早朝の二人
カ「…」
早朝、地上の世界でも日はまだ登る前くらいの時刻。突然目が覚めたカズヤは布団から起き上がり、辺りを見回した。地底はいつでも明るいが、外の時刻に合わせて明かりの量を調節しているため旧地獄街道も今は少し静かだし暗く思える。それでも酒を飲んで騒ぐ妖怪は多くいるが…。
窓を閉め切っていたために少し室内は暑く。窓を開けるために立ち上がろうとする。すると、
パ「逃げないで…」
パルスィがギュッと腕を掴んできた。寝ていると思っていただけに驚いたが、彼女の心配そうな顔を見てそんな気持ちも薄れていく。
カ「逃げるなんて…窓を開けに行くだけだよ」
パ「私も行くわ」
カ「逃げないから寝てていいよ。すぐそこだし」
カズヤは目と鼻の先にある寝室の窓を指差す。しかし、パルスィはスルリと起き上がってカズヤと並ぶ。
パ「なるべく、近くにいたいから…」
カ「…分かったよ。一緒に行こう」
立ち上がって、座っているパルスィに手を差し伸べる。その手を握ってパルスィも立ち上がり一緒に窓を開ける。
外…地底は昼間よりは薄暗く、夜なのだと実感させる。パルスィ曰く、前はずっと明かりが点いていたが外から来た大妖怪から色々と指示を受け、夜の間は5分の1の明かりを消すようになっているとのことだ。
パ「そのおかげで、多少は皆健康そうになってるけどね…」
カ「ふーん…」
パ「涼しいわね。誰かが運んできてくれた植物のおかげかしら」
カ「だろうね…その草を見たことないけど…」
しばらく外から静かに吹き込む風を味わう二人。会話は特になく、旧地獄街道の街並みを眺め続ける。
パ「…ねぇ、子供は」
カ「欲しくない。妖怪とだなんて…」
パ「前みたいに、無理矢理でも…?」
カ「…」
パ「冗談よ。無理矢理なんてしないわ」
今までにないくらい、静かな怒りの表情をパルスィに向けたカズヤを見て、パルスィも弄ぶように言う。
パ「したくなったら、何時でも言ってね?私はいつでも、どこでも…良いわよ?」
カ「絶対にしないからな」
パ「ふふ、私を愛してくれてないの?前はもうちょっと優しかったのに…妬ましいわ」
呆れるように布団に入ると、自分と同じ布団にパルスィも入り込んできた。
パ「今度は一緒に寝ましょ?夢の中でもアナタに会えるような気がするの。夢の中のアナタなら…好きにしていいでしょ?」
カ「俺本人に伝わって無ければね…」
パ「なら、存分に楽しませてもらう…。こうしてると、アナタの夢、見れるかなぁ」
撫でるように後ろからカズヤを抱きしめ、足も絡ませる。一人分の布団の中は何時もより少し暑く。二人の体温を上げていく。
カ「お休み」
パ「お休み…カズヤ…」
カズヤとパルスィ。最初の時より関係は良くなってますね。最初から良かったヤマメとケンのようです。
書いてて微笑ましいですね。パルスィ可愛いですよね。
読者様につかの間のジェラシーを
「kanisaku」




