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氷の様式美に泥をぶちまけろ!  作者: velvetcondor guild


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9/10

9

夕方。

ユミはタクシーで実家へ向かう。


ヨギョンは同行している。


「せんせ、

この門……

なんですかこの門……

“王宮”ですか……?」


「実家よ」


「実家!?

実家って言いました!?

こんな実家あります!?

わたしの実家なんて、

玄関のチャイム壊れてて、

“おーい”って叫ばないと誰も出てこないんですよ!!

なんでこんな差が!!」


門が開くと、

広大な庭園が広がる。


噴水、

彫刻、

庭師、

そして――


愛犬・もも

が走ってきた。


「もも!」


ユミは、

思わず笑顔になる。


ももは、

ユミに飛びつき、

顔を舐めまくる。


ヨギョンは叫んだ。


「ももちゃん可愛い!

でもデカいぃ!

わたしの田舎の犬よりデカいぃ!

せんせ、なんでこんな犬飼ってるんですか!!

財閥の犬ってこんなにデカいんですか!」


「知らないわよ!

ももはももよ!」



玄関を開けると――

家族が勢ぞろいしていた。


母:上品で強烈。


「ユミ、遅いわよ。

スポンサーの娘が遅刻なんて、

前代未聞よ」


父:温厚だが存在感が薄い。


「まあまあ、ユミも忙しいんだろう。

原稿……なんだっけ、あれ……」


「お父さん、原稿の名前忘れないで」


長兄:会社の後継者。完璧主義。


「ユミ、昨日の会議資料は持ってきたか?

スポンサーとして確認したい」


「家族の食卓に会議資料持ってくる人いる!?」


次兄:自由人。芸術家気質。


「ユミ〜、久しぶり〜。

僕の新作のモデルになってよ〜。

“眠たい目の女神”ってタイトルでさ〜」


「やめて」


妹:大学生。毒舌。


「ユミ姉、

あんたのドラマ、

SNSで“元カレと共作とか草”って言われてたよ」


「言わなくていいわよ!!」


お手伝いさん。


「ユミお嬢様、

また痩せましたね。

ちゃんと食べてますか?

あの脚本家の男に振り回されてるんじゃないですか」


「なんで知ってるの!?」


「家の情報網を甘く見ないでください」


ヨギョンは、

圧倒されて震えている。


「せんせ……

家族全員クセ強すぎません……? 」


ユミは、

頭を抱えた。


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