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異世界 満喫トラベラー ~のんびり旅行するつもりが色々巻き込まれました~  作者: みみたん


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第36話 ハルカ班の動向

 作戦名を言わなきゃよかったと後悔しているうちにメンバー編成が終わっていた。

 私は巨大キメラの捕獲・撮影班に組み込まれていた。

 こういう戦闘が必要なやつ、本来はヤクメーさんの担当じゃないの?

 ボーッとしてる隙に、ヤクメーさん辺りが私をこの班に推薦した?


「ハルカ様、こちらによろしいですかな?」


 なんかいかにも武人みたいな人から声をかけられた。


「はい、同じ班の方ですか?」


「そうですな。それがしはフルッツ・ワモノと申します。ハルカ班のサブリーダーという位置づけですな」


 チョット待て。

 ハルカ班……?


「は、班名を変えませんか? 私は指揮を取れないし、訓練された兵士じゃないですよ」


「班の士気に関わります。今更、班名を変えるとして、何班にしたらいいのですかな?」


 いきなり班名を決めろと言われても困る。

 班決めに参加してなかったのは悪いけどさ……。


「そんな急に言われても、思いつきません……」


「では時間がもったいない。早速ですが打ち合わせをしますかな」


 うーん、この人もテキパキしている。

 さすが正規の兵士って感じ。


「わかりました。打ち合わせの内容はワモノさんにお任せします……」


「承知した。リーダーの意思に従うのみですな」


 班名を変えてと言ったときは私の意見に従わなかったよね?

 都合がいいときだけ意見を聞くタイプ?


 ワモノさんが色々な人を名指しして作戦を練りはじめた。

 私もちゃんと聞いていたけど、ところどころ軍事用語が入っていてよくわからない。


 他の班を見ると、大臣さんの班、ヤクメーさんの班に分かれていた。

 マチルダはヤクメーさんの班なんだね。


 あ、そういえばライサンさんが言っていたことを思い出した。


「巨大キメラって、対魔王、対勇者用に作られたとライサンさんが言っていましたよ。やっぱり相当強いんですかね?」


 それを聞いて、ワモノさんを始め、班員たちの顔が真っ青になった。


「なんですと……班の編成を変える必要があるのでは?」


「魔王様とキメラが、仮に互角だとした場合、我々が三万人いても勝てません」


 めっちゃざわついてる。

 魔王さんってそんなに強いの?


「で、でもポポがキメラを撃退してるんだけど……」


 ざわつきが治まった。


「ポポとはこの幼龍ですかな……?」


 班員がまじまじとポポを見ている。


「そうです。この可愛い子です」


「……なら我らでも勝てそうですな」


 全員がホッとしているけどさ。

 ポポが勝てるなら自分たちも勝てるって、どういうこと?


「では、当初の予定通り、作戦は変更せずにいきますかな」


 ん? 結局どんな作戦だっけ?


「も、もう一度、作戦の最終確認をしませんか?」


「それもそうですな。おい、お前が説明してみよ」


 若い人が声をかけられて直立不動になった。


「はっ! 作戦ですが……


 我々はまず、総勢二十名の部隊となります。

 その中でも魔力の高い者十名が半径五十メートルほどの結界を設置します。

 次に、足が速い兵士の二名が斥候を担当し、キメラを捕捉した後、結界に誘導します。

 その際、残りの八名は近接攻撃を得意とする前衛役とし、キメラを挑発して誘導のサポートを実施します。

 キメラを結界内部へ誘導後、結界を閉鎖し、完全隔離状態へ移行します。

 結界で拘束後、内部から魔力吸収及び体力吸収の呪術を結界に付与します。

 そして弱ったところを前衛役が物理拘束という手筈となります。


 ただし、キメラが結界を突破する可能性もあります。

 その場合は前衛担当が時間を稼ぎ、結界担当は第二結界を展開します」


 すごい、こんな長い作戦をすらすらと噛まずに言えてる。

 さらに素人の私が聞く分には、完璧な作戦に聞こえる。

 しかもさっきと違って私がわかるように説明してくれた?

 ワモノさんも満足げに頷いているし、この作戦で間違いないんだろうね。


「作戦はなんとなくわかりました。私は何をしたらいいですか? 作戦に組み込まれていませんよね?」


「そのようなことはございませぬ。ハルカ様がいらっしゃるだけで、我々は万倍の力を得ましょうぞ。また、友軍の負傷時はハルカ様が回復担当となりますな」


「なるほど、なんかすごいことはわかりました。みなさん頑張りましょう!」


「「「応!」」」


 おお、兵士っぽくてかっこいい!

 また魔族の敬礼をして、人差し指がキラーンってしてるし!


--


 ……そしてキメラが目の前に倒れている。

 いや、伏せをしてる?


 なんかもうね、私の予想通りになりすぎているよ。


--


 時をさかのぼること少し前。


「斥候より報告! 巨大キメラを発見しました!」


 作戦開始から二十分。

 予定より早く見つかったみたい。

 さすが精鋭部隊だね。


「待て! 後ろだ!」


「う、後ろ?」


 次の瞬間、建物が吹き飛んだ。


「ぎゃあああああ!」


 斥候たちが物凄い勢いでこっちに走ってくる。

 しかも後ろから巨大キメラも追いかけてきていた。


「発見しましたって言ったよね!?」


「発見したのであります!」


「発見されましたじゃん!」


 作戦だと誘導するはずだったよね?

 鼻水垂らしながら全力で逃げてますよね?


「前衛班! 誘導を支援!」


 おいおいおい!

 見栄を張るな!

 今、誘導って言ったよね!


「応!」


 前衛の人たちが及び腰で飛び出した。

 作戦通りになりそう……?


「うおおおおお!」


「こっちだ化け物!」


 おお、威勢がいい!

 がんばれー!!!


「無理だあああああ!」


「速すぎる!」


「退避ー! 退避ー!!」


「誰だあんな作戦立てたやつ!」


 前衛が斥候と一緒に逃げてんじゃん!

 しかも重装備なのに……。

 斥候より逃げ足めっちゃ速い!?


「ワモノさん!?」


「よよよよ、予定通りですな!」


「あんた名前負けしてるよ!」


 これはもうダメかもしれない。


「けけけけ、結界班! 展開急げ!」


「ま、間に合いません!」


「なんですとぉぉぉ!」


「こなくそぉぉ! 間に合わせてみせる!!」


 結界班が必死に頑張ってる。

 ……おお?

 巨大な半透明の壁がキメラを包み込んだ。


「成功だ!」


「勝ちましたな!」


 結界班のみんなが歓声を上げた。

 歓声あげてないで集中してよ!

 ……なんかキメラがニヤケている。


 パリン。


 結界を猫パンチで割られてんじゃん!

 パリンって綺麗な音だったよ!?


「第一結界崩壊しました!」


「だ、第二結界を展開!」


「間に合いません!」


「馬鹿な!」


「馬鹿なのはそっちだよ!」


 結局……ハルカ班の完璧な作戦は五分も持たなかった。


 キメラがニヤニヤしながら近づいてきたと思ったら、真顔になった。

 真顔になったと思ったら回れ右をして逃げてった。


「キ、キメラが逃走を開始しました!」


「撃退成功! 我らの勝利です!」


 ダメだ……頭が痛くなってきた。


「待ってください! 捕獲じゃなきゃ失敗ですよ!?」


「はて……そうでしたかな?」


「目的を忘れたフリしてるでしょ! もういいよ。撮影してて!」


 回れ右をしたのは、多分ポポを見たからだよね。


「ポポ、行こう!」


「ハ、ハルカ様! 危険です。お戻りください!!!」


「多分あのキメラなら大丈夫。ポポが泣かしたやつだよ!」


「ハルカ様がご乱心だ! お止めしろ!」


 とりあえずポポに乗った。


「乱心していないし、心配しないで」


「わかりました。いってらっしゃいませ」


 切り替え早いな!

 と思ってたらキメラが戻ってきた。


「総員退避ー!」


「退避しないで撮影して!!!」


 そしてキメラを見ると、必死の形相だった。


「って、もうポポがやってたんだね」


 キメラの方を見ると、ポポの分身がキメラを追いかけていた。

 こっちのポポとあっちのポポでキメラを挟み撃ちにしている。


 そして今に至る。

 キメラは諦めて、ごろんとなって腹を見せている。

 ポポが近づくと、伏せをして耳をペタンとしていた。


「我々の勝利だぁぁぁぁ!」


 叫んでないで、せめて撮影の仕事して!!!

本当の本当に申し訳ないのですが、しばらく不定期連載とさせていただきます。

さらに忙しくなってしまいまして、いつ時間が取れるのかまったくわかりません。

この先のプロットもまったく作れていない状況は変わらずで、今回のエピソードも頭の中にある構想をプロットを作る時間が惜しくて、プロットなしで執筆しました。

雑な内容になっていたら申し訳ありませんが、本当に時間がないのです。

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