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猟機兵装 - 思いつきの記録 -  作者: イワトノアマネ
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29. 起電石と浮遊石


【統一経済圏本部ビル。幹部室】


 大きな窓辺のデスクに影を映す男。

 応接用ソファーに座っている男。


「――選考会で奴らを使いたまえ。私の祝辞は当日キャンセルとしよう」

「わかりました。手配します」


 反連合国が敗退し、統一経済連合の支配する時代。

 戦争が終わってもテロや暴動は続いた。

 

 混乱を起こすテロリストや暴徒。

 それを制圧に出動する軍。

 すべては支配する者の手の上にあると彼らは信じていた。



   ◇


 3人は屋敷の掃除を手伝ったりしながら、休みをすごしていた。

 

 そして休憩時間に庭でお茶を飲みながら、ケーキを食べていた。

 

「――おいしすぎるよコレ」

「そうね、すごくおいしい」


 エリカとコハルはケーキを食べながら幸せそうな顔をしていた。

 

「ありがとう。よかったら今夜の食事もケーキにしちゃいましょうか?」

「ほんと! いいの?」

「ママ! 私にはケーキばかり食べちゃダメって言ってたのに」

「そうだったかしら、ママもう忘れちゃった」

「また、そうやってすぐ、ごまかすんだから」


 楽しく笑いながらあっというまにケーキを食べ終わると、サトコの母がみんなのお茶を注いで、席に戻った。


「あっ、そうそう思い出した。みんなにいいこと教えてあげるわね」

「なになに、なになに?」

「エリカ、あんまり期待しないで。ママもパパのことはダメですからね」

「はいはい。大丈夫ですよ」


 湖面から流れる少し冷たい風が、足元の草花を揺らした。

 

「起電石と浮遊石のこと、機械なのに石って呼ばれるのはなぜかなって思ったことは無いかしら?」

「そうね、丸いから……かしら」

「あれはね、拾ったの――」


 みんなカップに手を添えたまま、サトコの母を見ていた。


「――はるか昔、この星に来た人々は、ほとんど何も持たずに、置いていかれたのです。残された人々は記憶を頼りに、長い年月をかけて文明を築きました。そして、地下や海底を調査するようになり、見つけたのです。たくさんの丸い大きな石を。それが何なのか調べるのに何百年もかかりました。そしてようやく解明され、起電石と浮遊石と呼ばれるようになったのです。おしまい」

 

 3人はぼ~っとして口をうっすら開いて聞いていた。

 

「なにか質問のある人はいませんか?」

「あっ、はいはい」

「はい、エリカさん」

「えっと、作ったんじゃないの?」

「はい、そうですよ。力を取り出す機械は、みんなでがんばって作ったけどね」


 テーブルを囲んでいた3人の驚く顔を眺めながら、サトコの母は笑っていた。


「ほんとに?」

「初めて聞きました」

「そうね、わたしも始めて聞いたわ」


 コハルはサトコの母から視線をそらし、空を見ながらそう口にした。

 すると、サトコの母は楽しそうに笑顔で言った。

 

「う~ん。そのほうが楽しいでしょ」

「も~またママにだまされたぁ~」

「えっ、嘘なの?」


 エリカがよくわからずに二人を交互に見ていた。

 

「嘘とは言い切れないわね、今でも開発が続いてるとは聞くけど、それって開発じゃなくて解析ってことかもしれないから」


「じゃあ、こんなのはどうかしら――」

 

 そう言って、サトコの母は手をテーブルに重ねた。

 そして目を閉じ、大きく息を吸ってから、ゆっくりと吐いて、歌うように語り始めた。

 

 地を滑べり、タテとなりし、アオき輝き。

 身をまもる、コロモとなりし、クレナイの輝き。

 天をつらぬくツバサとなりし、ミドリの輝き。

 時を切り裂くツルギとなりし、キンの輝き。


「――これは、北極大陸で見つかった、白い石番に刻まれていた言葉なの――。って、のはどうかしら?」


 真剣に聞いていた3人は、また騙されたと笑っていた。




 少し肌寒い朝。

 屋敷の周囲に薄い霧が漂っていた。

 休暇が終わり、エリカ達がサトコの両親に別れを継げ、車に乗った。

 サトコも両親に別れを告げて、車に乗った。

 

「じゃあ、行くわね」

「おねがいね。みんな元気でね」


 車を運転するサヤカがサトコの母と言葉を交わすと、車をゆっくり進めた。


 帰り道、少し寂しい気分で静かだった車内だが、エリカが湖の上を飛ぶ鳥を見つけて騒ぎだし、サヤカが説明しはじめ、すぐに明るくなった。


 サヤカとエリカが楽しそうに話すのを、だまって聞いていたコハル。

 会話の切れ間を感じてようやく口を開いた。

 

「エリカとサヤカおばさんってちょっと声が似てるわね」

「そうそう、初めて会ったときに思ったんです。それ」


 サトコが二人の顔を交互に見つめた。

 

「顔もなんとなく似てますね」

 

 サヤカは少し表情を硬くした。


「そうね……遠い親戚かも知れないわね」

「サヤカおばさんがお母さんだったら楽しいだろうな~」

「あっ、ごめんエリカ。思い出させちゃったわね」


 コハルが、視線を落とした。


「ありがと。でも気にしないでいいよ。ぜんぜん覚えて無いから。生まれてすぐだからね」


 エリカの両親はエリカが生まれてすぐ、テロに巻き込まれて亡くなったと祖父から聞かされて育った。

 そのことは、コハルとサトコも会ってすぐに聞かされ、知っていた。


 少しだけ静かになった車内だが、エリカが来る時に眠っていたため、見ていなかった景色を楽しそうに眺め言葉にし、すぐに明るさを取り戻した。

 

ご都合主義全開で、他の星としました。

地球だと、いろんな国の人名が必要になるから、スバリめんどくさい!

そこで、起電石と浮遊石の石に着目したのです!

02話で説明してますが、実は……って、後出し設定になってしまいました。

それなりに納得出来そうな説明はしてますのでお許しを。

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