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34鬼 調子

不安はあるが、背後に回り込むだけでなくなったメリーの力は一段と上がった。

やっぱり、敵を操れるていうのは強いよな。

特に少し難易度を上げていくごとに集団の敵なども出るようになるため活躍の度合いが大きくなっていき、


「オイラたちのサポートは必要なさそうっすね」


「そうだな。今はまだ麻痺が通用するし、メリーの転移能力の事を考えればこの戦い方が1番安定するか」


「若干調子に乗りすぎている気もするけど、そこは後からどうにでもなるかな?」


メリーは1人で敵の集団をどうとでもできる。

集団でなくても、多少強い程度の個体であれば背後から首筋に俺のお古の毒のナイフを刺せば解決だ。


さすがに敵がいなくて調子に乗ってしまっているようにも感じるが、それはたまに隠し部屋なんかで少し強めの敵と戦ったり、


「ちょっと!?この敵、全然麻痺も毒も通用してないんだけど!?」


「それは、相手が生物じゃないしそんなものだと思うぞ」

「メリーの天敵は無生物で、明確な弱点がないタイプっすか」


無生物のモンスター。いわゆるゴーレムや、俺たちが身にまとっているリビングメイルなんかもその筆頭だが、そういうタイプには弱い。

急所に攻撃しようにもそんなものが生物でないから分かりにくい(存在しているタイプもいるけど)し、麻痺だって通用しにくい。

こういう相手との戦いも経験させることである程度伸びすぎた鼻は折ることができたと思う。


加えて、


「えいっ!ボスも人形にしてやる!!」


「なっ!?百鬼夜行を乗っ取るつもりか!?」


「フハハハッ!アタイがトップだよぉ!!…………って、あれ?ボス、全然思い通りに動いてくれないんだけど」


「当たり前だ。多少だが、状態異常には耐性を持ってるんだよ」


俺たちとの格の違いと言うものを教えてやったりもしたことにより、おごる気持ちはさらに小さくなったと思う。

麻痺をさせようとしてきたお返しに、デコピンをしておいた。


「イッタァ~。デコピンが人間のできる力を超えてる気がするんだけど?」


「それは、ソーの攻撃力が上乗せされてるからじゃないか?素の俺の倍以上攻撃力はあるはずだし」


「うそでしょ!?アタイになんて攻撃をしてんのさ!!」


「大丈夫だ。ちゃんと手加減はしたから。というか、してなかったらレベル差から考えても痛いじゃ済まないと思うぞ。全力でやれば、たぶん頭がはじけ飛ぶ」


「えぇ?うそでしょ?………怖~」


「ちなみに、私はボスより攻撃力が高いからもっとダメージは出ると思うよ。はじけ飛ぶどころか消し飛ぶんじゃない?」


「ひ、ひぃぃぃ!!」


俺たちの攻撃力の高さと言うのも予想外にしっかりと伝わったようで、若干怯えられたりもした。

自分を簡単に始末できるような力を持つ相手が最低2人は近くにいるわけだし、怖いと思うのも当然。俺が滅魔士の増華を怖がるのと同じだろう。


「しかし、メリーを強化するためにいろいろとやったが俺たちの収穫もそれなりにあったな」


「そうだねぇ。やっぱり、隠し部屋に入れたのが大きかったんじゃない?。全員防具とか武器とかそれで新調で来たわけだし」


「オイラも盾まで持たせてもらっちゃったっすからねぇ。かなり変わった気はするっす」


メリーのレベル上げの合間に入った隠し部屋で宝箱などを開けた結果、俺たちはそれなりにいい武器を見つけた。

増華は切った相手をやけどさせる長めの剣を手に入れたし、俺は単純に攻撃力の高い長い棒を手に入れた。唐笠お化けの廻場は身を守るための軽くて小さい盾と、ある程度自由に風を起こすことのできるナイフを手に入れていた。


「どうしても避けきれない攻撃は盾で防ぐだけでもかなり受けるダメージが違うし、起こす風のお陰で緊急回避もシッカリできるようになるっすからかなり以前より楽に戦える気がするっす」


「装備をそろえておくことの必要性を改めて感じた気がするな」


新しい装備に新しい仲間。

それらに慣れていくにはまだ数日は必要になるだろうが、それでも次の週末辺りにはこの間予想外の展開に苦戦したダンジョンでも楽に探索をしていけるのではないかと考えていた。


「…………というか、さっきから気になっていたんすけど、歩き方どうしたんすか?ものすごく不自然っすけど」


「麻痺の効果が残っているんだ。耐性はある程度高められたからメリーに操られるほどにはなってないが、さすがに完全に無効化はできなかったからな。体が完璧に思い通りに動くわけではない」


「へぇ?じゃあ、もう少しメリーのスキルの力が強くなったら私たちにも通用するようになっちゃうかもね。今のうちに食らっておいて、耐性を上げておくべきかな?」


「あえて超えられないうちに受けておくか。確かに悪い手ではないかもな…………今度殺傷力のないスキルだけ使える模擬戦とかやってみるか?」


「良いんじゃない?メリーはきっと麻痺をさせようとしてくると思うよ。ついでに、あのユニークスキルを強奪しようとしてる人達を相手にするなら対人戦の能力もある程度鍛えておいた方が良いと思うしね」

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