表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アパートごと異世界に転移したが、俺だけ収納スキルだったので住民を支配することにした  作者: 飯尾 意緒
第2章 腐敗の連鎖と「女」の商品化

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

41/41

第41話:王の湯と奈落の嫉妬

いつもご愛読ありがとうございます!

前回までのあらすじ:絶命した大愛のスキル『胎内回帰』が美咲の放つ癒しの光と佐藤の生命エネルギーに共鳴して発動し、一日以上に及ぶ壮絶な交わりの果てに、大愛は概念的な存在として再び美咲の胎内へと宿り、佐藤の絶対的な支配と生命の循環が狂気と共に完成を見た。


それでは、第41話をお楽しみください。


※本作は規約遵守のR15作品です。過激な描写にご注意ください。

 アパート『シャン・ソレイユ』を囲む樹海に、三十一日目の朝が沈殿していた。外界との断絶から一月。窓の外を埋め尽くす原生林は、住人たちの正気を飲み込もうとするかのように、その深緑をどす黒く変色させている。一階の廊下を支配する腐敗の匂いは、もはや逃げ場を失った日常の澱みとして、重く冷たく居座り続けていた。

 二階、201号室。この「聖域」の主である佐藤悠は、浴室の浴槽の前に立った。佐藤が静かに目を閉じ、自身のスキル『支配庫ドミネーション・ストレージ』を発動させると、静寂は一変する。

 貯蔵されていた「熱湯の入った鍋」を起点に、『アイテム複製』を連発した。空間が歪み、次々と具現化された熱湯が、滝のような音を立てて浴槽へと注ぎ込まれていく。瞬く間に浴槽は溢れんばかりの熱い湯で満たされた。仕上げに、同じくストックしてある冷水を複製して加え、至高の適温へと調整していく。

 それは「無限の湯」——佐藤が持つ圧倒的な支配の特権。本来は生存のための貴重な資源であるはずの水が、轟音を立てて浴槽を打ち鳴らす。かつての「恩賞」よりもさらに洗練されたその水音は、佐藤の支配が次の段階へ進んだことを告げていた。

「美咲、準備をしろ。他の者たちもだ」

「……はい、佐藤さん」

 前日の過酷なまでの「癒し」のループから目覚めた田中美咲は、まだ夢見心地のような足取りで佐藤の後に続いた。彼女の肌は、佐藤の証と自らの『自愛の微光』によって、内側から発光しているかのような瑞々しさを保っている。昨夜、自らの胎内に「何かが戻った」ような不思議な充足感に包まれた彼女は、今や佐藤の影として生きることに一点の疑問も抱いていなかった。

 彼女の隣には、同じく招集された金井綾香、鈴木舞香、および五十嵐咲希が並んでいる。四人の女たちは、佐藤という太陽を仰ぐ惑星のように、その無機質な支配の下で、どこか浮世離れした美しさを放ち始めていた。

 佐藤は浴室のドアを、わざと数センチだけ開けたままにした。溢れ出す濃密な湯気。清潔な石鹸の香り。そして、四人の女たちが佐藤に仕える際に漏らす、甘い吐息と柔らかな水音。それらは物理的な質量を持って二階の廊下を伝い、階段を通り抜け、一階の泥濘へと流れ落ちていった。

 浴室の中では、支配の儀式が執り行われていた。中央に座した佐藤の身体を、四人の女たちが跪いて洗っていく。タオルなどという無機質なものは使わない。綾香と舞香は、自らの豊かな双丘にたっぷりと石鹸の泡を纏わせ、佐藤の腕や脚を挟み込むようにして磨き上げた。肉と肉が擦れ合う濡れた音に、姉妹の艶めかしい吐息が重なる。

 さらに二人は競い合うように、佐藤の手を自らの秘められた熱へと導いた。綾香は佐藤の指を、舞香もまたその温もりを、それぞれの湿った深淵へと深く迎え入れる。指の一本一本を柔らかな粘膜で丹念に包み込み、小刻みに腰を揺らして内側から締め上げる。

「あ、あぁっ……佐藤様の、指……重厚で……っ」

「お姉ちゃんに、負けない……っ。あ、はぁっ、いいの……っ!」

 二人はその感触を芯で感じるたびに身を悶えさせ、やがて同時に小さく腰を跳ねさせて、絶頂の余韻に身を委ねた。咲希もまた、その柔らかな手と胸を使い、佐藤の逞しい胸板を慈しむように撫で上げた。

 美咲は佐藤の正面に陣取り、愛おしむようにその昂ぶりを迎え入れ、喉を鳴らして奉仕する。彼女は一旦唇を離すと、潤んだ瞳で他の三人を促し、自らの内に残る主の余韻を分かち合うように、綾香、舞香、そして咲希へと順番に深い口づけを交わしていった。

「……これが、佐藤様の……私たちの主の味よ」

 美咲の言葉に、女たちは恍惚とした表情を浮かべ、交互に佐藤へ接吻を捧げていく。それは単なる性愛ではなく、絶対的な王を戴く階級の再確認であった。

 湯船の中では、最年少の咲希が佐藤の膝の間に割り込み、その細い太ももで佐藤の熱量を挟み込んだ。

「佐藤さん……私も、もっと……」

 咲希が熱い吐息を漏らし、その未熟な蕾を佐藤に擦り付ける、瑞々しい摩擦の奉仕に没頭した。快感に顔を赤らめる咲希だったが、彼女がさらなる一歩を踏み出そうとした瞬間、美咲がその肩を優しく、しかし毅然と制止した。

「咲希ちゃん、ダメよ。貴女の『最初』は、もっと特別な時のために残しておかなければ」

「はい……美咲さん」

 咲希は名残惜しそうにしながらも、佐藤の胸に顔を埋めてその鼓動を聞くことに徹した。

 一方、その真下――一階の102号室。そこには、地獄の底から天上の楽園を仰ぎ見るような、凄惨な光景が広がっていた。

「……何の、音だ?」

 102号室から這い出してきた田中健太が、ふらつく足取りで階段の踊り場を見上げた。彼の鼻を突いたのは、一階を支配する生ゴミと体臭の腐敗臭を切り裂くような、あまりにも清浄な「石鹸」の香りだった。その白々しいほどの清潔さが、泥にまみれた自分たちの惨めさを剥き出しにする。

 健太の拳が、みしりと音を立てて震える。自分たちは一滴の飲み水さえも惜しんでいるというのに。天井のすぐ向こうでは、佐藤が自分の妻であったはずの美咲や他の女たちを従え、贅沢に水を溢れさせて笑っている。

「佐藤……あの野郎、俺の美咲を……俺の女たちを……!」

 健太の憎悪は、その歪んだ独占欲と共に狂気を加速させていた。彼は逃げ場のない怒りをぶつけるように102号室へと引き返し、床に転がる香織の髪を乱暴に掴み上げた。

「おい、もっと声出せよ。上の連中に負けねえくらいにな!」

 健太はすでに感情を失い、人形のようになった香織の頭を床に叩きつけるように押し込むと、その背後から暴力的な勢いで自らを突き立てた。潤滑を欠いた肉壁が軋み、香織の口から掠れた呻きが漏れるが、健太はそれを悦びと勘違いしたかのようにさらに速度を上げた。

 香織の焦点の合わない瞳は虚空を見つめたまま、ただ衝撃に耐えて揺れる。健太は彼女の腰を折れんばかりの力で掴み、皮膚に指の痕が食い込むのも厭わず、苛立ちをぶつけるように腰を打ち付けた。汗と脂、そして一階特有の湿った嫌な臭いが部屋に充満する。

「次はお前だ、陽菜!」

 絶頂を迎える間際、健太は部屋の隅で震えていた石堂陽菜を強引に引き寄せた。髪を掴まれ、逃げ場を失った陽菜の顔が健太の股間に押し付けられる。

「ほら、喉鳴らせよ! 俺を満足させてみろ!」

 陽菜の口腔に、強引に自らの昂ぶりをねじ込む。喉の奥を突かれる苦しさに陽菜は涙を流し、激しくむせ返るが、健太は容赦なくその頭を揺さぶり、呼吸を奪うほどの奉仕を強要した。だが、どれほど彼女たちを壊し、蹂躙しても、健太の心には空虚な嫉妬だけが募っていく。二階から聞こえる清浄な水音と、美咲たちの楽しげな嬌声が、彼の劣等感を執拗に抉り続けていた。

 一方、一階の廊下の隅では、神田英雄が物言わぬ香織を抱いたまま、虚ろな目で天井を見ていた。

(あそこにいるのは、本物の『王』だ。俺たちみたいな、泥を啜る獣じゃない……)

 神田は自嘲気味に笑い、冷たくなった香織の肌に顔を埋めた。

 やがて、長い儀式が終わった。女たちは佐藤の手によって丁寧に清められ、それぞれが満たされた表情で浴室を後にした。佐藤は最後の一人となった美咲を見やり、短く命じた。

「……終わった。戻れ」

「はい……佐藤さん」

 三十一日目の夜。樹海が静まり返る中、美咲は自らの腹部にそっと手を当てた。そこには、誰にも知られず、しかし確かに「新しい命」が脈動を始めている。

 大愛の魂が回帰し、佐藤の生命力が注ぎ込まれた、再誕の兆し。大愛が絶命する間際のあの強い光は、この瞬間のために放たれた道標だったのだ。美咲は静かに瞳を閉じ、胎内で疼く異質な熱を受け入れた。

 それは、この閉ざされたアパートが迎える、逃れられぬ運命の胎動。二階の楽園と一階の奈落を隔てる壁は、今やその役割を終えようとしていた。

最後までお読みいただきありがとうございます!第二章完結です。

少しでも「面白い」「続きが気になる」と思ってくださったら、

ページ下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】に塗りつぶして応援いただけると、執筆の大きな励みになります!

ブックマーク登録もぜひよろしくお願いします。

新章は明日21時頃に更新予定です!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ