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13鬼 メイル

動画に無いから新しい仲間を決められない?

そんなことになるほど俺だって愚かじゃない。ネットで簡単に手に入る情報がなければ諦めるほど俺だって適当に探索者をやろうとは思ってないんだ。


ということで、


「増華。まだあんまり長く活動できてない状態で聞くのも悪いんだが、何かこの間のもののほかに改善点とかあるか?あと、欲しい物とか」


「ん~。難しいね。まだ敵がそこまで強くはなかったから私も先に進んでいくのに何が問題になるかは考えてないし…………そういうことを考えるなら、ここから先のモンスターの特徴とかを考えてみたら?それに合わせて私たちも力をつけていけばいいでしょ」


「なるほどな」


俺だけで考えているよりもっといろんな角度で意見が欲しいと増華に質問をしてみたところ、良い意見が出てきた。

ただ、その後動画サイトに参考になる物はなかったのかと笑われてしまった。悔しい。


なお、増華だけでなく、


「あっしは、ボスたちが攻略をしていくなら遠距離攻撃ができる仲間が必要だと思いまさぁ」

「どうしても戦いとなるとけがは避けられないだろうし、回復役とかは必要なんじゃないかしら?」


他のメンバーにも聞いてみたがみんないいことを言ってくれる。俺とはまた違う視点で話をしてくれるから、やっぱり他人に相談してみるって大事だな。

ということで、そうした意見を参考にして仲間にするモンスターを検討していく。

そして数日度、これだというモンスターにたどり着き、


「よし!それじゃあ、ダンジョン行くぞ!!」


「あっ、ごめん。今日から学校だから付き合えない」


「なん、だと!?」


それに合わせて仲間を1人失った。

とは言っても、これからしばらく参加できる時間が減るというだけの話なんだけどな。

増華を送る火車の圧推に同乗させてもらって、俺も目的のモンスターがいるダンジョンへと向かう。


「それじゃあ、終わったら連絡する。気をつけて走れよ。増華も、久々だから勉強とか大変だろうが頑張れよ」


「はい。安全運転を心がけまさぁ」

「親みたいなこと言うじゃん。でも、心配ありがとね」


先に俺がダンジョンの前で降ろしてもらって、さっそく突入。

ダンジョンも難易度が上がってきた影響でやはり出てくるモンスターが変わってきたりするんだが、


「ダストと一緒ならどうにでもなるか」


相手が1体だけなら、俺とダストの2人(?)で対処できる。

俺が目立つから囮になれるし、隙ができれば俺が2,3回短剣で斬りつけられるだけで終わる。

さすがにこの辺りまで難易度が上がると短剣1回では終わらなくなってしまったが、まだまだ活躍の機会はありそうだ。


「ダストの酸、生物には異様に効くよなぁ。しかも、だからと言って必ず溶かすだけでは息絶えないように調節してるみたいだし」


命を落とすと消えてしまうので仕方がないのかもしれないが、ダストの捕食はかなり性格が悪い。俺としてはすぐに終わらせてほしいんだが、ジワジワ削っていくんだよな。

そのため、俺が手を出さないとそれなりに倒すまで時間がかかってしまう。


「今後はこの辺りの性格とかも抑え込めるように調整していかないといけないか。我慢してもらう代わりに、たまにダストが好きなだけ捕食できる時間を作るとか」


新しい課題も出てきてしまったが、今は一旦そこには目をつむろう。

それよりも、目的のモンスターを今回は探すことを優先する。

しばらくダストと一緒にダンジョンの浅いところをさまよっていると、遠くからガシャンガシャンと言う重い金属音が聞こえ始めて、


「おっ、来たっぽいな。ダスト、準備をしておいてくれ」


「プルッ!」


音が近づきその姿が視えてくる。

光源もないはずなのに何故か明るいダンジョンの中で、その不自然な光を反射している存在がユックリと迫ってくる。

その動きは非常に重いが、逆に言えばその重さで攻撃されればひとたまりもないということ。

そんな危険もある相手におれはまず、


「『テイム』」


出会い頭にスキルを使用した。

さすがにダストのときとは違って難易度も少し上がってきたダンジョンのモンスターだから最初のテイムが成功するとは思っていないんだが、とりあえずやってみた。

もちろんすぐに攻撃を準備をして、


「…………ん?成功してる?」


短剣を使おうとしてるところで、スキルの成功を感じ取った。

完全に感覚的な話なんだが、スキルも成功すれば成功したと分かるし失敗すれば失敗したと分かるようになっているんだ。だからこそ、この感覚は間違いないはず。


「え?そんな簡単に成功していいのか?」


もっと『テイム』なんて難しい事だと思うんだが、成功してしまったのだからしょうがない。

受け入れて、これから共に戦っていくことにしよう。


「よろしくな。ソー」


「メリッ!」


「う~ん。また独特な鳴き声。どっからその声出してるんだ?」


新しく仲間になった、ソー。種族はリビングメイルだ。

簡単に言えば、勝手に動く鎧のモンスターだな。動きが重く速度がないことが欠点であまり効率重視なゲーマーたちからは好まれてないが、代わりに攻撃力と防御力が高いため俺としては最適な仲間だと考えたんだ。

今後間違いなく敵の攻撃力は高くなってくるだろうし、そういう攻撃にも耐えられる味方が欲しかったんだ。


「そしたら、さっそくソーに働いてもらうか」


「メリ?」


ソーの役割、それは、その高い防御力を活かして敵の攻撃を受け止める前衛をしてもらうこと。

…………ではなく、


「ちょっと俺を中に入れてくれるか?リビングメイルの中に居れば俺は攻撃が来てもある程度大丈夫だと思うんだよな」

メイルと寝入るって似ているので、最初に李便名るという名前を聞いたときには生きている爪の話かと思いました

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