ペットがほしいな1
地上はもう朝の7時になっているケンは、居間でヤマメと一緒にテレビを見ていた。流れるのは一昔前の番組ばかりで、ケンが外の世界で5~6歳のころに見たものばかりだ。懐かしいヒーロー物もあったが、今は興味はない。チャンネルをリモコンでポチポチと変えていると、可愛らしいウーパールーパーがアップで画面一杯に映った。
ケン「懐かしいな。もうブームは去った筈なのに…」
ノホホンとした、間抜けな顔を晒すウーパールーパーはゆっくりと水槽の中を散歩する。女性のナレーターが生態を少し説明し、他の生き物の映像に切り替わっていく。どうやら生物特集の番組のようだ。
ケン「お、シベリアンハスキーだ。可愛いな」
ヤマメ「私とどっちの方が可愛いの?」
ケン「犬に嫉妬しないでくれ…。ヤマメかなぁ」
ヤマメ「うふふ。そうよね。犬如きにケンを取られるハズないもの」
ケン「ふぅん…。犬も、飼ってみたいな~、なんて」
ヤマメ「なら私が犬になるわ」
ケン「蜘蛛なのに?」
ヤマメ「名前的にいえば、アナタの方が犬なのにね」
ケン「ケン…あぁ、たしかに犬だ」
ヤマメ「…この際、アナタを犬として飼ってみるのもいいわね。ほら、首輪」
どこから取り出したのか、赤い犬用の首輪を出してそそくさとケンに取り付ける。
ケン「え?本当に俺がペットなの?」
ヤマメ「ケンちゃ~ん。おいでー」
淀んだ笑顔で首輪に繋がれた鎖を引っ張り、無理矢理引き寄せるヤマメは、完全なサディスティックそのものだ。強い力で引っ張られ、顔をかなり近くまで寄せられる。
ヤマメ「いい、ケン?アナタは今日一日、私の物、いや、これからもずっと…」
ケン「そうなのか」
ヤマメ「ええそうよ。でも今日はもっと特別…。私の犬よ。ねぇ、飼い主の私の言う事、聞いてくれるでしょ?」
ケン「わ、ワーン」
ヤマメ「うふふ…じゃあ、まずは。手でも舐めてもらおうかしら」
ケン「いやだ」
ヤマメ「そこは『ワン』とかじゃないの?」
ケン「ワン」
ヤマメ「そっちはワンなのね」
ケン「ああ」
ヤマメ「今度はふつうに…あぁ、もう面倒だわ。喋る喋らないはアナタの自由でいいから、早く…」
そっと差し出された綺麗な右手。その右手を両手で掴み、丹念に舐めていく。その度にヤマメはゾクゾクとした反応を見せ、ウットリとした表情で見つめてくる。
ケン「美味しい」
ヤマメ「犬らしい反応ね。そうよ、もっと…もっと丹念に、私を愛してるって表現して、ケン」
ひたすらに指を舐め続けるケンの頬を左手で撫で、お互いに愛し合う。室内には、ピチャピチャという音が響いていた。
ヤマメのペットはケン(犬)!。自分もペットにしてほしいものです。そして次回に続くのです。
読者様につかの間の安らぎを
「kanisaku」




