す。




ーーーもう、失いたくない。




きっと叫んでいるのはやよいと全く関係のない人だろう。



けど、次の瞬間には、俺は悲鳴が聞こえた方へと走っていた。


読んでいただきありがとうございます。


ー誤字脱字の類いがあったら、感想欄でお知らせください。


次話を書くのにも時間がかかるかもしれません。

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