第43話:奪還不能の刻印
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前回までのあらすじ:佐藤への忠誠を公言して健太を拒絶した美咲に対し、咲希の殺気を用いた護衛で佐藤の支配を誇示する一方、屈辱に狂った健太は香織と陽菜を一層凄惨に蹂躙し、一階の地獄と二階の聖域の断絶は決定的なものとなった。
それでは、第43話をお楽しみください。
※本作は規約遵守のR15作品です。過激な描写にご注意ください。
アパート『シャン・ソレイユ』を包囲する樹海に、34度目の陽光がねっとりと張り付いていた。外界から隔絶されて一ヶ月余り。窓外を埋め尽くす原生林は、コンクリートの亀裂に血管のような蔓を這わせ、巨大な生体迷宮へと変貌を遂げている。一階の住人たちが飢えと腐敗の淵で喘ぐ中、二階の201号室には、甘美で残酷な静謐が満ちていた。
薄暗い室内。田中美咲は、佐藤悠の足元で恭しく跪いていた。昨夜、かつての夫・健太を衆人環視の中で冷徹に拒絶し、佐藤への完全な帰依を誓った彼女の瞳には、狂信的な陶酔が宿っている。
「佐藤様……っ」
佐藤は無言のまま、美咲の顎を指先で強く掬い上げた。
「昨日はよく言ったそうだな、美咲。咲希から報告を聞いたぞ」
「はい……あの方にはもう、憎しみすら湧きません。ただ、穢らわしい過去の象徴として、記憶の塵にしたいだけです。今の私は、貴方様のためだけに存在する道具なのですから」
美咲は殊更に淡々と、過去を断罪するように告げた。だが、佐藤が彼女を抱き寄せ、衣服を無慈悲に滑り落としていく中で、抑え込んでいた情念が鎌首をもたげる。眼前に傲然と起立する佐藤の威容は、健太のものとは比較にすらならないほど圧倒的だった。その太さ、硬度、そして支配者の圧力。触れた瞬間、彼女の虚勢は霧散し、ドス黒い憎悪が火山のごとく噴出した。
(……憎い。やっぱり、殺したいほど憎い……! 私の、何も知らなかった無垢を蹂躙した健太が、許せない……!)
健太との不潔な記憶を、今この瞬間、物理的にさえ抹殺したい――その強烈な情念に突き動かされ、彼女が佐藤の熱量をその唇で余さず受け入れたその時、全身を淡い光が包み込んだ。
スキル『自愛の微光』。だが、外見に変化はない。
(身体の奥が……何だか、熱い?)
不思議に思いながらも、美咲は恍惚とした表情で佐藤に奉仕し続け、その熱い雫を一滴残らず飲み干した。
佐藤は、潤んだ瞳で自分を仰ぎ見る美咲をベッドへと圧し付けた。
「準備はいいか、美咲」
「はい……あぁ、佐藤様。私のすべてを、貴方だけで塗り潰して……っ」
佐藤がその重厚な意志を美咲の奥底へと叩き付けた、その瞬間。
「……っ! あ、痛いっ……!? あ、あぁぁっ……!」
美咲の口から、予期せぬ悲鳴が漏れた。そこにあるはずのない抵抗感。蕾が裂かれるような鮮烈な痛みとともに、シーツに点々と紅い花が散る。
「……清らかなままだというのか?」
佐藤の驚きに、美咲も己の身に起きた奇跡に震えた。健太への憎悪が『自愛』の力を変質させ、「健太に汚された事実」さえも克服すべき傷として認識し、肉体を純潔の状態へと回帰させたのだ。
「あ、あは……っ。嬉しい……! 健太に汚された証が、消えたんだわ……! 私の本当の初めては、佐藤様……貴方です……っ!」
美咲は涙を流しながら、改めて純潔を散らされる痛悦を噛みしめた。佐藤は一切の容赦なく、再生したばかりの未熟で狭隘な内腔を強引に割り広げ、最奥へと侵攻する。元夫とは次元の違う質量が、一度も異物を受け入れたことのない粘膜を無慈悲に蹂躙していく。
「あ、ぁ、ああああぁっ! すごい、佐藤様……っ! 壊れる、私が……っ! あんな男に奪われた時とは、全然、違う……っ!」
静まり返った聖域に、互いの体温が激しく衝突する情欲の旋律が絶え間なく鳴り響く。処女の抵抗を粉砕し、深淵を抉るたびに、溢れ出す蜜と鮮烈な朱が混じり合い、淫靡な色を奏でていた。美咲はもはや理性をかなぐり捨て、佐藤の首に縋りつき、腰を激しく突き上げた。
やがて、極限まで高まった佐藤の衝動が、美咲の最奥へと向けて解放された。
「……っ! あ、はぁぁぁぁぁっ……!」
子宮の入り口を直接叩きつけるような、生命力に満ちた熱い奔流が、美咲の胎内へと勢いよく注ぎ込まれる。最奥を突き破られる衝撃に、美咲は白目を剥き、全身を弓なりに反らせて、人生で最も深い絶頂を迎えた。
佐藤がゆっくりと、その逞しいモノを引き抜く。その瞬間、開かれたままの彼女の秘部から、佐藤の熱い種子と、再生した処女が散らされた証である鮮烈な朱が、混ざり合いながらシーツへと垂れ落ちた。
美咲はおぼつかない足取りで起き上がると、乱れた髪を振り払い、光悦とした表情で佐藤を見上げた。彼女は再び跪き、自らの処女の血がついた佐藤の象徴に、愛おしそうに舌を這わせた。
「ん……れろ……んちゅ……」
自らの証がついたモノを、自らの口腔で浄化していく。血の混じった白濁を最後の一滴まで愛おしげに飲み干し、彼女は佐藤の熱量に感謝するように、その先端へと熱い口付けを落とした。
その頃、一階の102号室では、美咲に拒絶された屈辱を晴らすべく、健太が獣のような狂乱に耽っていた。
「クソがっ! あのアマ、誰のおかげで今まで生きてこられたと思ってやがる……! 俺を捨ててあんな男に股を開きやがって!」
健太は、床に這いつくばる小野香織の背中に跨り、暴力的な衝撃を浴びせていた。香織の身体は、連日の蹂躙によって至るところに内出血が食い込み、瞳は光を完全に失い、ただ健太の怒りを排出するための器と化していた。
「あ、あ、あぁ……っ。や、やめて……田中さん……っ」
「うるせえ! お前は美咲の代わりなんだよ! ほら、もっと鳴け! 美咲みたいに泣いて許しを請えよ!」
健太は香織の髪を掴んで無理やり仰け反らせ、憎悪を込めて打ち付ける。彼の中では、目の前の香織を美咲に見立てて蹂躙することで、辛うじて己のプライドを繋ぎ止めていた。自分を捨てた妻を、力でねじ伏せ、屈服させているのだという惨めな妄想。
部屋の隅では、石堂陽菜がガタガタと震えながらその地獄を見つめていた。健太の狂った矛先は、すぐに彼女へと向けられる。
「次は陽菜、お前だ。来い! 俺を無視するな!」
「い、いやっ……! 田中さん、怖いよ……やめて……っ!」
健太は陽菜を強引に引きずり戻すと、香織の上に重ねるようにして倒した。それは性愛の形を成していない、劣等感と加害欲の排泄。
「美咲は俺のものだ……佐藤から奪い返してやる。あいつも、あの場所も、全部俺のものなんだよ……っ!」
必死に虚勢を張る健太の叫びは、虚しく壁に跳ね返るだけだった。
再び、二階。佐藤の部屋では、嵐のような行為が一段落し、濃密な沈黙が流れていた。
美咲は、汗ばんだ肌を佐藤に預け、至福の余韻に浸っている。その光景を、部屋の隅の暗がりから見つめる視線があった。
五十嵐咲希は、スキル『淡影』によって自らの気配を消し、一部始終を凝視していた。
「……あ」
咲希の呼吸は、いつの間にか熱く、浅くなっていた。処女膜が再生し、それを佐藤が力強く突き破る音。美咲の流した鮮烈な朱。そして、その汚れを聖なる儀式のように飲み干す美咲の、あまりにも満たされた表情。
咲希は無自覚のまま、スカートの奥へと指を沈めていた。薄い布越しに触れる自らの秘部は、自分でも驚くほど濡れそぼっている。美咲が佐藤のモノを掃除するように、咲希もまた、自分自身の欲望を認めることもできぬまま、その背徳的な興奮に身を焦がしていた。
「……咲希、お前も羨ましいか?」
佐藤の低い声が室内に響き、咲希はビクッと肩を跳ねさせた。指を慌てて引き抜くが、その先についている粘り気のある糸までは隠せない。彼女は顔を真っ赤に染め、俯きながら震える声で答えた。
「はい……美咲さんが、あんなに幸せそうに……。私も、いつか……佐藤様に、すべてを……」
佐藤は満足げに鼻で笑うと、膝の上の美咲を抱き直した。
「美咲、次は騎乗位だ。咲希に見せてやれ。佐藤の女としての初体験が、どれほど悦ばしいものかをな」
「はい……喜んで。佐藤様……っ」
美咲は、潤んだ瞳を揺らしながら再び腰を下ろす。完全に「佐藤の処女」として生まれ変わった悦びが、彼女をより大胆に、より淫らにさせていた。
一階の103号室で消えていた「大愛の亡骸」の不気味な不在。そして、一階で限界を迎えつつある香織と陽菜の絶望。それらの予兆をすべて承知の上で、佐藤は目前の快楽を享受していた。
「……健太、お前には一生届かない場所だ」
佐藤の呟きは樹海の奥深くに吸い込まれて消えた。そこには、新たな支配の完成と、一階の崩壊を告げる、確かな終焉の予兆が漂っていた。
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