王都で一番強い人
滅茶苦茶面倒臭そうな目を向けられながら依頼を探す。
その時だった。
バアアアアン!!
と、ドアが勢いよく開いた。
別にDIO様が降臨したわけじゃない。
「た、大変だ!東辺りから大量の魔物が出現!」
と、おっさんが叫んでいる。
「で、どの依頼受ける?私的にはこの南門の調査ってのがいい気がする」
「奇遇ですね。私もそれにしようと思ってたんですよ」
「え?無視していいのか?いや、ダメだろ?」
「…西じゃ、ないの?」
と、質問するのはシルヴィア様…言い方統一しよっか。
「どうでもいいんだけど、シルヴィって呼んでいい?おk、これからそう呼ばせて貰うね」
「え?は?うん」
よし、シルヴィでいいらしいので、これから呼び方統一完了。
「で、西に行かない理由だけど、まあ、一応南からも来る可能性があるから、それの偵察って言えばブラブラしててもいいかなって言う邪な考え」
「そうですね。ぶっちゃけ今西に行っても何の意味もありませんし、ならちょっとくらい魔物がいそうな南、北に行くのが順当だと思いますね」
と言ってたところ。
「すみません!どうやら勢力がかなり大きいようなので、ここにいるランク10以上の方は東門に至急集まってください!」
すっ
俺は凛花から離れた。
すすっ
凛花がこっちに来た。
「…」
「…」
「行ってらっしゃい^_^」
「一緒に行きましょうよ〜^_^」
「…」
「…」
ガシッと凛花が腕を絡めて来る。
ヌルっと腕を抜く。
「…え、ごめん、今の普通に気持ち悪い」
「関節の外し方拳王さんに教わらなかった?」
「そこまで綺麗にできなかったなあ…」
睨み合う事10数秒。
「…ねえ、行っても、いいんじゃない?」
シルヴィが口を出した。
クソが。多対多は苦手なんだよ。
だが、そんな思いは通じなかったようで、どんどん話が進んで行く。
凛花がニッコニコだ。絶対あいつ一人でこれ解決出来たのに。
「いこっか!隼人ちゃん!」
「あはははは…夏に帰ったら覚えとけよ」
「どうせまた自分の首を締めるんでしょ…」
東門に来ました。
「うし、帰るか」
「待て。何故帰る」
ガシッと一真が服を掴む。
「いや、思うんだけど、ここに来るのが目的でしょ?もう達成したから帰ってよくない?」
「ダメだ」
「キレそう」
そんなこんなしてると。
「皆さん!集まってくださりありがとうございます。偵察した者の話によると、敵の戦力はゴブリン1000匹、オーク200匹、そして…恐らく日の熊と思われる魔物が10匹はいるそうです。まだ確認し切れていませんが、これが最低の戦力数です。これの倍はいることを考慮して、ランクが低い冒険者は直ぐに逃げられるようにして進んでください」
「…これは、隼人ちゃん呼んで正解だったね」
「いや〜集まって行動してるわけじゃないだろうし、凛花でも頑張れば行けたでしょ」
「あんまり頑張りたくはないかなあ…」
さて、無駄口はここまでにしといて。
周りを見ると戦力の差を感じたのか、逃げ出している冒険者や倒れ込んでいるものがいる。
因みに一真とシルヴィは倒れてる方だ。
「ほら!二人とも立った立った。早く逃げな」
「お、お前おかしいぞ!戦力を聞いたのか!?」
「…お父さん、呼ばなきゃ…」
「いや〜出来ればあの深淵っぽい何かを抱えてるお方は来ないでほしいかなあ…」
「おい!逃げるぞ!お前たちも!」
「大丈夫だっ…」
て。と言おうとしたら街の方から誰かが来た。
…ふむ。あの人、明石さんより強いな。
身長はどの位だろうか。恐らく210センチは行ってる。防具とかつけてないが、恐らくあの服を押し上げている筋肉が防具よりも硬いのだろう。髪の毛の色は赤黒い。そうだな、範馬勇次郎想像してくれればいいと思う。ただ、範馬勇次郎と違うところは武器を持ってることか。
背中に勇次郎(仮)と同じくらいの大きさの大剣を担いでいる。
正直言って怖い。
勇次郎(仮)がこっちに来る。
「…」
「…」
なんか俺を見て来る。
てか、210じゃねえわ、230くらいありそう。お前骨格おかしいよ…
「神…か。神雷の息子は貴様か」
「そうですね。貴方は?」
「俺は…ゼロ。そう名乗っている」
「厨二病拗らせてますね…ゼロさん、よろしくお願いします」
「ああ、取り敢えず奴らを殲滅する。話はそれからだ」
そう言って一人で森に入っていった。
「…今、ゼロって…」
「知っているのかシルヴィ」
「そこの、王子の方が、知ってると、思う」
「知っているのか雷電」
「誰だ雷電…知っているよ。王都最強って言われていた冒険者だ。ただ、10年前に失踪したと聞いていたんだが…」
「ふーん…よっしゃ、行くぞ凛花」
「はーい…仕方ないなあ…」
と言って一緒に来てくれる。
そうして俺たちは本気で走った。
周りは凄かった。何が凄いって木が綺麗に切れていることだ。あと綺麗なインキのような色がいっぱいこの森を彩ってた。…まあ、魔物の血だけど。
そして俺たちは見つけた。熊をぶん殴ってる大男を。
「うわぁ…師匠みたいな事してる」
「拳王さんもあんな過激じゃないよ…ゼロさん凄いなあ…」
周りを見れば肉の塊がゴロゴロしてた。
「…来たか…待っていても良かったんだが…」
「いや、一応私もやっておこうかと」
「ほう…なら、あいつを倒して見てくれ」
ゼロさんが指をさした後には狼みたいな姿した5メートルくらいの肉の塊がこちらを見ていた。




