ヤマメグリ
ケ「…エアコンがあるとはいえ、電気代がヤバいな…」
ヤ「そうね、なるべく使わないようにしたいけど、部屋は暑いし…」
ケ「なら離れようぜ…」
自分の背中にべっとりと抱き着き説得力が無いヤマメを押して引きはがし、パタパタと上着で微量の風を送る。が、そんなもので暑さがしのげる訳が無かった。
畳の床に倒れて大きくため息をつき、同じく暑さを我慢しているヤマメをジッと見つめていると、ある施設を思い出す。
ケ「そうだヤマメ、温泉巡りでもしてみないか?ホカホカの状態を保てば、きっとこの暑さも紛れるだろうし、汗を洗い流せる」
ヤ「いいわね、さっそく準備よ」
身体を洗うタオルと石鹸と桶を持って準備は完了。二人手を繋いで一軒目の銭湯を目指す。場所は決めていないが、良さそうだと思った店に入ることにした。
ケ「こうして温泉に行くのも、久々だね。何週間ぶり?」
ヤ「もう二か月以上経つかもしれないわね」
ケ「早いな、時間が流れるのは」
ヤ「そうよねぇ…、今度は、混浴できる場所を選びましょう」
ケ「ああ」
最後に行った時は人里だったがそこの銭湯は混浴ではなく、ヤマメが店の人に食って掛かったのを覚えている。
帰りに買った缶コーヒーでヤマメが酔ったこともよく覚えている。
ヤ「流し合い、しましょうね?」
ケ「分かってるよ。…お、あの店広そうじゃないか?」
一軒の銭湯を指差しヤマメに言う。ヤマメも頷いて一緒にその店に入る。
番台の妖怪に混浴なのかを確認し、そうだと言われたので二人分の代金を渡す。
風呂場に行くと、多くの妖怪達で賑わっている。開いている場所が所々あったので適当に座り、身体をお湯で洗い流す。
ヤ「ふぅ~。やっぱりいいわね、こうやってお湯を被るの…」
ケ「だな」
ヤ「さ…背中向けて…」
石鹸で泡立てたタオルを持ち、心待ちにしていたように言うヤマメ。そんな彼女に背中を向けると、喜んだ彼女の微笑みの声が小さく聞こえてくる。
ヤマメはタオルを自分の胸に当て、ケンに抱き着く。そして上下に身体を動かし、身体を擦り付けるようにケンの背中を洗う。
ケ「普通に洗ってくれてもいいんじゃないかな~」
ヤ「これが一番良いの。アナタを感じてられる洗い方よ」
ケ「洗う時まで俺を感じるって…」
ヤ「だって、アナタが好きなんだもの」
ケ「ふーん…それよりヤマメ」
ヤ「なぁに?」
ケ「胸、大きくなったか?」
ケンの突然の質問にヤマメの動きが止まる。不思議に思って振り向くと、どこから取り出したのか巻尺で胸囲を図っている。そして驚いた表情で見つめてきた。
ヤ「2センチ…増えてる…!」
喜びに震える声を出しながら涙を目に貯めるヤマメを見て、オーバーだと思いながらも背中洗いの続きをしてくれるように頼む。
ケ「でも…そうやって洗ってもらうのも以外と悪くないかも。ちゃんと洗えてるかどうか分からないけど」
ヤ「そう?良かったわ。ちゃんと洗えてればいいけど…」
ケ「後で洗い直せばいいよ」
ヤ「そう、なのかしら…?」
ケ「そうだぜ、あ、次俺が洗おうか」
ヤ「お願いするわね…。やさしく…してね?」
モジモジと恥ずかしそうに言うヤマメがとても可愛く見える。ヤマメが背中を向けたので、石鹸で泡を付け直して優しくゴシゴシと汚れを汗と汚れを落としていく。
ヤ「んん…、落ち着くわね…」
ケ「そうだな~…」
ヤマメの小さな背中を見ていると、なんだか少しいじりたくなってくる。自分もヤマメがしたようにタオルを胸に当てて、後ろからヤマメに抱き着く。
ヤ「っ、ケ、ケン?!ちょっと、ふぁ…ああ、あっ!」
ヤマメよりもう一回り身体の大きい自分では、優しくしているつもりでも乱暴にしているように見えるだろう。
しかし、ヤマメは痛がっているわけでも、苦しんでいるわけでもない。ケンが後ろから抱き着き、自分を洗ってくれているのだということと、ケンが裸で抱き着いてくれているのだという歓喜の声だった。
ヤ「もっと、もっとぉ!」
ケ「…止めよう」
ヤ「え…なんで?もう終わりなの…?」
ケ「皆が見てる…」
ヤマメが当たりを見渡すと、その場に居た老若男女全員がこちらを見ている。どうやらヤマメの声は、風呂場全てに行きわたっていたようだ。
さぁ温泉巡りです。タイトルは、ヤマメを巡っているようですが温泉です。
次回に続きます。
まぁ終了する理由は色々ありますね「ネタ切れに何度もなりかけ、毎日投稿できそうにない日々が続くこともあった」「これだけ投稿すればいいだろう」「イチャイチャするだけでマンネリ化してね?でも打開策が思い浮かばない…」「書くのが遅く、他の書いている小説を進めることができない」
などの要因が重なり…といっても、ほぼ自分のせいですが…。終了することになってしまっています。本当にすみません。なので、あと12日間くらいまでお付き合いください。
読者様につかの間の安らぎを
「kanisaku」




