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プロローグ
「デビュタント」
それは、子供時代に別れを告げ、大人としての一歩を歩み出す儀式である。この国では14歳になると全ての国民が王宮に呼ばれ、この儀式に参加する義務がある。
一見、平穏なこの世界は、そんな儀式を終えたばかりのエリシアによってほころびが出始めるのだった。
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眠っていた花々が目を覚まし、あたりには暖かな風が吹き始めた。人々の活動は活発になり、町も賑わいを取り戻してきた頃。
今年も、14歳を迎えた少年少女たちが「デビュタント」を無事に終え、王宮は静寂につつまれていった。
その時、ひとつの困惑の色の混じった悲痛な叫びが王宮の神殿にこだました。
「なにが…どうなっているの…?!」
しかし、そんな叫びを嘲笑うかのようにすぐさま神殿はもとの静けさを取り戻し、深い深い夜の闇にのまれていく。
今夜の月は、いつにもまして光り輝いていた。




