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ライバル令嬢の妹になりまして〜目が覚めたら推しの妹!?〜  作者: 雪菊


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ミーシャさんにも声をかけて離宮に向かうことになりました。

合流はあとで、ということで今はクリスが一緒です。繋いだ手には少し力が入っている。なんでも、嫌な夢を見たらしい。クリスにも可愛いとこあるんだなぁと不覚にもそんなところにもきゅんとしてしまった。



「フィー、そんな可愛いものを見る目で見ないで。僕は君には格好いいと思われたいんだ」


「いつだってクリス様は格好いいですわよ?」



そう言うと、その顔はぶわっと赤く染まった。「へぇ」とか「そう」とか言いながら慌てるクリスもまた珍しくて良いものです。

そうやってヒュバードお兄様達を待っていると、侍女が二人が来た事を知らせに来た。



「グレイヴ公爵家が次男、ヒュバードでございます。クリストファー殿下におかれましては本日お招きいただき感謝にたえません」


「こちらこそ、我が異母兄との交友をありがたく思っている。僕たちでは近づくこともかないませんでしたので」



実際、クリス達がリオンハルト殿下の容体を知ったのは「そろそろ死ぬかも」みたいな段階になってからのようだ。陛下のせいで兄弟としての関わりは薄く、呪いのせいで本当に関わり合う機会がなかったらしい。だから可哀想だとは感じてもどこか他人事であったことは否定できないとクリスもどこか物憂げな顔をして言っていた。


ミーシャさんともご挨拶をしてから離宮へと向かう。

緊張していながらも王宮の様子が気になるのかそわそわしている未来の義姉。

ヒュバードお兄様は余裕がなさそうだ。友人が死にそうなので仕方がないが、怖い顔をしている。


花の離宮と呼ばれる場所に辿り着く。

何かを隠すように花に覆われてその場所は美しいけれど、どこか近寄りづらい雰囲気である。

入り口には侍女が立っており、頭を下げている。



「ようこそお越しくださいました。ソフィア様がお待ちでございます」



まったく歓迎してない感じにそれはそうよね、と心の中で呟きつつ笑みをつくった。


案内されるがままにとある部屋にたどり着くと、デビュタントを行った夜会の時より青白い顔の側妃ソフィア様がベッドから起き上がれない男性の細い手を握っていた。

頬は痩けて、血の気はなく、瞳の焦点も定まってはいない。今にも儚くなりそうなその男をクリスは痛ましそうに見つめた。



「見舞いに来てくださり、ありがとうございます。ですが、見ての通りです。もう息子は長くはないでしょう」



放っておいて欲しい、と言うような感情が感じられない声に、「今更なぜ」と問われている気分です。



「今までリオンハルト殿下の治療ができるような術者はいませんでした。我が妹は学院に通う少し前まで、心を傷つけられ引きこもっており、魔法も彼を癒せるほどのものではありませんでした。彼女も、実家は王都より遠く最近のスタンピードという痛ましい出来事でその実力を認められ、援助を受けたことで現在王都にいます。いずれも、今でないと揃うことはありませんでした。どうか、一度だけ我が友に生きるチャンスをいただけませんか」



今でもお土産を片手に定期的にお見舞いに来ていたというヒュバードお兄様の言葉にだからこそ、でしょう。ソフィア様はその瞳に涙を溜めて、一つ頷いた。


それにしてもここまでやばいと思ってなかったんだけど、とベルをそっと見上げるとぎゅっと拳をこちらに出してきた。「やるぞ!」ってことですか?

お兄様と婚約者がいるので限界まで魔力を使い切ってもなんとかなりますわ!と覚悟を決めてその手を握った。


嫌な夢=本編

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