壱
五助は毎晩帰りが遅うてな
今日もほれ…こんなに夜が更けてから帰って来た。
毎晩のようにどこかに出かけておるようだが
決まって行きは手ぶらなのに帰りは必ず、何かを手に持って帰ってくる。
ただの木の棒の時もあれば、どこで見つけたか大きな岩を
汗だくになりながら運んで来る時もあった。
村人も決まって色々と尋ねるが、五助は決して話さなかったので
怪しんで後をつける者もおったが必ず、途中で見失って帰ってくる。
今日も若い者が3人で後を追ったが、八賀の峠で見失ってしまい
引き返した所なんだが
皆そろって
―-煙のように消える――
って言うものだから、化け物じゃないか?
なんて噂する者までいる始末だ。
でも、昼間は畑仕事に精を出して人一倍働き、親切で心の優しい若者だったから
この噂はいつの間にか消えた。
五助の奇妙な行動が半年ばかりも続いた頃
村の爺様が五助の家を訪ねて、聞いたそうな
「のう五助や、誰にも言いとうないなら言わんでいいが1つ、教えてくれんか?」
「そりゃあ…なんだい?」と五助が聞き返す
「誰にも言えないのは、誰かに知られるとお前が損をするからかの?
それとも、誰かに話すと他の者に災いが行くからかの?」
五助は黙ってしばらく考えこんでおったが、爺様の顔を見るなり言うた
「これを誰かに話すとな、オラが損をするんじゃ…」
「ほう」
老人は暫く考えておったが
また、五助に聞いた。
「それなら五助、誰にも話さんでええから紙に書いて教えてくれんかの?」
老人は満足して言ってみたものの
「爺様や、そんな‘とんち’みたいな事言うてもダメだぞ。
これはな、本当に誰にも言えん事なんじゃ。例え神様でも言えん。」
「ほう…神様でものう……」
我ながら上策だと思い言った事があっさりと否定されてしまった虚しさもあったのだが
それ以上に、「神様でも言えない」という五助の意思が気になって仕方なかった。
もっと聞きたかったが、その日は家に帰る事にして
五助に礼を言うと、家に戻った。
家に帰ってそっと戸を開けて外を見ているとな、やっぱり案の定
夜遅くに人影がどこかに出て行ったのが見えたので
知恵だして考えた
どうすれば分かるだろうか……
茶をすすり、消えかけた火鉢の明かりの中
一人、朝まで考えた
初心者なりにがんばって書いてみます
よろしくお願いします。




