授業
体が重い。熱い、頭痛い。まさか入って2日目で教室来ないとは思うまい。
しかし、それをやるのがこの俺である。
え、休むの?
まさかー、休むわけ無いですよね?
おうお前ら、今なら体貸してやるよ。
僕の場合は返すだけどね。あ、返事はノーで
同じく。
f
仕方ない、出るか。
「今日は、皆んなに魔法を見せます。いいですか?この力はとても強力ですが、同時にとても危険です。絶対に先生の見ているところでしか使わない事。あと、人に向けて使わない事を約束してください」
「はーい」
「では、訓練所に行きましょう。」
訓練所はうちのよりも余裕ででかかった。というか、家何個分あるんだろうか?こんなに大きいのか?こんなにいるか?
「先ずは先生がお手本を見せます。『アクアボール』」
そっか、正式名称アクアボールか。
先生の手には大人の顔くらいの大きさの水玉ができていた。
それを…
「危ないから離れていてくださいね?えい」
壁にぶち撒けた。
ただ、壁には効果がないようだ。
「今のが水魔法の初級『アクアボール』です。皆さんにはこの半月でこれを覚えてもらいます」
半月か。勿論、俺なら今すぐにでもアクアボール位なら出せるだろう。ただ…俺、100使ってもあの大きさにはならんだろうなあ…改めて自分の適正の低さを呪った。
「じゃあ、先ずは魔法の出し方から説明するわね。今見せた魔法を頭の中で意識して、手に魔力…体を流れる力を込めて、呪文を詠唱するの『アクアボール』」
そういうと、先程と同じくらいの大きさの水玉ができる。
「あの人、すごい」
と言ってるのは俺の隣のシルヴィアさん。
「へー。どの辺が?」
「…聞いてたの」
「隣だからね。で?どの辺がすごいの?」
「魔法の正確さよ。きちんと自分の1を理解できている」
「あー。成る程完全に理解した」
「…貴方は魔法使えるの?」
「まあね、そちらは?」
「私も一応使える」
「おい!お前ら!真面目にやれ!」
そう言ってやって来たのは王子様だ。ちゃんと見れば整った顔立ちをしていて超絶イケメンだ。日本人感が強いし、まだ子供なので将来はわからないが、とりあえず女を誑かしそうではある。
「ああ、えっと………………?」
「…まさか、名前か?」
「ははは、まさか。貴方の名前を忘れるはずがありませんよ!ねえ、シルヴィアさん?」
「当たり前、まさとでしょう?」
「かずまだ!そんな事はどうでもいいから、きちんと魔法の練習をしろ」
「いいのか…」
なんだか面白そうな人だ。弄りがいがある。
「私はあれくらいなら出来るからいいの」
「えー、私?微妙だな〜でも、ぶっちゃけ水魔法今までに役に立った事…あったわ」
雷を止めようとしてお世話になったな、そういえば。じゃあ俺が真に使っていないのは火か。
「というか、出来るからやらなくて言い訳が無いだろうが。きちんと皆と一緒にやれ」
「…」
無言で先生よりも大きい水玉を作るシルヴィア。
「…」
無言で睨みあう両者。
「ファフウン…ねむ」
そして欠伸を咬み殺す俺。
正に三位一体。俺いなくていい気がするからここから出てっていいかな?
「あっ!いっけなーい。私ったらこれからドンマサル食べなきゃいけないんだった〜」
「…」
「…」
「無言で睨むのやめてほしい」
そして、事件は起こった。
一体何が原因だったのだろうか、シルヴィアが一瞬思考を水玉から離した途端に。
「あ」
「あ」
「うえあぷ!?」
一真さんにあったった。
「はははは!はー…私は関係ないかな?」
「…」
と、俺が笑っていると。一真さんが水玉を作ってシルヴィアに当てる。
「…ねえ。なんで私に当てたの」
「これは怒っている!最後にクエスチョンマークが付いていない!これをどう返すか王子!」
「自業自得だろう?そっちがちゃんとやっていないから悪い。それとも?自分は悪くないとでも?」
「王子は動じていない!それどころか相手に重いカウンター!」
「…」
「…」
「お互いに睨み合って水玉を作る!その球を!あ、これ私に投げる?ワット?何故?」
「「うるさい!」」
生憎だが、その程度の球を当ててられるほど俺の修行は優しくなかった。ヒョヒョイとかわす。
「惜しい!あと一歩のところでしたが、ん〜しかし〜当たりません」
「死ね!」
「これも見事にかわされる!」
あ、そうだ。閃いたこの状況を面白くさせる方法。
「喰らえ!」
王子が投げた水玉を避けると!水玉の先には、人が立っていた。
「え?」
バッシャアああっと、水に濡れる。
ごめんよ、だけど、君男だからダメージないだろう?
「ここで部外者に当ててしまうという痛恨のミッス!困惑している〜」
「すまん!こいつに怒りをぶつけてくれ!」
「おおっと!ここで王子の責任転嫁!流れる様でしたね。どうでしょう、解説のシルヴィアさん」
「死ね!」
だが残念、その球は先生の方向へ。
「ちょおおお!!?」
「シルヴィアさんも部外者を巻き込んでしまったああ!どうなるんでしょうか?先生!」
「あ…」
あ?何故だろう、先生の方が震えている。
「貴方達!人に魔法を使わないって言ったでしょう!!ちょっと来なさい!」
「いってらっしゃい〜二人とも〜」
「「は?お前(貴方)は?」」
「いや、私魔法使ってないし。二人の魔法避けてただけだし。あー、二人が邪魔しなければ私もちゃんと魔法の練習をしたんだけどな〜」
「な!?」
「はあ!?」
「隼人さん。」
「はい?」
「貴方もよ。」
「え…」
「ああ、楓くん。服を乾かしましょうか。先生と一緒に行きましょう。」
「はい。ぐす」
どうやら、男の子は楓くんっていうらしい。
そんなくだらない事を考えていたら、先生に俺たちはこってり絞られた。
…これは俺悪くなくね?




