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第四話「雨上がりの視界(ビジョン)」
雨が上がった翌朝、朋広はゆっくりとベランダに出た。
伏見の街が、光を反射してまぶしい。
身体はまだ重いが、心のどこかが軽くなっていた。
「あの時、ほんまに助けられたんやろか……」
問いかけるように呟くと、風が返事をするかのように吹いた。
手すりの向こう、団地の駐車場に一人の女子高生が立っている。
顔は見えないが、なぜか懐かしい。
“あのシルエット”と重なる気がした。
ふと、スマホが震えた。
〈桜影装具反応値:25%〉
映し出された画面の中心で、桜色の紋様が浮かび上がる。
「桜影装具……?」
朋広は呟く。
その瞬間、見知らぬ声が頭に響いた。
「あなたの“魂”は、まだ咲いていません」
彼は驚きながらも、なぜか涙が溢れた。
この涙の意味を、彼はまだ知らない。




