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無敵のpartner相棒(仮)  作者: 羽柴真一


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戸惑い

皆様こんにちは。

前回、真一は不思議な世界へ足を踏み入れました。二十四時間前

へ戻る世界。思い通りになりそうで、思い通りにならない世界。

良いことをしたはずなのに報われず、得をしようとしても上手く

いかない。そして今、真一はある違和感に気付き始めています。

その違和感は、本当に世界の異常なのでしょうか。それとも、

真一自身がまだ知らない何かなのでしょうか。第4章『戸惑い』

もし皆様なら、目の前の常識が少しずつ崩れ始めた時、何を信じ

ますか?

 真一は戸惑った。瞳と一緒に検証した結果が、予想もしなかった方向へ進んだからだ。

「どうやら俺達、とんでもない世界に放り込まれたみたいだ」

 事実真一はさっきの答え合わせが自分の想像をしていた事と違ってたので、かなり動揺したのだ。

「木島さん、俺の思いを言います。ここでの現象が、もし、俺の知っている人と関係があるなら、少し手伝ってくれないか?思いついたんだ」

 そう言って真一は病院へ瞳を連れて行った。

「それで私は何をすれば良いの?」

「頼みたいことは2つ、一つはKAOKという会社について調べて欲しい。そして2つ目は、俺達以外の人がもしこの実験に関わっているのなら、その人のリストが欲しい」

「なんか探偵みたいね?」そう言って瞳は真一をからかった。

 病院へ入ると、瞳は事務員にNAOK社の杉村について聞いてみた、すると思わぬ答えが返ってきたのだ。

「うちの病院で、その名前の会社との取引は有りませんよ?」

 それを聞いた瞳は、スマホで真一に連絡する。

「羽柴さん、今病院からです。さっきの話は本当なんですか?事務員さん言ってましたよ、そんな会社と取引はしていないと」真一は唖然とした。

「そんな事ある訳が無いじゃないか、昨日杉村さんと会って話をしたばかりだぞ」

 納得のいかない真一は、思い出してみる。

「そう言えば、確か杉村さん言ってたな、何か変わった事無かったですか?あれってそのままじゃないか?説明が付かない事ばかりだ」

 真一は瞳に問いかける。

「その事務員さん、何か他には言ってなかった?」

 そう言われて瞳は思い出すが、何も出てこない。

 真一は実験の候補者を探り出すことにした。

「あなたは誰に頼まれたの?」またあの声だ。

 何処からともなく聞こえてくるその声は、何かを知っている様で、何かを探しているみたいだ。

「もう少し調べてみるか」そう言って、真一は会社へ向かう。

 その声の正体が何であるかを考える前に。

 やがて真一は杉村へ電話を掛けた。

「モシモシ、杉村さん?羽柴です、検証実験について相談があるんですが、時間を貰えませんか?」

「良いですが、どこへ行けば良いのですか?」「9時に駅裏の喫茶店星乃

ワルツ」で待ってます。

「間に合う様に行きますから」そう言って杉村は電話を切る。

 15分前に真一は先に到着した。そして杉村を待つ間、今までの出来事を整理する。

 ①突然頭の中に声が聞こえてくる。

 ②気が付けば24時間前の世界に戻っている。

 ③宝くじや株を買っても儲からない。

 ④良い事をしても元の世界では気付かれていない。

 ⑤検証実験自体の存在が怪しい。

 ⑥杉村の存在が不透明。などだ。

 暫く考えていたが、玄関ドアを開ける杉村の姿が見えた。

「お呼び立てして申し訳ない、杉村さん、あなたの会社今回の実験にどの様に関わってるんですか?」

 杉村は顔を引きつらせながら答える。

「内容が内容ですので、大っぴらには出来ないんです。なので羽柴さんには、お父さんの会社から口添えをしてもらい、真一さんには参加していただきました」

「今回の実験の詳しい内容をまだ聞かせてもらってませんが?」

「その質問には今は答えられません。お父さんと連絡が付き次第という事でお願いします」

「杉村さん隠し事は無しでお願いしますよ」

 真一は杉村の態度に腹が立ち、追及するように言ってしまった。

 最後まで杉村は真一の質問には真実を語ることは無かった。なので真一は実験をリタイヤする事にした。

 そして誰もいなくなった病院の中に、何かが聞こえる。会話の様だ。

「ねぇ相棒、あの人、どうなってるの」「どうなるとは?」

「あの人は私達にとって何かを与えてくれる人

なの?それとも何かを奪って行く人なの?」

 二人の支援AIが話し始める。「香苗、今はまだわからない」

「そんなこと言って、私はあの人の事を、信じられるかが分からなくなって来たの」

どうも意見が食い違うようだ。

「お前はあいつを信じたいのか?」そう言って諭す支援AI。

「もう少しあの人達の事を知りたいの」

 AIとして、人間として、それぞれの立場としての真意が求められている気がした。


第4章『戸惑い』を読んでいただきありがとうございました。

今回の章では、真一だけでなく、多くの登場人物が戸惑っています。

信じていたことが揺らぐ時、人は何を基準に判断するのでしょうか。

人は事実を信じるのか。それとも人を信じるのか。真一の前には、

まだ答えの見えない謎が並んでいます。けれど本当に向き合わなけ

ればならないのは、謎そのものではないのかもしれません。

次回、第5章『望み』人が前へ進む理由は、答えを知りたいからで

しょうか。それとも、その先に叶えたい望みがあるからでしょうか。

また次回お会いしましょう。

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