ダンジョンクリア
オメガの撃破後、永戸達はダンジョンの最奥にあるものを見る。
「この手にはありがちなものとして、ダンジョンの一番奥にはお宝がある……んだが」
永戸達は見てしまった。大量の金銀財宝を。それはもう沢山というかなんというかヤバい量で、一般冒険者が持てば億万長者になれたであろう量だ。だが永戸達は悩む。
「困った、俺たちとっくに億万長者だからこれいるかと言われるとちょっと…」
彼らは何度も世界を救ってきた英雄だ。当然ながら銀行にはこれくらいの莫大な富があり、ずっと生活には困らない金を持っていた。まぁ強いていうなら……アンフェリアの方へ向く。
「アンフェリア、お金、欲しくないか?」
「は? まっ、ちょっと待って、まさかこれ全部あたしにくれるって言うの?」
「そうと言ったら?」
「冗談やめてよ隊長、あたしみたいなパートにこんなヤバい量の金銀財宝受け取れないって。あまりにびっくりな金額でショック死するから」
そんな事を言うアンフェリア。まぁ普通そうだよなと永戸達は悩む。
こんな財宝をそう易々と受け取ってくれる人なんているわけがない。と……言うことで。
「いっそ寄付するか?」
「はぁ……はぁ???」
思わず二度見したアンフェリアその意味については、帰ってから知ることになった。
「こんなに金を弾んでくれた都市の英雄達に、乾杯だ!」
『乾杯ー!』
ギルド、エルデバの酒場にて、打ち上げを行うこととなった。金は今回の探索に参加してくれたギルドの冒険者全員に等しく均等に分けて寄付、探索による怪我を治療することになった者には労災代わりに数割追加で寄付して、皆等しく金が分けられたのだった。
「ぷへぁー! 分厚いスーツから解放された後に飲む冷えたビールは最高や! いやー神癒奈っちには感謝やで!」
「いやぁー、これは皆さんの努力あってのものですからね」
ワイワイガヤガヤするギルド内に、忙しくなる給仕、そんな隅っこで、火乃香とアンフェリアはジュースを飲んでいた。すると、フィアネリスがビール片手にやってくる。
「おや、お二方はあの中に入らないのですか?」
「私たちはいいや、ああいうのなれてないし」
「うん、あたし達は二人でのんびり飲むのが好きなの」
「ノリが悪いですね、まぁ、お二方らしいと言えばらしいのですが」
フィアネリスは二人の席の隣の席に座ると、周りを見渡しながら言う。
「どうですか? 四課に来てもうしばらくですが、生活には慣れましたか?」
それを聞くと、二人は互いに見つめあい、少し考えた後答えた。
「私は、ちょっとはなれたかも、なんとなくだけど、お父さんにお母さん、フィーネに、四課のみんな、アンにこうしてであえて、良かったと思ってる」
「私も、センパイにこき使われるのは嫌だけど、でも、火乃香とこうして一緒に仕事ができるのは、なんだか楽しい」
「そうですか、それなら良かったです…お二方、共に強く戦っておられて何よりです」
「フィーネほどじゃないよ」
「うん、センパイ程じゃない」
そうは言うが、二人の中では、どこか、フィアネリスに認められて、嬉しいところがあった。こうして英雄達は、この飲み会を楽しむ者もいれば、見守る者もいて、それぞれの視点で楽しむのだった。




