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「うちのお兄様がとある女生徒に猛アタックしており、時たま助けを求めるような目でこちらを見ている気がするのですが」
気のせいかなぁ、と思ってるんだけどどうなんだろう。
とは言っても上級生だし、関わり自体ないし、私とヒュバードお兄様そこまで仲良くはないんですよね。だからどうしようもないというか。
「フィーが頑張れる問題ではないので、気にしても仕方ないのでは?」
「クリスのいう通りですけれど」
お友達レベルの上がったクリスとそう言って話しているとセーラが「聞いてくださいませっ!」とお部屋に飛び込んできた。
「どうしたの、セーラ」
他に人がいないなら友人を呼び捨てにしても大丈夫なんだよね。でも、そんな時って本当に今みたいに寮のお部屋にいる時くらいだけど。
「お兄様が今のままなら中間考査危ないぞって真顔で言うの!」
その言葉に私とクリスは真顔になった。
セーラの兄、ケビンは成績優秀者の一人である。たしかに生徒会には入っていないけれどそれは研究を優先させるためで、友情からか手伝いはしている。
「しかも真顔で言うの!」
思わず二人で「真顔……」と呟く。
ケビン様が真顔で忠告してくるってヤバいのではないだろうか。私も普段からやばいのでクリス様に必死に教えていただいているけれど。だって私必死に叩き込みましたけど、本当に基礎から足りないのだもの。
いろんなツケが今回って来ている。辛い。
「セーラ様」
「どうしたの?クリス様」
「わたくしたちとお勉強を頑張りましょう」
私はそっと隣の椅子を引いた。
確認テストから入り、ケビン様の忠告が間違っていないことを悟った私たちは目線を合わせてそっと頷いた。
それからというもの、私とセーラとクリス、三人での詰め込み試験対策が始まった。
このままでは私もそうですけれど、セーラはもっとヤバいと察したので私は早々にお姉様に泣きついた。去年の試験内容を大雑把に聞いた私たちは必死にお勉強をした。
なんかたまーにアルヴィンお兄様が差し入れ持ってやって来てたんだけど何故かしら。
「お兄様ってば、フィンに嫌われてるって思われてたのがすごく悲しかったのですって」
ローズお姉様がそう言ってコロコロ笑う。
推しの笑顔……プライスレス。
「おまけに今回も一番に頼ってもらえなかったってとてもショックを受けてらしたわ」
次は頼ってあげなさいな、と言われたので苦笑する。だって距離感が掴めないのだもの。
あとお姉様とお話しする方が楽しいので。お姉様大好きですので。




