招待される
作者です。家にある刃物を年明け前に綺麗にしておこうかと思って研いだのですが、ダントツでクロさんのモデルとなったカランビットが一番時間かかりました。内側へ湾曲した刃物は研ぎにくいです。二番目はアイさんでした。彼女、硬すぎて砥石の方が多く削れます。
惜しまれつつ山を後にし、家へと帰還した。
「また、連れて行ってくださいね」
やっぱり力を使えたことが嬉しかったのだろう、みんなにこにこだ。
「そうだね、時間を見つけてまた行きたいね。」
それは丁度、荷をといて、腰を落ち着け家のありがたさをしみじみと感じているとき
ピンポーン
家のチャイムが鳴った。
「はーい。どなたですか」
「こんにちは、剣太さんですね?」
「はいそうです。」
「警察です」
あああ。何がいけなかった?実家で自作したナイフは規定をクリアしていたから剣とはみなされないはずだ。それとも彼女たちを連れて歩いたことか?いったいどれだ
「私なにか、しましたかね?」
「貴方に備わった能力に我々は興味があります。一緒に来てもらえますか?」
こういうのは経験上、断っても自分の立場を悪くすることにつながる
「マスターが行くなら私も行きます。」
「お嬢さんをあそこに連れていくのはちょっと。なあに検査だけです。すぐに終わりますよ」
検査ということは私の回復能力のほうか。
「アイ、少し行ってくるね。この人たちなら他の危ない人たちからも守ってもらえると思うし。」
「でも、貴方のことが心配です」
「私がいない間、自分で正しいと思うことをするんだ。アイは皆のおねえちゃんだからね。それから冷蔵庫の中に入っている血はみんなで仲良く飲むんだよ」
一週間分は冷蔵庫に常備してある。
「あの人は信用できるか分かりません。どうかお気を付けて」
こうして家をまた離れ、今はどこかの施設に連れてこられた。ここは警察署じゃない。それくらいは見て分かる。窓には鉄格子がはめられ、その様はまるで映画の中で見た刑務所のようだ。しかも、移動中の車内では目隠しをする徹底ぶりだった。
「ここはどこですか?」
「詳しいことは中で話します。悪いようにはしませんから」
中に入ってすぐにつなぎに着替えさせられた。私物を持ち込んではいけないところなのだろう。案内された部屋には金属製の机と椅子が二つ。椅子の近くの床には金具がついている。そして壁には大きな鏡。THE取調室といった雰囲気に思わず足がすくむ。
「さあ、椅子に座って楽にしてください」
男が二人入ってきて、手際よく私の手と足に手錠をつけ、足元の金具に接続しようとしている
「ちょっと!これはどういう事ですか!!」
「これは、貴方のためです。情報を知るということはそれだけの代償を払っていただかないと」
「ここは、どういう施設であるかという質問でしたね?」
「そうです」
「お答えしましょう、この国には一般の人が知ることのない施設や組織があります。それらは、けっしてメディアにはとりあげられません。ここはその施設の一つ。普通の人とは違うヒトを隔離している施設です」
「つまり私を隔離するつもりですか?」
「それはあなた次第です。ここには様々なヒトがいます。水の中で息ができるもの、人の心が読めるもの、大きく見た目がかけ離れたもの。だが彼らは皆、自ら進んでここにいるのです。我々は彼らの力を研究し応用し、国益につなげているのです」
「私の力はそんなにすごくないのですけれど...」
「そんなことないですよね?貴方は特別だ。進んだ人類の成功例と言っても過言ではない。我々は貴方が欲しい。代わりになんでも用意しましょう」
「私は今の生活を気に入っているので、それは困ります。」
「そうですか...では貴方の心に問いかけましょう」




