65.Into エルフの里
お待たせしました。
戦闘が終わり一息吐いたところに新たな気配。
今度はなんだ?
「よう。お前らどこから来た?同族も一緒のようだが」
おおう。高身長イケメンエルフさんのご登場か。高身長といっても、俺よりは低そうだけど。
で、やっぱりリルには反応するか。それがなんだという感じではあるが。
そんでもっていきなりの質問。このイケメンエルフには人に物を聞くときはまず自分からという言葉を贈呈しよう。
面倒くさくなりそうなので言わないけど。
「ローエイ王国からだ」
ま、ここで嘘を吐いてもどうにもならないので正直に答える。
「ほーう?ということは、お前さんらが救世主ってわけか」
「救世主?」
確かに、世界樹の暴走を止めには来た。とはいえ、実際にやるのはアリスとルーシャの二人なので俺達はただの護衛だ。
「ああ。あの暴走を止めてくれるって言うなら間違いなく救世主だぜ」
「そんなにまずい状況なのか?一見そうは見えないが……」
ここから見える範囲に世界樹はあるが、特に変な様子は伺えない。それとも魔法で隠しているとか?
「そうだな……。口で説明するより見た方が早いと思うぜ」
そういった後、森の深い方へと入っていくエルフ。
「どうする?ついていくか?」
「それしか出来ることは無さそうね」
「あの人は変な感じがしないからついていっても大丈夫だと思うわ」
「こういう時のアリスの勘は当たりますからね。私はアリスに従います」
「わ、私もついていっても大丈夫だと思います」
皆ついていくに賛成のようだ。
リルは無反応だし、ミーシャはサーシャと一緒に行くというから問題ないだろう。
リルの無反応が少し気にはなるが。
「おーい!早くしろよ!迷っちまうぞ!」
「ああ、今行く!」
「…………あるじ…………たぶんあの人…………族長…………」
「「「「「「は??」」」」」」
え?まじで?
・~・~・~・
リルのとんでも発言を受けて少し脳がフリーズしたが、無理矢理再起動しイケメンエルフに追い付く。
「随分と複雑なんだな」
「まあ、それくらいしないとすぐ変な奴らが入ってくるからな」
「変な奴らっていうと、奴隷狩りとかそういうのか?」
「それもそうだが、他にも魔物とかを防いでいる」
「あれ、魔物って防御壁で防げるんじゃないのか?」
さっきリルがそんなことを言っていた気がする。
「あるにはあるが、デカイ魔物とかだと無理矢理入ってくることが結構あるからな」
「そうなのか」
「ああ。お、もうそろそろ着くぞ」
ん?まだ入ってからそんなに歩いてないぞ?人の気配も感じないし、どこにあるってんだ?
「もうそろそろって言う割には、人の生活している気配が全く感じられないんだけど?」
「ほう。金髪の嬢ちゃんは鋭いんだな」
はーい!はいはーい!!俺も気づいてたもーん!
あっ、愛花に睨まれた。心の中でも大人しくしとこ。
「簡単な話だ。今は皆、それぞれ別の場所で生活している。複数人で固まっているのもあれば、一人で過ごしている奴もいるのさ」
「何故別々に?」
「俺達が普段暮らしている場所だとな、世界樹からの距離が近すぎて危ないんだよ」
「なるほど」
ふむ。考えてみたら確かにそうか。里を上から見てみると、恐らく中心に世界樹がありそのすぐ周りにエルフ達が暮らしている場所があるはずだ。
今の世界樹は、魔力を欲する余りに魔力を保有する物全てを吸収しようとする状態。そんな状態の世界樹の周りにいたら危険なんてものじゃないよな。
「だからここが一番安全でかつ、世界樹にもっとも近い場所だ」
「いや近いっていわれても、結構な距離あるぞこれ」
「五百メートルはありそうね」
そんなに遠いんじゃ、アリス達もまともに魔力が送れないんじゃ?
「流石にここからだと魔力が届く前に霧散しちゃうわね……」
「でもこれ以上近づくと世界樹が反応しちゃうしなぁ」
悩む俺達。
そこにサーシャのいい提案が。
「あの、他の場所も回ってみたらどうですか?確か、全体の地理を把握してからやると言う話でしたよね?」
「そういえばそうだったわね。すっかり忘れてたわ。思い出させてくれてありがとね」
ご褒美にと愛花が頭を撫でている。
……俺も撫でたい。
「戯れるのはいいけど、時間がないのも忘れないでね」
「あ、ああ。もちろんだ」
そうじゃん。もうあと一日か二日しか時間がないんだった。いかんな、話のスケールがでかすぎるためか頭が仕事を放棄している。
しっかりしなければ。
ゴールデンウィーク、皆さんは何してますか?作者は睡眠と勉強です。(旅行行きたい……)




