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桜魂 :クロス・ゼロ 『桜雨交差点 ― 守る波長 ―』

春の雨が夜を淡く包み、

原付のライトが路面を照らしていた。

京都・久御山へ向かう通勤路。


「……あかんな、また降ってきよった。」


福田朋広、50代。

関西弁で独りごちるその声は、

静かな雨音に溶けた。


前方に、影。

ひとつ、またひとつ――人影が交差点に現れる。

老女、少女、青年、そして…スーツ姿の誰か。

皆、シルエット。


 蒼い残光(影縫の系統)。

 銀灰の閃き(スカイの階層)。

 白い余白(OKの波長)。

 淡い桜色(桜魂そのもの)。


「うわっ、危な……!」


ブレーキの音、滑るタイヤ。

その瞬間、朋広は身体を投げ出した。

守ろうとしたのは、倒れ込む女子高生のシルエット。


――桐生さくら。


光が弾け、スマホが胸ポケットで震えた。

未知の装具“桜核”が覚醒を始める。


そして、視界の隅。

幾つもの影がこちらを見ていた。

それが他世界の魂だとは、まだ知らない。


---


 光が遠のく。

 雨粒が止まったように、時間が凍りつく。


 空間の奥で、声がひとつ、静かに響いた。


> 「観測記録:第一接触、完了。

 桜、影、スカイ、余白――四象が交差。

 選定者、観測を続行せよ。」




 ――それは、物語を見つめる“あなた”への指令だった。



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