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ステラの帳面・その二十五 名前のない欄
――ポルタセーラ 宿
『本日の記載。石鹸草の宿、卓の銘、ホルバ。良い仕事。良い仕事は、銘を見る前に、木口で分かる。以上が、公の記載である。』
『ここからは、公でない。帳面に、新しい欄を作った。何の欄かは、書かない。書かないが、欄というものは、作った時点で、いつか記載が発生する見込みを認めたということである。認めた覚えは、ない。ないのに、欄が、ある。欄を作るのに使った線は、一本。定規は、使わなかった。使わなかった線は、少し、曲がっている。引き直さない。』
『特記の欄。悠仁の地図の読み違え、本日三本。等高線を三本読み違える程度の何かが、卓の下にあった。何かの詳細は、新しい欄の管轄とする。管轄、という語は便利である。書かない理由に、聞こえない。』
『私事の欄。欄の名前は、まだ書かない。以上。』




