看護するヤマメ
ヤ「はい、あーん」
ケ「あーん」
ヤ「あ、その前に…」
ミイラ男のように全身に包帯を巻き、片目と口以外も全て包帯で覆われているケン。半身を起して横に居るヤマメからご飯を貰っている。ヤマメは熱々で、食べるのが困難であろう白米に息を吹きかけて、丁度いい熱さまで冷まそうとしている。
ヤ「ふー、ふー」
ケ「やさしいなヤマメは…」
ヤ「だって、ケンがこうなったのも私のせいだもん…」
昨日、寝ているヤマメを拘束し、くすぐりながら精神的に追い詰るということをしていて正体をバラした所、全力で何度も何度も全身を殴られ、蹴られ、壁に叩きつけられを繰り返し、重態患者の出来上がりになってしまった。
元々ちょっかいを出したケンが悪いのだが、この姿ではヤマメの方が悪く思えてくる。
ヤ「もうちょっと加減して殴ればよかったわ」
ケ「あ、殴るのは変わりないんだ」
ヤ「だって…あんな事されたら誰だって怒るわ。本当にケンが殺されるのかと…」
ケ「ずっと後ろでヤマメをくすぐってたんだけどね」
ヤ「…本当に、心臓に悪いわ…。あむ」
ケ「あ、俺の飯…」
ヤマメが少し火傷しないように冷ましてくれたご飯は、自分の口に入ることなくヤマメが食べてしまった。
ヤ「あ、これケンの分だったわ、ごめんなさい」
ケ「じゃあご飯ちょうだいよ」
ヤ「はいあーん」
ケ「あーん」
箸に乗せられたご飯に食いつき、良く噛んで味わう。
ケ「美味し」
ヤ「ふふ、よかったわ」
ケ「…ヤマメの足も、美味しかったかな」
ヤ「…もう」
呆れたように言うヤマメは、もう一度ケンにご飯を上げる。ハフハフと口の中でご飯を少しずつ冷ましながら食べるケンはそんなヤマメを見つめている。
ヤ「?」
ケ「いや…、なんか。もう結婚してるみたいだな~って」
ヤ「そ、そうかしら?」
ケ「うん。付き合ってるだけの男にここまでする人を俺はしらない。まぁ、外の世界じゃ女性と付き合ったことなんて…一回くらいしかないけど」
ヤ「え?なんですって?」
ヤマメの表情が変わったのを見て、慌てて弁解する。
ケ「いや、もうその女とは一切関係はないよ!だって向こうの方から付き合ってくれなんて言ったのに2週間後に別れようって言われたんだから」
ヤマメ「…そう」
ケ「え」
ヤマメ「ケン…可哀想に…」
茶碗と箸を横に置き、ヤマメは優しくケンを抱きしめる。片手で背中に手をまわし、もう片方の手で頭を優しく撫でる。
ヤ「そんな女のことなんて、綺麗サッパリ忘れていいのよ。アナタには私だけ居れば良いもの。私はアナタだけの女、アナタは私だけのもの…」
ケ「そう言ってくれるのは嬉しい…けど…」
ヤ「何?」
ケ「この体勢、傷に響いて痛いんだ…」
ヤマメがケンを抱き寄せたことによってケンの上半身は、少し無理な傾き方をしていた。腰と横腹の部分がズキズキと痛み、手で支えようにもその手さえも包帯で巻かれていて使うことができない。
ヤ「あら、ごめんなさい」
ケ「ふぅ、ちょっと横になる…」
ヤ「わかったわ、んしょ…」
ケンの片腕を担ぎ、ゆっくりと布団に寝かせる。そして、思い出したかのように部屋を出ていった。
数分後、襖を開けて入ってきたヤマメは、どこから持ってきたのかナースの恰好をしている。薄いピンク色に、ナースキャップをかぶっている。
ヤ「外の世界だと、看病とかする女性ってこういう服着るんでしょ?ちょっとサイズが大きいけど…」
ケ「仕事で看病とか看護とかしてる人はそうだろうね」
ヤ「うふふ、外の服は着やすいわね。でも…スカート短すぎないかしら…」
ケ「少し下からなら下着見えるな。本当ならそんなに短くないんだけど…」
良く見ると、スカートの先端部分だけ糸が所々出ている。まるでハサミで切り取ったようだった。
きっと、そういう趣味の人のが幻想郷に入ってきたのだろう。
ヤ「痛い所があったら言ってね?今の私は、ケン専用の…」
そこから先は言わないが、何が言いたいのかは大体分かった。
ケ「けが人とまでしようとするなよ…こんな状況じゃ何しても起たないぜ」
ヤ「媚薬を注射器で入れれば、無理矢理でも起つんじゃないかしら?」
ケ「身体に悪いからヤメテ。自分の毒が効かないからって薬に頼るなんて…」
ヤ「しょうがないじゃない。もしアナタが媚毒だけでも効いてくれればって、未だに思うわ」
ケ「ヤマメの毒は、俺には効かない。不思議だね」
ヤ「まぁ、そのおかげでアナタと一緒に居れるんだから、嬉しい限りね」
ナース姿、そしてパンチラし放題…なんと羨ましい…!看護している人がいるなんて…いいですね。
読者様につかの間の安らぎを
「kanisaku」




