病気にかからないから
主に、「オリキャラ」と「東方キャラ」がイチャイチャするだけのお話なので、不快に思う方は引き返してください。
全体的に文字数も少なく、誤字脱字なども発見できてしまうかもしれませんが、温かい目で見てください。投稿はなるべく早くしたいとは思いますが、不定期です。
走れ、走れ、走れ…。地上を目指して…。
地下から脱出する為の出口を目指して走る自分、ケンは急いでいるのだ。出口は近い、眩い光が見えてくる。
ケン「うおおおお!」
ここまでくれば休む暇はない。今まで以上に脚に力を入れて走る。
ケン「あと100めっ!う、うあああああああ!!」
右足に突然巻きついた白い色。その糸はビンっと張り詰め、一気に自分が走ってきた地下の世界に自分を引き戻しにくる。
ケン「嫌だ!戻りたくない!うぐぐぐぐ…!」
手元にあるちょっと突き出た岩に両手でつかまり、必死に抵抗する。それでも容赦なく右足を引っ張る糸の力に勝てず、ズルリと手が滑る。少し湿った洞窟内ということが災いしたのだろう。そのまま着地する暇もなく、洞窟の奥まで浮いたまま引っ張られていった…。
洞窟の最終地点である旧地獄街の入り口に腹這いで着地する。
ケン「うぐぅ…ダメか…」
ヤマメ「今回も残念でした~♪」
糸を引っ張っていたのは彼女、黒谷ヤマメだ。人間の女性のような外見をしているが、力は人間の男性より強い。その理由は単純で、妖怪だから。
そんな妖怪に、なぜ自分が捕まってしまったのか、何故こんな事になっているのかを、話させてほしい。
あれは、今から2週間程前だ。
自分は、高校3年生最後の修学旅行に行って、森の中を友達と一緒に歩き回ってた。そんな時、人一人が余裕で入れそうな洞窟を見つけて、「入ろうぜ!」って言ったんだけど二人とも断りやがった。仕方ないから自分一人で様子見だけするつもりが…、足を滑らせてかなりの斜面になってた洞窟内に、ウォータースライダーにでも乗っているかのような感覚で落ちてしまい、途中、岩に体を打ち付けて気絶してしまったのだ。
そして気が付けば地霊殿という地下街の一軒家で寝かされていた。そこに居たのがヤマメで、看病してくれていたらしい。
ヤマメ「…良いね」
布団から起き上がってすぐに、突然そんなことを言われた。何が良いのかは分からないが、その一言を言われてすぐに抱き着かれた。
ケン「何が良いの?」
ヤマメ「貴方、病気にかからないの、だから良いのよ」
ケン「病気?いや、俺小学生の時にインフルエンザに感染したんだけど…」
ヤマメ「嘘よ、だって…私今貴方のまわりに病原菌の霧を撒いてるんだもの」
ケン「え…」
ヤマメ「今、私達の周りには人間に対しての猛毒な毒の霧を張ってるの。本当なら貴方がここまで引き戻された時から、息もロクにできなくなるくらいに強力な毒よ」
ケン「でも…なんともないぞ?」
ヤマメ「そうよ、それが貴方が病気にかからないという証拠。だから貴方が好きなの。他の人間の男は皆すぐに私の病気にかかっちゃうし…」
ケン「ヤマメの病気…」
ヤマメ「妖怪には何ともないけど、人間が浴び続けたらすぐに体調不良を起こす病気よ」
ケン「へ~」
ヤマメ「貴方が寝込んでる間もずっと浴び続けてたけど、何ともない…つまり!貴方は病気にかからない!」
ケン「はぁ…」
ヤマメ「顔も悪くないし、病気にかからない…。これほど私好みの男も珍しいわ…他の妖怪に取られる前に私のものにしなくちゃ」
ケン「ふーん…」
ヤマメ「どうしてもって言うなら逃げてもいいけど…その度に捕まえるわよ?」
ケン「まぁ、逃げるのは逃げるけど…俺って食われたりするの?」
ヤマメ「どうだろうね~。食べちゃうかもね~」
ケン「じゃあこうしよう。俺がこれから1日一回は逃げる。その逃走を…」
現在に至る。一日一回の逃走をヤマメが阻止できればその日は諦める。ただそれだけだ。
ヤマメ「以外と諦め早いのね」
ケン「妖怪相手だからな、変に抵抗してころされるのも忍びない」
ヤマメ「懸命ね、でも今日の分はもう使っちゃったわね…今日も私の勝ちよ♪」
ケン「しょうがない…また明日チャレンジしてやるよ」
準備運動のように屈伸をした後に軽くピョンピョンと跳ぶ。
ヤマメ「さぁ、帰りましょう」
手先から糸を出して自分の体に巻き付ける。そのままズルズルと引きずられ、旧地獄街に戻される。
ケン「毎回思うんだけど、この戻し方どうなの?結構、踵とか脚とか痛いんだけど」
ヤマメ「罰ゲームよ~」
ケン「そうか…」
今回は殆ど進展はありません…今後もそんなにないような気もしますが。
文章は、まいかい1000字~2000字くらいをモットーにしていきます。ほんの暇つぶし程度に読んでもらえると、幸いです。
読者につかの間の安らぎを
「kanisaku」