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一緒にお部屋に戻ると、それぞれ別れて着替えを済ませて一緒に復習をする事になった。本を見るのに邪魔なのでガッと後ろで髪を束ねようとしたらクリス様に苦笑された。
「フィーネ様、よろしければわたくしが結い直しても?」
「いいえ!結構ですわ。だってクリス様に髪を触られると緊張しますもの」
でもそういう申し出があるって事はあんまりなのかなって思ったからちゃんと縛りなおした。今度は綺麗にいったかな、と思っていると今度は椅子に促されて結んだ髪を解かれる。
「普段は器用ですのに」
面白そうな声である。「前を向いてくださいませ」と言われて鏡の方を向くと、櫛で髪を梳かしてくれる。手早く編まれて行く自分のウェーブかかった髪は、リズベット以外に頼んだ時のあの引っ張られて痛い感じがない。丁寧に扱って貰えているようだ。でも…うーん。なんでやっぱりちょっとどきどきするんだろうね?
最後に後ろでバレッタがぱちんと留まる音がした。
「どうかしら」
手鏡を渡されて見せてもらうと、クリス様の赤い瞳にも似た石の嵌め込まれた美しい細工のバレッタがついていた。
「あの、これは…?」
これ私のじゃないぞ!?と思いながら振り返るとクリス様は蠱惑的な笑みを浮かべた。
「受け取ってくださいませ」
「ですが…」
誕生日でも何でもないんですけど。
受け取る理由がなくって、頭上にはてなが舞っているのを感じる。あと、ただただクリス様の笑みが心臓にクる。
「わたくしからの贈り物はお嫌?」
そう言って首を傾げるクリス様に「受け取ります。ありがとうございます」と反射で答えてしまった。勢いが思ったよりついて濁点もついてしまった気がする。ハッと気付いてクリス様をみると、嬉しそうに微笑んでいた。
美麗、可憐、そして華麗。クリスティナ…恐ろしい子……。
「それではお勉強を始めましょうか?」
手を差し出されて、その上に自分の手を重ねる。さりげなく隣に座るように誘導されて、復習と明日の予習をした。
後から気づきましたけど、これ距離が近すぎませんこと!?




