第4話 友人の覚醒
すみません。テストが重なって、なかなか来ることができませんでした。本当に申し訳ありません。
あと一週間で冬休みなので、そのときに今までの分を挽回していきたいと思っています。
俺と武蔵が握手を交わした後、俺たちはこれからの事について話し合うことにした。
「んで、マジでどうする?正直、全員が協力してくれるとは限らないぜ?」
「みんなを纏めるのは、あいつ(…)がいれば大丈夫だろう。」
「あいつ?誰のことだよ?あの中じゃあ、まともな精神もってる奴なんていなかった筈だけど?」
そう、武蔵が首を傾げながら問う。
まあ、今回のことであいつも呆然としてたからな。武蔵には正常じゃないと思われたのだろう。
だが、腐れ縁だった俺には分かる。あいつは些細なことですぐ落ち込むが、その分、ありえないくらいポジティブで楽観的だったから、きっとすぐ復活するだろう。
なんていったって、三年間付き合っていた、ベタ惚れしていた彼女に振られたときも、落ち込みすぎて自分の部屋に篭り、丸一日そこらへんにあった物を投げて荒らしていたり、部屋の隅っこでぶつぶつ嘆いたり、叫ぶように愚痴ったり、俺を何故か無理やり部屋に引っ張り込み、ぶつぶつぶつぶつ泣きながら話を聞かせたり、本当にきのこが生えてくるかと思うくらい、一週間ほど部屋に引き篭もっていたにも関わらず、次の月曜日には“きっとこれはあれだ!きっとあのこじゃ俺が幸せになれないと思って、神様パワーで別れさせてくれたんだ!うぉおおおおお!なんか燃えてきた!新しい恋を探しまくってやるぜ!”と、妙な勘違いをして、勝手に復活した。
今まで“しょうがない”と割り切って話を聞いてやった俺がバカみたいだ。ってか、お前が振られたのって絶対お前のせいだろ。気付けよ。現実見ろよ。
だが、そのバカみたいな性格と精神が、あいつを復活させる鍵となる。
そして、バカさ故に、あいつは素直で真っ直ぐだ。
だからこそ、その純粋な言葉が胸に、重く、ゆっくりと、浸透していくように、響く。
下手な政治家の考えた言葉と違って、その場でポッと出てくる言葉ばかりだから、嘘には見えない。それに表情にでるし、あいつ単純だし。
よっぽど捻くれてる奴か、狂っている奴じゃない限り、あいつの言葉がまったく響かないことはない。どんな奴でも、多少は響く。
そして、それは今この状況の人達にとっては、まさに光となる。
だから、一刻も早くあいつが復活してくれないと困る。
…と、考えているうちに、なんとなくあいつが復活しそうな気がした。
そう思い、俺は小走りで窓に近づく。
すると、俺の目に映ったあいつの眼は、虚ろでぼんやりとしていた眼から、だんだんと光が、色が戻っていく様な気がした。
それを見て、俺は思わず口元を歪める。すると、俺に釣られるように、武蔵もふらふらと窓のそばへ近付いてきた。
「なあなあ、マジで誰だよ、あいつって。」
武蔵が俺に問いかける。それに、思わず笑いそうになるのを必死で堪え、俺は、あいつを指差すように窓を小突く。
「まあ、見てろ。もうすぐあのバカが眼を覚ますから。」
この後のあいつの様子が容易に思い浮かぶ自分に苦笑いを漏らしながら、俺はあいつを見る。
もうすぐだ。あの二次元にしかいないような性格のバカが、やっと眼を覚ますようだ。
まったく、どんだけ俺を心配させたいんだコノヤロー。
しばらく窓の近くで待ってると、聞き慣れた声の叫び声がした。
「くっそやろおおおおおお!何が“セーブできない”だ!何が“脱出不可能”だ!意味分かんねぇよ!俺は“こっち”に来たいだなんて一度も思ってねぇ!ただゲームがしたかったんだ!それなのに、勝手に“ここ”に連れてこられて、あろうことか“脱出不可能”だぁ!?ふざけんじゃねぇよ!ここに居る奴らも思った筈だ!“なんで自分は此処にいるんだ”ってなぁ!」
あいつこと、爽耶は叫ぶ。あまりにも理不尽で、不利益で、自己中心的すぎるこの状況を、この世界を否定し、みんなに同意を求めるように叫ぶ。
「ああ、ああ!そうだよ!別に此処に来たい訳じゃなかった!ただ、ゲームをしようって思っただけなのに!」
「あたしもだよ!今日は卒業式で、部活が…ひっく…無かったから、ゲームしようって……うぅ……お、もった…から、ゲーム機の電源を、入れたら、こ、こにいて……」
「僕もだよ……。」
「あ、あたしだって……。」
それにつられたのか、他のあいつらも口々に叫ぶ。
ああ、それでいい。きっとこのまま放っておいても、自然とあいつらは団結する。
その証拠に、あいつらの視線は全て爽耶に注がれている。
どうしてあんな二次元でしか言わないような言葉を恥ずかしげもなく人前で言えるのか、俺にはさっぱり…いや、どんな有名な学者でも分かるわけがない。
なんていったって、あいつは二次元にしかいないようなバカで、ゲームがかなり好きで、バスケバカで、憎たらしいくらい男前な顔で、人を惹きつけるような魅力があって、クラスの中心にいて、人のことはかなり心配するくせに自分のことには無関心で、ポジティブで、鈍感で、呆れるくらいバカで、
それでも、あいつは、俺のたった一人の幼馴染で、親友な、相棒だって、俺は胸を張って言える。
ああ、なんか、もう無理かも……。なんか、終わり方がもう終わってしまうみたいで……。ほとほと自分の才能の無さに呆れるばかりです。
話の都合上、これまでのストーリー、及び題名を変更させていただきました。
勝手ながら、本当に申し訳ないと思っています。




